浜石岳   2006年12月23日

コース:
坂本(登山口)9:50〜10:13小屋場ノ段10:18〜10:52のろし台分岐〜11:04林道出合11:14〜11:42浜石岳12:38〜13:08のろし台分岐〜13:35小屋場ノ段13:45〜14:05坂本(登山口)
+薩た峠散策(「た」は土 + 垂の文字。)


資料サイト:由比町HPさった峠マップ

今日は今年最後の(個人)山行。目的地は2度目の浜石岳。忘年山行に相応しい豪華メンバーが揃い、朝から大いに盛り上がる。
都内を無事に走りぬけ、東名道では多少事故渋滞があったものの、ほぼ順調に清水ICに到着。
お天気もよく、山頂からの展望には大いに期待が持てる。勿論、富士山が今日のメイン・ディッシュ。

今日は坂本から浜石岳に登る、初めてのコース。前回は由比駅〜浜石岳〜薩た峠〜由比駅という大遠征で、登山口に辿り着く前に車道歩きでバテた苦い記憶がある。


登山口への右折箇所
東名を清水ICで降りるとそのまま静清バイパス(1号線)。興津方面に戻って52号線へに入ると後は道なりに暫く進む。前の軽がノンビリ走っているが、後ろから追い抜く車も無く、ああこれが静岡だ、と妙に納得。

登山口への右折地点と駐車スペースに不安が残るまま、いよいよ坂本に入る。
坂本バス停を見落としたものの、右手にそれらしき標識を発見。橋の手前に「宮澤薬師本道入口」の石柱と「東海・静清庵自然歩道」の看板が並んでいる。(よく注意すれば、走っていても気付く。)かなり狭い道だ。
右折で入り、すぐに左に橋を渡れば1.5車線ほどの狭い道路が延びている。
民家が途絶えると何だか立派な施設が左に現れ、すぐ右に坂本登山口、左手に駐車スペースがある。3台ほど停められ、簡易トイレもある。

先客は1台。無事に駐車スペースを確保し、予定通りの到着時間にほっとする。
仕度をして歩き始めるとすぐに「頂上まで3333m」の標識が目に入る。

道は杉林の中だが、やや細く路肩は崩れやすいが、よく手入れされており、随所に標識がある。
いくつかの朽ちかけた橋を渡りつつ進んで行く。

しばらく沢音を聞きながら行くと今度は高度を上げて九十九折になる。


登山口

「頂上まで3333m」

危険箇所
急登を少し頑張って「小屋場の段」。標識もあり、先は尾根を登るようなのでまずは一休み。
重いから、と早速リンゴが振舞われる。あら私も、と皆さん。今日も頂く専門で気が引ける。

暖かいので少し汗をかくが、ここから急登を経て水平になると木々の間に見事な富士山。ここが富士見台だろうか。
このあたりにはマツカゼソウ(松風草)が沢山あり、花の頃は見事だろう。

すれ違う人もなく静かな山歩きだが、念のため鈴を鳴らしながら歩く。イノシシの掘り起こし跡もある。
コース上の危険箇所にはロープが張ってあり、有難い。かなり脆い箇所もあるので慎重に歩く必要がある。

のろし台跡への分岐を見送って、早く山頂から富士山を眺めようと先を急ぐ。

このコースは浜石岳まであと何mという数字がなかなかユニークだ。キリのいい数字は無く、2222m、1971m(だったかな?)など半端な数ばかり。次はいくつで現れるだろうと予想するのも楽しい。

このあたりは広々とした場所で歩きやすい。足元が紅葉に変わって目の前が急に明るくなると林道に出る。左は槍野(うつぎの)方面らしい。ここにもしっかり標識がある。

浜石岳は右に進む。目の前に電波塔が2つ、尾根の上に聳えている。すぐにまた標識が現れて、林の中に戻されると、「頂上まであと600m」、それから400mと200m刻みになっている。


林道出合
アルペンガイドの『頂上へ600mの指導標では尾根上を行かず、右へ行く。左はちょっとした急登で、ふたつのNTT無線塔へ』に従おうとするが、尾根を行く無線塔への急登しか道がない。
諦めて最後の急登を登り詰めると大きな電波塔と標識、小さな祠があり、とうとう山頂直下の駐車場が見えてくる。

駐車場には1台の四駆。そこから降りてきたのは・・・何とRocky君!(彼は静岡の同級生。)

実は23日に山に行くというので、会えたらいいねとメール交換していたものの、彼らは金時山に登ってから浜石に寄ると聞き、会えるかどうか半信半疑だった。
「今から温泉に入って浜石に向かう」(9:50送信)というメールを読んだのはついさっき。これなら会えそうだと思ったが、まさか同時に到着するなんて。これはきっと縁起がいいに違いない。

挨拶もそこそこに、みんなで坂を上がればもう山頂。雲を払った富士山も待っている。

串団子状の「浜石岳」の標識をバックに記念撮影。それからみんなでお昼。
今回、何より奥さんとお会いするのが楽しみだったが、予想通りの素敵な女性。何だか以前からの知り合いのような気がするのは嬉しい。

二人はそれぞれストーブを出してラーメンを作っている。ストーブを1人1個というのが何だか面白い。・・・風も無く穏やかな昼下がり、楽しい会話は続く。

名残を惜しみつつ、そろそろ戻ることにする。往路で気になる箇所を確認しながら降りることにする。
やはり電波塔への道は1本しかなく、また、のろし台跡から登山口までのルートは何だか地形図ともアルペン・ガイドの略図とも異なるように感じられる。
誰かのHPにも、地形図と尾根が1本違うルートと書いてあったが、小屋場ノ段付近は痩せ尾根で、コースが沢を渡る箇所はなく、かなり気になる。

同じ道を戻っているが、往路と復路ではやはり視点が違い景色も異なるので迷う時がある。
そんな時、往路では気にならなかった、木に巻いたテープがとても役に立つ。こんなところに、地元の方の細かい気配りを感じる。

やはり往路での危険箇所は下りでは一層危ない。足元が傾いていてしかも脆いので、足の置き場を考えなければならない。
登山口が近づいても、石車に乗り易く、意外と歩きにくい。最後まで慎重に。

さて、無事に下山後は観光開始。まずは薩た峠に向かう。
由比側から駐車場への道は「1.5車線程ですれ違いが怖い」とあちこちのHPに書いてあるので避け、街のイラストマップに「52号線から来ればマイクロでも入れます」とある興津側の駐車場に停めることにする。
実はこの位置がよく分からず、問合せもしたが要領を得ない。最後はgoogleの衛星写真でそれらしき場所を確認し、地図で経路を考えた。

52号線の「八木間元」交差点を曲がり、「興津大橋」を渡って直進。
突き当たり(標識あり)を右に進むと右手に巨大な温室(?)棟(←これが地図や画像で分かり易い)が並ぶ分岐(標識あり)を左折すればを駐車場と立派な休憩舎がある。

確かに道は広く、路上にも数台停められるだろう。
ここから墓地の間を通って階段を登り、薩た峠への遊歩道に出る。


駐車場

トイレと休憩舎


薩た峠からの景色
墓地を抜けて登っていくとすぐに薩た峠の「東海道標」がある。富士山が見え、海も青い。富士山は薄くなってしまったが、雲もかからず絶景だ。
ここでRocky君差し入れのおまんじゅうをみんなで分け、ベンチに座って3時のおやつ。

それからミカン畑の間を抜ける遊歩道をノンビリ歩く。おいしそうなミカンが沢山なっている。無人販売もあり、帰りに買うことにして、展望台まで散策。
なんと水仙が咲いている。野の花も沢山咲いていて、ここだけ春のようだ。
水仙の香りに酔いながら、展望台に上がって富士山をじっくり眺める。薩た峠の絶景は広重ならずとも感動する。目の前は広い駿河湾。その水平線は確かに弧を描いている。

傾き始めた日にせかされて、また駐車場に戻る。

この展望台は由比側の駐車場から至近距離だが、興津側から由比側までは15分弱。山登りをする人にはお散歩気分。不ぞろいなところがまたおいしそうな、ミカンの無人販売(1袋100円から)を2つ、3つと買いこみ、これをお土産にして車に戻る。
さあ、最後は桜海老!由比の街に戻ってゆい桜えび館へ。
ちょうど観光バスも入り、実演のかき揚をつまみ食いしてから無着色の干し海老を買う。これで今日の目的は全部達成。

夕暮れの由比を後にして、また1号線を清水に戻り、東名道に乗る。横浜辺りで織り込み済みの毎度の渋滞を抜ければネオンのまばゆい都心。皆さんを駅に降ろし、クリスマスのイルミネーションが輝く街中をぬけて19時すぎには家に着いた。

今年の山もこれで終了。来年もよい山行ができますように。お世話になった皆さんの顔を思い浮かべながら楽しい1年を締めくくった。


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