舟伏山   2008年4月19日

コース:あいの森(駐車場)6:15〜7:25桜峠7:30〜みのわ平〜8:45水たまり場分岐9:10?〜10:05山頂10:45〜小舟伏〜13:20あいの森(駐車場)

舟伏山(ふなぶせやま)1040.3m
・1/25000「谷合」
山県市HP(コースタイム 3:30程度)
昭文社「関西の山あるき100選」にコース紹介あり。


東ルート登山口

所属山岳会では5ヶ月ぶりとなる山行は、岐阜県山県市の舟伏山。
雨の中、集合場所に着いたのは最後で、空いていたのは『特等席』(リーダーの隣)のみ。
後ろが旧知の方々でほっとしたのも束の間、ご無沙汰の挨拶もそこそこに、バスは早速走り出す。

夜行も半年振りだが、それほど寝不足感も無く、夜が明けれてみれば、何とか体調もよさそうだ。(アミノバイタルを飲んだのが効いたかな。)
登山口への狭い林道を走っていくと桜が美しく、シャガも咲いている。ミツバツツジも色鮮やかで、花で名高いこの山に期待は高まるばかり。

「あいの森」まで入ると割と広い駐車場があり、まだ早いのか乗用車が2,3台。でも下山するころには満車だろう。

ネットで検索すると多数のHP・ブログがヒットするこの山は、この時期のイワザクラが一番のお目当てだ。

今回はマイクロ2台、総勢40名という大所帯で、他の登山者に迷惑をかけないよう注意しながら登り始める。今回は時間の余裕もあり、また目的が花なので、たっぷりと時間をとって歩くという。個人山行さながらの「優雅さ」である。

まずは暗い林床にタチツボスミレ、スミレサイシン、フイリシハイスミレにウスバサイシンの花々。
稜線に出ると桜峠。満開の真っ白な桜が1本、迎えてくれる。
カタクリの葉が目につくが、1枚のものが多く、花はまだのようだ。

それから急登を登り始めると、日当たりがいいのでタチツボスミレ、マルバスミレ、キバナイカリソウ。

  フイリシハイスミレ(斑入り紫背菫)   スミレサイシン(菫細辛)
   (葉がウスバサイシンに似るため)
  タチツボスミレ(立坪菫)
   (距が紫)
  オオタチツボスミレ(大立坪菫)
   (距が白)

それからカタクリもようやく蕾が目に付くようになり、ニリンソウは萼(ガク)が濃い赤で美しい。
更に、キランソウ、オオタチツボスミレ、キクザキイチゲ、アカネスミレ。なぜかシロモジの木が沢山。

足元にばかり目が行くが、展望もなかなかのもの。新緑がまぶしい。


  若葉の季節

  ニリンソウの蕾

  ウスバサイシン(薄葉細辛)

  ウスバサイシンの花
花に出会う度に各駅停車、長蛇の列がストップするが、幸いまだ他の登山者は殆ど登ってこない。
これだけ花が多いので、余計に本日のお目当てのイワザクラに早く会いたい気持ちで一杯である。登山道の9合目あたりの岩場にあるらしいと聞き、早く頂上への道を急ぎたくなったとき、何と分岐で本隊は山頂方面ではなく、「水たまり場」へ進んでいる。
何があるのかと訝っていると、今度は前の方で歓声が上がり、さらには斜面を強行突破しているではないか。

なるほど、前方の大きな岩場にピンクの塊が遠くからでも確認できる。イワザクラだ!

昨夜の雨で登山道も滑って怖いが、岩の至近へは道が伸びていない。望遠レンズなら狙えるだろうが、この目で確かめるには自己責任で・・・。
立ち木はあるものの、かなりの急斜面、手がかりも足がかりも不安定で乏しく、一人で待っていようかとまで思ったが、いざとなれば何とかなるだろうと「清水の舞台」を飛び降りる気持ちで列の最後に連なることにする。

カメラの順番待ちをするにも斜面から滑り落ちそうで、枝や草の根をつかんで必死の体勢。ようやく花の前まで行くと、確かに大きくて素晴らしい花だ。
足場を確認しながら手早くカメラを向ける。よく見れば、ヤマルリソウも咲いているのに誰も見向きもしない・・・。
更に群生している岩場に進み、写し終えると今度は戻るに戻れず、・・・。
待っていてくれるサブLに感謝しつつ、必死に滑る斜面と格闘し、ようやく分岐地点に戻った時には喉はカラカラ、あ〜怖かった!!

メインルートに戻ってからもジグザクが続くが、展望もあり、すぐ上部の岩場には、ちゃんとイワザクラが待っているではないか。
コース上からわずかに右に逸れた地点の目立つ岩場に、何輪ものイワザクラが今を盛りと咲いている。
今度はザックを降ろして、身軽にカメラ片手に登っていく。
よく見れば他にも岩場の斜面に点在するので、注意して歩けば見落とすことは無い。大輪の見事なサクラソウにうっとり。

みんなも満足してまた歩き始めると、まだ蕾のルイヨウボタンがたくさん。ミヤマカタバミやエイザンスミレも綺麗だ。花、花、花、の舟伏山。
やがて傾斜も緩やかになると平坦に近い道端にヤブレガサの大群。さあ、もうすぐ山頂だ。

広い山頂からは展望が思いのまま・・・のはずだが、今日はちょっと霞んで伊勢湾や能郷白山は見えない。しかし、これだけイワザクラを堪能できたので、誰もが大満足。ここで早めのお昼となる。


さて下山はもう1つのピーク小舟伏を通り、周回コースを辿る。
ヤマエンゴサク、フタバアオイ、キバナイカリソウに今度はボタンネコノメソウの群落。花はアップで見ると本当に面白い。
それから(多分)ヤマネコノメソウ、フデリンドウ、ヒメレンゲに沢山のヤマルリソウと、やっと開いたカタクリ。
ニシキゴロモやナツトウダイも。



 ボタンネコノメ
  ツメレンゲ
  ニシキゴロモ(錦衣)
(花の上部にウサギのような「耳」が2つ。)

  キランソウ
(錦衣のような上部の耳はない。)


フデリンドウ

急斜面をジグザグに降りながらもそこには一面のニリンソウ。今日はもう満腹、と思ったらハルトラノオとシロバナネコノメソウの群落。

  ハルトラノオ(春虎尾)

  シロバナネコノメソウ(白花猫目草)

 ミヤマキケマン(深山黄華鬘)
ホクホク顔で沢沿いを歩いていたら、おお、何と!チャルメルソウが沢山咲いているではないか。
これまた小さくてピント合わせは至難の業。でも、本当に面白い顔をした花だ。これはどうやらミカワチャルメルソウらしい。

 ミカワチャルメルソウ(三河哨吶草)

 ミカワチャルメルソウ(三河哨吶草)

コチャルメルソウ(小哨吶草)
大満足の花紀行、東京から出かける価値は十分です。

アドバイス:撮影タイムを十分見込んで、ゆっくりご堪能ください。
      イワザクラは、〔水たまり場・山頂0.8km〕標識に従って山頂方面を目指し、ジグザグの右端の斜め上の岩場に咲いています。
      そこで危険なく見ることができます。


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