五郎山   2006年11月18日

コース:
町田市自然休暇村キャビン10:30〜10:55幻の滝分岐〜11:10登山口11:15〜12:20マキヨセの頭12:36〜P2〜13:18五郎山13:30〜14:00マキヨセの頭14:10〜15:00登山口〜15:30自然休暇村


今日も所属する山の会での山行。思いがけず新記録の6週連続登山となった山は長野県南佐久郡川上村にある五郎山(ごろうやま)、2131.7m。マイナーな山のため、資料は少なめ。まずは地形図を確認し、昭文社「金峰山・甲武信」を2006年版に買い替える。
梓川に沿って南下し、町田市自然休暇村へ入って、「幻の滝」への分岐の先に登山口があるようだ。

地形図からは山頂は南面が崖になっており、どうやらピークは3つに分かれていることが分かる。最初のピークがマキヨセの頭、真ん中はP2、最後が五郎山(三角点あり)と呼んでいる。

昭文社の地図からは、マキヨセの頭はを越えてからP2を南面に巻き、五郎山も南面から回りこんでやや戻る形で登り返して到達するルートとなっているようだ。
更にネットで検索すると、頂上部の岩稜歩きに関しては危険箇所ありという指摘も多い。ただ、その度合いはまさに人それぞれ、何でもなさそうな感じもするが、相当怖いという感想もあり、判断に迷うばかり。
しかし、画像を見ると展望に優れ、魅力的な山なのは間違いなく、是非登ってみたいと思わせる山だ。

期待と不安が入り混じったまま、出発の朝を迎える。

都内を7時前に出発しても川上村は遠い。野辺山を過ぎて川上村への標識通りに進んでいくと男山、天狗山などのピークが見えてくる。いずれも会の山行が複数回出ているのに参加の機会を逃しており、次の機会には是非と思う山である。
幸い天気もよく、その先の右手に山頂が2つに分かれた高い山が見えてくる。あれが五郎山だろうという声に、いやピークは3つのはずだから違いますよ、と答えたものの、山の姿は見る角度で一変するもの。多分あれが五郎山だったと思う。(Nさん、ごめんなさい。)

町田市の自然休暇村へ向かい、管理人に断った上でマイクロバスはキャビンのある所まで入って駐車し、そこから林道を歩いていく。20分ほど歩いてようやく岩峰が樹間に姿し、五郎山だと分かる。
それから僅かで幻の滝への分岐を見送って、更に15分歩いて登山口の標識が現れる。ここからすっかり葉を落とした落葉松林の急登が始まる。


キャビン地点

五郎山を臨む

登山口に到着
ここから斜面をどんどん登っていく。足元は落葉松の葉が敷き詰められてふかふかだ。道は更に急登になり、喘ぎ喘ぎ登っていくと15分ほどで今度は岩が現れ、時折手も使いながらぐいぐい登り続ける。
ルートには番号を振った杭が比較的細かく打たれており、数字を追うと分かりやすい。時折渋滞しつつ、そこで息を整える。振りかえると見晴らしもよく、大弛峠へ延びる道が白く光っている。

マキヨセの頭が近づいてきて少し北面に回りこみ、霜が降りて滑りやすい木の根に気をつけ、枝に手をかけながらよじ登っていくと稜線に出る。
ここからはGさん、Hさんら慣れた男性陣が要所で指示を出し、慎重に岩を乗り越えながら進む。段差の大きなところは膝を折って岩に乗って進み、バランスを崩さぬよう十分注意すれば、ようやくマキヨセの頭だ。


落葉松林の急登

岩場は慎重に

マキヨセの頭へ

マキヨセの頭からの展望
登山口からおよそ1時間で到着。中高年27名としてはまずまずのコースタイム。ここでランチとなり、あたりの大展望に満足する。
見渡せば、天狗山や男山が猫の耳のように見えてくる。また足元はすっかり葉を落としたとはいえ、セピア色の落葉松林も美しい。新緑の時期や紅葉の時期はどんなに綺麗なことだろう。

急登でかいた汗も、流石に2000mを超える山頂ではすっと引いて、風の冷たさに思わず上着を羽織る。時間より前にみんな仕度を始め、いよいよ五郎山頂をめざすことになる。
リーダーからは、非常に厳しいコースだから、慎重に、また怖い人は留まるようになど指示が出される。

さて、マキヨセの頭を過ぎると鶏の鶏冠のように小さな起伏を越えて行く。どれがP1なのか分からないが、岩や樹木など手がかりは豊富だし、断崖絶壁を歩く訳でもない。
そのうちに、目の前に大きく聳える五郎山とその手前にP2が全容を現す。
誰もが抱く感想は、「一体どうやって登るのだろう」。
下調べをしていないと、ここで撤退したくなるかもしれない。

五郎山と手前のP2

P2に向かって降下する
さていよいよ問題のP2。
ここは北面・南面の両方にルートがあるが、Gさんの偵察によれば北面(左側)を巻くのが安全と思われるとのこと。南面(右側)にもルートがあるが、地形図通りの断崖絶壁、やはり危険すぎる。

実際、北面(左側)の樹林の中に安全なルートがあるのだった。テープやペンキ印もある。

←←(往路)  P2を巻く  (復路)→→

P2を等高線に沿うような形で巻き終えると五郎山との鞍部に向かう、つるべ落としのような箇所を降りて行く。
ここも、岩や木の根・枝など何でも掴まれるものは利用しつつ足場を確かめながら降りて行くとひときわ高く五郎山が聳えている。


鞍部から見た五郎山

右へ回り込む
目の前の五郎山へは、ちょうど樹林の中を斜めにうまく道がつけられており、そこを登って北側(右側)へ回り込む。
それからしばらくはトラバースするように進んで行き、山頂を通り過ぎた地点の鞍部へ向かって登り返し、更に左へ回り込んで山頂へ向かう。

山頂直下には大きな岩があり、これが最後の難所であるが、しっかり掴んで登れば狭いながらも展望の山頂である。


山頂
狭いといっても何とか全員が上がりきることはできる。みんなの顔に『満足』と書いてあるかのようだ。
見た目と異なり、実際にはマキヨセの頭までの方が厳しいルートかもしれない。P2を下りきってからは、案外あっさりとこの岩峰に登らせてくれる。

さあ、あとは今来たばかりの道を戻るのみ。といっても、下りは疲れもあるし足元が見える分だけ怖いかもしれない。気を引き締めて下山開始。

早速、岩の下りで渋滞発生。これを利用して撮影タイム。カラフルな登山者の列が眼下に続いている。


山頂からルートを見下ろす
山頂からようやく全員が降り、また巻き道を降りて行く。鞍部に戻ってさっきの「つるべ落とし」を上り返し、P2を巻いてどんどん進む。

更にマキヨセの頭に向かって登り返す。山頂からはちょうど30分だ。
目の前には雲の上にうっすらと雪を戴く八ヶ岳が姿を現している。

この展望を満喫してから一気の下降となる。また岩を乗り越え、番号杭の数字がどんどん増えていくのを確認しつつ、急降下を木の根、岩に掴まりながら3点確保で降りて行く。


八ヶ岳を臨む

マキヨセの頭を下る
それにしても急勾配なので落石が気になる。特に疲れも出始める頃で、ストックを取り出して支えながら降りて行く。

同じコースを戻るため、どの辺りを歩いているのか分かるのは嬉しい。岩場を過ぎ、白樺林を抜けて、落葉松の中をどんどん下れば登山口に至る。
マキヨセの頭から登山口まではちょうど50分かかった。

ここからは林道をノンビリ歩き、おしゃべりの花を咲かせながらマイクロに戻る。
大分冷え込んできたようだ。


樹林帯の下り
五郎山はなかなかコンパクとに中身の詰まった面白い山だ。急登はキツイけれど、その甲斐はある。
ただし、地図読み、ルート探しは確実に。そして岩場の行動も慎重に。

  ご一緒した皆様へ


戻る 山一覧へ