畦ヶ丸   2006年5月14日

コース:
西丹沢自然教室8:50〜9:28権現山分岐9:35〜10:45善六ノタワ〜11:43畦ヶ丸(1292.6m)12:18〜12:54大滝峠分岐〜13:32一軒家避難小屋13:40〜14:35大滝橋


前日の雨がまだ残る早朝に家を出て、新松田駅7:30発のバスで登山口に向かう。
今日はMリーダーと丹沢を我が庭とするOさんほか、総勢8名。はっきりしない空模様に気を揉みながら、1時間余りバスに揺られる。

終点の西丹沢自然教室で降りる。身支度を整え、自己紹介をしてから立派な吊橋を渡って畦ヶ丸(あぜがまる)に向かう。
今日はOさんを先頭に、Mリーダーが最後尾。といっても8名なので個人山行のよう。
今日は久しぶりの本格的な登りがあるし、コースも少し長いのでちょっと緊張する。

コースは沢に沿ってなだらかに進んで行くが、何度も木の橋を渡るので、その都度緊張する。
周囲はマムシグサだらけ。でも、それはそれでかわいい。今日はどんな花に会えるだろうか。勿論お目当てはヤシオだけれど、今年は本当に各地でも時期が読めないようだ。

ガスがかかって幻想的な光景が続く。他の登山者もなく、静かな山歩きである。

堰堤を上っては下りるコンクリートの階段が、朝一番にはこたえる。昨夜来の雨の割には水は澄み、水量も特に多くはなさそうだ。

何度も何度も木の橋を渡るので、ストックを持ってくればよかったと思うが、つい荷物になるし写真も撮りにくいので億劫になってしまう。
ちょっと降ったり、合羽の上を着ると今度は上がって暑くなり、また脱ぐとポツポツ落ちてくるといった具合。湿度も高く、こんな日は、合羽を着る着ないにかかわらず、結局シャツは濡れてしまうもの。雨で濡れても仕方ない。

沢を離れると急登になる。先頭の速いペースに合わせると大汗をかいてしまう。どうせ少人数だし、とそこそこにマイペースでついて行くことにする。
だんだんに土止めの階段が続くようになり、ああここは丹沢だったと改めて思う。

山頂
濡れているのでいつも立ち休み。汗をかくので水を少しずつ飲む。今朝買ったお団子を食べ、みんなでおやつを交換する。
Oさんの奥様は日本野鳥の会の会員ということで、鳴き声からいろいろ教えてもらう。今日はガスがかかり、視界は悪いが、小鳥たちは盛んに歌を披露してくれる。
鶯、センダイムシクイ、コマドリ、ツツドリまでは私にも分かるが、他にオオルリ、ミソサザイ等もいたようだ。

善六ノタワを過ぎてようやく道が少し緩やかとなり、ブナの新緑を楽しむ。3時間弱で頂上へ。ここでも立ったままの昼食となる。
それでも、雨が落ちてくるほどではなく、熱いコーヒーを飲んで、シナモンロールをかじると、少し元気が出る。

座れないので早々にお昼も片付け、下山にかかる。山頂のすぐ先に立派な避難小屋がある。これは東海自然歩道に繋がるからだろうか。何にせよ、有難い事だ。マットレスも置いてある。

時折空が明るくなって期待させるものの、やっぱりガスが濃くて、時々雨が落ちてくる。今日は1日こんな天気のようだ。

下山後は中川温泉に寄る予定なので、男性諸氏は「あとは温泉、温泉!」と気分はビールに温泉、となっている。
時折滑る斜面の急降下もあり、怪我をせぬよう注意、注意。それに、急いで降りなくても、十分早い時間である。
新緑のブナは本当に美しい。雨に濡れて一層華やかでさえある。

時折、シロヤシオとアカヤシオが咲いているが、数は少なく、時期も少し早いようだ。
今年は花芽の数も少ないと、今朝登りですれ違った男性が言っていた。去年と大違いだ、と。今年は外れなのかもしれない。

それでも、ヤシオツツジは綺麗だ。せっかくなのでカメラを向ける。雨のせいか、シロヤシオはうつむいている。
ブナの新緑と、ヤシオツツジの紅白、楽しそうな小鳥の声。さながら森林浴だ。

今日は>他の花は少なめながら、果無山脈よりは多い。ツクバネソウやスミレもある。
タチツボらしきスミレのほかに、白花のスミレも。ゆっくり調べないと判断できないことが多いので、諦めて証拠写真だけ撮っておく。
なかなか花も覚えられず、確かに図鑑で見たけれど・・・正確な名前が出てこない。

後で調べると、ヒイラギソウが沢山あった。紫の小さな花だ。沢沿いにはネコノメもあったが、花は終わり実をつけていた。
大滝分岐を経てどんどん下り、道はますます自然歩道という雰囲気になると、ペースも更に上がる。
花はないかとキョロキョロしていると、あっと言う間に置いてきぼり。ラストのMリーダーとおしゃべりしながら気にせず歩くことにする。
一軒家避難小屋も立派だ。ここまで来るともう遊歩道という雰囲気だ。でも、今日は一度も座っていないので、足腰が何だかギシギシしている。機械で言えば、油切れか。

折角なので、何か花は、と探していると、道端にギンラン。前の人に声を掛けるが、聞こえないのか興味がないのか、行ってしまう。

それからしばらくして、植林の暗い道端に、図鑑で見た寄生植物が。ヤマウツボのようだ。収穫、収穫。


ギンラン(銀蘭)

ヤマウツボ
後ろの女性陣3名のみが花に足を停め、先頭は、後方が離れたと見て先で待っている。申し訳ないとは思いつつ、ただひたすらに歩いても・・・とカメラを向けさせてもらう。

そのうちに大集団に追いつく。どうやら大滝橋からのピストンのようだ。
あっという間に舗装道路になり、すぐに大滝のバス停に出た。

あとはバスに乗りたい気持ちを抑えて、中川温泉の町営ブナの湯に向かう。なかなか良い温泉だ。

ここからまたバスに揺られて新松田へ向かう間、程よい疲労感で眠かったこと。
しかし、片道1150円のバス代はちょっと痛かった。


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