大菩薩嶺   2004年7月3日

コース:
上日川峠9:25〜9:50福ちゃん荘10:07〜唐松尾根〜11:20雷岩〜11:30大菩薩嶺12:00〜雷岩〜避難小屋〜13:45大菩薩峠14:00〜熊沢山〜14:20石丸峠〜15:25小屋平


久しぶりの大菩薩、記録を見たら前回は2001年だった。個人山行で天気は残念ながら芳しくなく、合羽を着ての山行となったが、気の合う仲間との山行の楽しさを知った思い出の山行でもある。
さて、大菩薩は花と展望でつとに有名。Iリーダーの花ハイクである。
初心者大歓迎ということで、お言葉に甘えて本当に久しぶりに母と一緒の参加である。

母は2日前から一生懸命ザックに荷物を詰めているが、覗いてみると不要なものやパッキングが下手なところばかり目に付いてしまう。
今回はとにかく重いものは全部私が背負うことにして、母には最小限(以下)の荷物でせっせと歩いてもらう方針。当日計ると3キロない。これならOKだろう。

台風が太平洋の遥か沖合いを進んでいるものの、絶好の晴天に恵まれ、朝から気持ちがいい。梅雨時とは思えない。買ったのはもう2年近く前になるのに機会が無かったペアルックでいざ出陣。
今日はバス1台で和気藹々。久しぶりの母に、皆さん本当に優しい言葉をかけて下さって、感謝、感激。

さて、上日川峠で降りると樹林の中を歩き始める。ペースをうまく作れないので、私が先に歩くことにする。久しぶりにIリーダーの直後を歩くので緊張する。
あっという間に福ちゃん荘へ。ここでメンバー紹介をしてから唐松尾根を登る。前回は峠の方へコースを取ったので初めてのルートとなる。急登と聞いているのでちょっと心配する。

傾斜もあり、荷物の分だけ暑くなってきた。やがて樹林帯を抜け出すと、日差しが痛い。振り返ると大きなダムが水を湛えている。ようやく完成した上日川ダムである。(往路に脇を通ってきたが、最初に巨大な壁が聳え立っているのは壮観である。)
ルートもいよいよ急になり、蛇行している。


唐松尾根を登る

登りきって雷岩。振り返るとダムがよく見える。


上日川ダムの眺め

ここからほんの少しで大菩薩嶺。再度樹林に入るとひんやりして気持ちがいい。コケむした倒木など、何かランでもありそうな気配がする。
目を凝らしてわき目をふるものの、見つからない。
頂上で母の記念写真を撮って、30分間の昼食タイム。虫が煩い。

雷岩のあたりには相変わらず人がへばり付いている。その岩のあたりにイワキンバイの花。


イワキンバイ(岩金杯)

そろそろお花が目立つようになってくる。ちょうどたくさんあるシモツケのピンクの花がかわいらしい。


シモツケ

時間の余裕もあり、かわるがわる花を眺めて各駅停車。時折テガタチドリも咲いている。


テガタチドリ

他にはウスユキソウがようやく蕾、それから沢山目に付く白い細かい花の穂は、ハナチダケサシ(花乳茸刺し)か。
大き目の青いランかと思わせるうつむいた沢山の蕾はエゾスズランだそうだ。咲いたところが見たいものだがどれも蕾。靄がかかって遠望は利かないが、眺めのいい稜線だ。

母も山へ来た嬉しさと花の美しさに感激しきり。私も嬉しい。

足元の石車に注意しつつ賽の河原に立つ避難小屋へ。前回は雨宿りを兼ねてこの中で昼食をとったっけ。
介山荘に出て集合写真を撮り、トイレに行ったりお土産を買ったり。
その後は熊沢山を越えて石丸峠から下山する。登りになるが樹林帯に入るとひんやりする。苔がむした林床にはマイヅルソウの葉っぱ。オウレンの葉っぱもあるが、花は見つからない。

すぐに登りきってあとは峠を目ざす。日当たりの良い笹原に出て、分岐も目に入る頃、 母の足元を注意しながら降りていくと、あれは何とトキソウではないか。こんなところに、どうして?と思う。前に見たのは田代湿原。環境が随分違う。でも、トキソウ。(後で調べると、ヤマトキソウだそうだ。花が開ききらない状態で終わってしまうらしい。)とても小さい花なので、よく見つかったとは思う。


ヤマトキソウのアップ

さて、見晴らしの良い分岐でルートを右に取り、笹原を降りていく。しばらくは等高線沿いのなだらかな道。今度はネバリノギランが目立つようになる。キオンの葉も目立つ。
道が急になり始めると唐松林に入る。斜面上の方にクサタチバナを見つけるY子さん。さすがだ。

暫く歩いて林道に出たか、と思うがちょっと様子が違う。私の1/25,000地形図にはない林道のようだが、よく見ると載っている林道が延びてここまで出来たようだ。


林道を横断する

標識はあるので、更に降りていく。たまに段差もあるが、滑るので母に注意する。足取りが一気に遅くなるので皆に大分迷惑をかけているなあと申し訳ないが、ここで転んだらもっとずっと迷惑をかけるので、せかさずに降ろすように心がける。
見るからにへっぴり腰で降りてくるが、転ばずに済むようだ。そのうちリーダーから「バスが見えたよ」の声が上がる。ここから気をつけて、と言いながらも何とか無事下山。


無事下山

時間が大分かかったが、リーダーや皆さんの理解とご協力で母はまた山の楽しさを満喫できたようだ。
日頃私より頻繁かつ定期的に運動をしている母だが(週2日フィットネスクラブのエアロビに出ている。)、山はやはりずっと体力と持久力を要する。降りるときは流石にちょっと膝がガクガクしたらしい。まあ何とか降りられたが、母一人ではもう歩けないだろう。

帰りに寄った笹一で、お酒の代わりに酒饅頭を買ったが、これが中に酒かすが入っていておいしいのだ。前回これを発見したので、今回も買って帰る。
往路の道の駅で買った100円のインゲンもおいしかった。

皆さんのお陰でまた親孝行の真似事が出来ました。有難うございました。


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