伊豆ガ岳   2003年9月23日

コース:正丸駅9:20〜9:40馬頭観音分岐9:45〜11:00伊豆ガ岳11:45〜12:20正丸峠〜13:30正丸駅


  秋分の日の今日は、お誘いを受けて奥武蔵の伊豆ガ岳へ行くことになっている。山は軽くして、帰りに有名な巾着田で満開のヒガンバナを見ようと言う計画だ。
普段より遅めに西武線池袋駅に集合。久しぶりのお顔もあって嬉しくなる。

  正丸駅で降りて身支度を整え、本日のメンバー8人(初めての方は1人のみ)の自己紹介をして歩きだす。
駅には「奥武蔵ハイキング」という綺麗なパンフレットが備え付けてあり、ここには「正丸――伊豆ケ岳を越える道」がある。分かりやすくて便利だ。

駅には右手に降りる斜めの階段があり、ゲートがついていて、伊豆ガ岳へはこっち、と迷うことがない。目がクラクラしそうな不思議な斜めの石段を降り、高架をくぐって右に折れると長閑な舗装道路が続いている。
道端には沢山の花が咲いていて、近隣の人たちの心配りが感じられる。集落の間をゆっくり登っていくと茶店もある。
まずは最初の分岐「馬頭観音」につく。駅から20分ほどだ。


馬頭観音

道なりに右へ行けば正丸峠、山道へ入れば伊豆ガ岳への近道だ。
当初は正丸峠経由の予定だったが、近道には急斜面があるというので、そこを下るよりは登るほうがいいということになる。

  やっと土の道を歩く。先客もいるものの、余り登山者も多くなく、静かでいい感じだ。
このルートはずっと沢沿いに進むようだ。水音が涼しげで気持ちがいい。
しばらくして、分岐。右に登る道は急斜面を避けるルートのようだ。先頭はこちらへ行きかけたが、沢沿いに進んでそのまま行こうということになる。
歩いて行くと、確かに少しアップダウンや足場の悪いところが出てくる。が、ハイキングから山道に変わって、やっと山らしくなったという程度。
先頭のFさんも快調のようだ。・・・そのうちにルートは一気に急斜面で滑りやすい場所に出た。ここは木の根が出ているので、手を使えば見かけほど困難ではない。
が、下りでは確かに使いたくない道だ。上部に目をやると、古いトラロープも見える。

どう登ってもよさそうだが、真ん中あたりでさらに扇状に斜面が広がり、一度左へトラバースして、一番左寄りのコースをのぼることにする。
(よく見ると左にロ―プが見える。)しかし、どこを登っても、最後は尾根に出るので同じ。これが多分唯一の難所。 登りきるとなだらかな尾根。さすがに休みたくなる。そこで、個人山行ならでは、「休みましょうよ〜。」

  山は久しぶりという方が3人ほどいらして、(普段は大変な健脚の方ばかり。)「いや〜、息が切れるわ。」・・・なんだかちょっと安心した気分。私だけじゃないのね〜。(笑)
ここからはそれぞれ話の花が咲いて、頂上近くの男坂と女坂の分岐に出る。


男坂と女坂の分岐(稜線)

今は落石で事故があったとかで男坂は禁止になっており、女坂で迂回するしかない。ちょっと残念。ガイドブックで見たあの坂、登ってみたかったなあ〜。
ともあれ、安全第一。樹林の合間から垣間見て我慢。


男坂

・・・女坂を上りきれば鞍部に出て、右手すぐが山頂。三角点もあり、展望もある。


伊豆ガ岳の標識

鞍部に戻ってやや広い尾根で思い思いに昼食となる。

  今日は巾着田でおでんをやる、というので、コースタイムから考えて、昼食が山頂ではないと思っていたので、実はアンパンしか持ってきていない。が、他にも食べるものはあるし、と店開きしていると 皆さんがいろいろ回して下さる。Iさんは恒例のコーヒーを入れて下さるし、Mリーダーからは見事な卵焼きが回ってくる。Mリーダーとは北海道大遠征以来だ。(来年は久々に行けるかな・・・?)
暑からず寒からず、天気も薄日が射してちょうどいい。本当ならまだ残暑の時期だが、今日はまさにハイキン日和。

  帰りは尾根沿いに正丸峠へ。たまに階段もあるが(丹沢みたい。)峠に出ると道路になっている。「奥村茶屋」があり、ライダーも多いようだ。


奥村茶屋

峠道を確認したあと、再度この茶屋の裏へ回って、今度はまっさかさまに急降下!
肩の高さほどの立派な手すりがあり、足元は丸太状の土留めがある階段だが、これが苔のせいもあって、ヘリに足をかけようものなら、つるっとすべる。あ〜怖い!


まっ逆さまに落ちていく階段

階段なのに、しっかり手すりに掴まらないと怪我をしそうだ。意外な難所。要注意!
このあとは沢がらみで降りていく。・・・と、視界が開けて、朝の馬頭観音の分岐に出る。これで実質的には山は終了。「あ〜楽しいハイキングだった〜!」

  あとは駅までノンビリ歩き。急ぐこともない。途中の茶店でOさんがお饅頭を買っている。この前買ったらとてもおいしかったのよ、というので、みんなが手を伸ばす。
私もおみやげに2個入りを買う。じつに素朴なお饅頭で、手作りらしい。ほかにミョウガや栗など地元のものを少し売っている。
道端の園芸種の花や野草を眺めながらおしゃべり。そこで、OさんとMリーダーが取り出したものは・・・ルーペ。
これで花を拡大してみると実に面白いらしい。覗かせてもらうと、おお、これは凄い。
面白くて、道端の花を拡大しては楽しみながら歩く。いいなあ、こういうゆとりって。
散々道草しながらもいつしか正丸駅へ。時刻は13:30。さて、これから場所を移して第2ラウンド。

  高麗の駅で降りようとすると、ホームに人が溢れている。凄い人だ。みんなヒガンバナ見物の人だろう。
駅前もテントが沢山たって、露店の焼きそばのにおいがする。
巾着田への道も、まるで初詣の人波の中を歩くようだ。う〜ん、聞きしに勝る人の数。
Iさんはビールを調達に行く。私たちは場所を探してあっちこっちへ。とにかく人、人、人。でもヒガンバナはどこ?

川を渡ってようやく少し見えてきたが、観光バスが沢山停まっている。簡易トイレも並んでいる。ようやく広い河原に場所を見つけて、おでん&うどんとなる。
ゆっくり食べて、さらにヒガンバナを鑑賞するために歩く。ここからは流石に数が多い。


彼岸花

もう夕方ということもあって、これでも人はかなり減ったはずだが、まだまだすれ違うにも大変なほどの人だ。
巾着田の名前の由来は、川が蛇行してUの字の開口部がすぼまった、まさに巾着のような形になっているためだ。でも、この巾着、大きすぎて地面を歩いているだけでは分からない。

売店のテント村を抜けると今度は沢山のコスモス。これも綺麗。

しかし、駅に戻るといつのまにか人がまた沢山になって、乗り切れるのか心配なほど。飯能で乗り換えて、やっと座れるようになる。

  今日はなんだか巾着田の方が沢山歩いて疲れたみたいに感じるのは、ひとえにこの人ごみのせいだろう。でも、ヒガンバナも盛りで、楽しい1日だった。


戻る 山一覧へ