陣場山から景信山 個人山行  03/05/17

コース:一ノ尾根8:20〜10:50陣馬山10:55〜11:40明王峠11:45〜13:05景信山13:50〜小仏峠〜15:15小仏


 守屋山から次の笠取山までの間が開いたので、足慣らしのつもりで近場に個人山行することとした。
何と私はまだ陣馬山に登ったことがない。高尾山〜明王峠までは数回コースを変えて登っているが、 高尾山〜陣馬山の縦走路が繋がっていないこともあり、駅からのアクセスとコースタイムなどを考えて、一ノ尾根から登って小仏へ降りることとする。

JR藤野で降りるとすぐに神奈中バス「和田行き」に乗車。5分ほどで「陣馬登山口」下車。降りたところは落合。前方に「陣馬の湯」などの大きな看板が見える。
そこを右に渡ったところが登山口。そのまま行くと前記の温泉や栃尾尾根・奈良子尾根方面、すぐ左手に入ると目指す「一ノ尾根」コースとなる。
分岐には標識もある。


左:一ノ尾根方面

・・・とはいえ、しばらくは人家の間を縫う舗装道路なので、何となく感じが・・・と思っていると、早速「あら〜!」と声が上がる。
「ハンショウヅルだわ。エビネも。」
そう、今日のメンバーは、山の"お花の先生"、ご近所のY子さんと、小平のTさんという豪華な顔ぶれ。
今日はお花に詳しくなる絶好のチャンスなのだ。珍しい花に会える確率大!期待が高まる。

幸先良くお花でスタートするが、生憎の曇空、見れば山の中腹以上はガスの中だ。
しばらく人家の間を登ってようやく道は左に分け入って、土の上を歩くようになる。
何かないかな、とゆっくりキョロキョロしながら歩いて行く。お二人は花談義で盛り上がっている。

春に咲くアザミが沢山あり、とても綺麗だ。樹木の花についても詳しいので、一生懸命覚えようと思うが、 なかなかついていけない。

今日はまだ朝早いのか、静かだ。時々野鳥の声がするが、私には判別できない歌。
道はなだらかで、曇天でガスがかかっているために、鬱蒼とした山の中にいる感じがする。山ツツジの薄いオレンジ色が綺麗だ。

急ぐこともないので、花探しをしながらあるいていると、発見!
「あ、キンラン(金蘭)だ!」・・・見つけました、私でも知っている花を。


キンラン

わ〜嬉しい。・・・そうこうするうちにギンランも発見。


ギンラン

ギンランのほうは2,3度見たことがある。キンランよりは少し小ぶりで、2,3本が離れて咲いている。
「金、銀、とくれば銅だよね。ドウランって作っちゃおうか。」と余裕の笑いも出る。
時々シュンランが咲き終わったものも見かけるが、これはもう時期が遅いのだろうか。

ガスで少しシャツが濡れるが、雨というほどでもなく、マイペース、と言うより「植物観察会」ペースでゆったりと歩を進める。
こういう山歩きもいいものだ。心置きなく花に気を配って歩ける。それに、お二人は私の知らない花ばかりを詳細に語っていて、 「ガクの1つが小さいのが〇〇」などと、本当に細かくご存知だ。
時折知っている花の名が出たときだけ、やっと会話に加われる位の高レベルのお話を楽しまれている。

私は植物図鑑を友として(?!)家にいるときは開いているが、実物を前にするとやはり全然違う。折角先生が2人もいらっしゃるので、「〇〇かな?」と 思う花があると、「これは〇〇ですよね?」とチェックしてみる。

たまに立ち休みをしていると、甘いものが出てくる。「ご馳走様です。」・・・私は頂く専門。すみません。
しかし、陣馬山までのコースタイムは1:40となっているが、どうもかなりゆっくりペースになっているようだ。 途中の分岐で位置を確認するが、既に2時間はゆうに越えている。それでも和田からの合流地点にしか達していない。
でも、いいや。今日は楽しんで歩きたい。
そう思っていると、急な坂の脇にシュンランが咲いている。「まだあった!」と素直に喜ぶ。
ほかにジュウニヒトエ(十二単)という花も発見。珍しくはない花だそうだが、私にとっては初めての花はなんでも嬉しい。


十二単

いつのまにか後から人の声がする、と思うと女性グループに追い越された。でも、競走しているわけじゃないし、いいや、と余裕を見せる。
傾斜がきつくなって、階段状の土留めになるともうすぐ頂上だ。ホウチャクソウが沢山咲いている。
霧の奥に白い小さ目の?馬の像が見えて、陣馬山到着。霧雨に変わってた。
ここまで所要2:30、でもわき目をふって、お花の講義と実地を受けた、充実の時間だ。
まだ早いので、上にヤッケなどを羽織って、休憩5分で縦走路へ出て行く。
大きな登りはもうないので、そろそろ"本領発揮"で、ピッチは急に上がることだろう。それを見越して、少し遅くなるが、予定通り昼食は景信山にする。

雨でぬかるみ、滑りやすいので十分注意する。しかし、ほぼ一本道だし、もう地図は不要なコースだ。時々ペースを確認するために、メモを取る。
明王峠まで45分。ほぼコ−スタイムだ。
途中、ジュウニヒトエが沢山咲いている。余り沢山あるので、最初に見つけた時の喜びの半分だ。それから、チゴユリが沢山咲いているが、これは花の切れ込みが深く、大きいのでオオチゴユリだ、とY子さんに教わる。
テンナンショウかマムシグサか、大きいのから小さいのまで様々だ。
木の花も草の花も、春は白いものが多い、とTさん。こんなガスっている日でも白は目立つ。

ごく稀にフジの紫の花が散って落ちているので上を見上げて探してみる。
既にルートは私でも3度目ほどになる区域に入ったので、周りの景色にも記憶があり、何となく余裕を感じる。
夏にきたときにはこの辺に沢山のヤマユリが咲き誇っていたなあ・・・。オカトラノオも沢山あったなあ。
そう思っていると、Y子さんが、ほら、オカトラノオの葉がいっぱい、と言う。
そうそう、私だと花が咲いていないと判別できないが、お二人は葉だけで判断できる。そこが、違う。

たまにある"起伏"は、雨天、滑りやすいにつき、「巻き道」へ。
時々、ランナーの一群が通り過ぎる。こんな天気の悪い日にも走っているのは凄い。耐久レースにでも出るのだろうか。
お腹も流石に空いてきたなあ、というころ見慣れた坂道へ。
ああ、そうだ、そろそろこの上は景信山のはず・・・。
滑る斜面に注意しながらも、誰も転ばずにおなじみの景信山へ。
明王峠から1:20で到着。これはコースタイムより10分早い!実力発揮?!
とにかくも、お疲れさまでした。やっとお昼!

小屋は営業していなかったが、屋根のあるテーブルと長いすが多数あるので、こんな霧雨の時には助かる。
座っているとシンシンと冷えてくる。ノンビリ食べて、ゆっくり出発しよう、のはずが、寒さでおにぎりを持つ手もかじかみ、 早々に出発となる。すぐ下に綺麗な水洗のトイレがあるので寄っていく。
小雨で滑ることも考えて、やはり計画通りに小仏へはまっすぐ降りずに小仏峠を経由して行くことにする。
こんなところで転んで怪我をしては元も子もない、と意見が一致。
バスは1本あとの15:33を目指す。

そういえば、今日はノンビリ歩いたとはいえ、昼食までは5分の立ち休みが時々入るだけで、4時間余り歩きとおし、座る休みがない。
そのせいか、歩き始めにストレッチをしなかったせいか、左足の膝裏に違和感を覚える。マズイかも・・・。
これは、筋肉疲労のせいだろうと思うが、いやな感じだ。
小仏峠で少し足をストレッチして、そのまま小仏へ下る。右も少し疲れた感じだ。やはり、一昨日ジムでトレーニングをした疲れが残っているのだろう。
・・・そのうちに道がだんだん広くなり、見慣れた車道へ飛び出すと、中央道に沿って歩く舗装道路となる。
山肌にはニセアカシアの白い花がこぼれんばかりに咲いていて、いい香りがする。
その奥には桐の紫の花も見える。
バス停までの歩道歩きも今日は余り苦にならない。最初から最後までお花尽くしの楽しい個人山行となった。
さて、家に帰ったら図鑑で復習しないと!

とはいえ、結構な時間と距離を歩いたことは、足の筋肉が物語っている。充実感のあるコースだった。
この山域は是非また様々なルートで歩いてみたい。


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