浅草岳   2004年6月24日夜〜25日

コース:
ネズモチ平駐車場6:00〜6:10登山口6:15〜ぶなソネコース〜8:45前岳分岐〜9:10浅草岳9:30〜9:45天狗の庭〜10:05浅草岳〜10:25前岳分岐〜桜ソネコース〜10:53カヘヨノボッチ〜12:15浅草林道出合〜12:50ネズモチ平駐車場


今年はIリーダーの"新潟の花ハイク"シリーズのお陰で沢山の名山・名花に会えて嬉しいが、今回もヒメサユリとシラネアオイを求めての三百名山『浅草岳』である。今回も参加者は多く、マイクロ2台+ワゴン車1台、45名となった。そのため、今回も2号車担当を仰せつかり責任重大。
とはいえお馴染みのOさん運転のマイクロなので本当に気が楽だ。

関越道で小出ICまで向かい、国道252号線を進む。近いので5:00まで「道の駅いりひろせ」で仮眠とするが、何とこの道の駅がなかなか見つからない。時間も3:00少し前とあって眠さのピーク。朦朧とした頭で地図を見る。駅の向かい辺りの位置になっているが、何となく通過して先に行き過ぎたようだ。
何度が戻ってようやくみつけたが、案外小さな施設で屋外のトイレは数が少ない。後で調べると、ハーブ園やら「ひめさゆり荘」やら沢山の施設が広大な敷地(というかそこら一帯)に散在し、看板が不親切で迷うのは必至。
ここを利用の方は、252号線から「いりひろせ駅」を通過して2本目を左折、むしろ併設の「野山の幸資料館」の文字を手がかりに探した方がよいと思う。

さて、5時にここを出て登山口に向かう。雨が降っている。
ネットでの下調べでは明日が山開きとか。ちょうど登山道も整備されたところだろう。駐車場も巨大というがなるほど、敷地面積だけは広大。トイレもある。迷っているとザ〜っと雨が降ってきて合羽を着ることにする。蒸し暑い。目の前に登山口のゲートがある。ここを10分で登山口。

登山口の標高は930m。浅草岳は1585.5m、標高差は650mほど。このネズモチ平から登るコース(ぶな曽根コース)は、桜曽根コースと比較すると急で岩場があるために登路となる。
人数が多いのと、暑さ+雨、かつ夜行明けとあって足取りは重い。視界もなく、眠さもあって足元ばかりを見て歩く。暫くの間はめぼしい花もなく、ちょっと寂しい。

雨が降るでもなく止むでもなく、中途半端に降っている。足元はぬかるみ。ああ、また合羽が泥だらけになりそうだなあ。梅雨だから文句も言えないが。
列の真ん中あたりを歩いているが、みんなも合羽姿、顔が分からず、話もしにくいので、何となく黙々と歩くとだんだん睡魔が襲ってくる。何か、目が覚めるような花はないかなあ・・・。

トランシーバーを持っているので時々リーダーの声が入る。花を見つけると連絡が入るが、何となく毎度おなじみさんばかりである。そのうちに渋滞が始まって、先頭が岩場にさしかかったと知れる。
濡れているし雨で合羽の足は上がりにくい。ロープのある岩場では慎重に。人数が多いので気長に待つ。その間に左右を見回すが、ズダヤクシュが目立つ位か。ウラジロヨウラクがかわいい花をつけている。時々ブナの巨木もある。でも、数は少なめ。

濡れて滑るので注意はどうしても足元へ。渋滞ごとに一応左右確認。と、これまたお馴染みさんのキソチドリ。キソチドリです、と周囲に伝えるも、皆さんほぼ無関心。地味な色だし、ねえ・・・。ヒョロヒョロのキソチドリは何本もあるが、あとは(オオ)イワカガミやショウジョウバカマはみんなもう葉っぱだけ。
意外と目立つのはツクバネソウ。かなり大きいが、これも地味な花、実になっていればその名の由来も納得の花なのだが・・・。
そのうちにリーダーから「アオチドリ」の連絡が。アオチドリ?キソチドリじゃなくて・・・??うう、図鑑で見た記憶が無い。みんなに嘘を教えてしまったかも、ときまり悪い。が、順送りに伝え聞いた場所にあるのはやっぱりキソチドリに見える。あれれ。
(帰りにご近所のY子さんに尋ねたら意見は一致でキソチドリだった模様。)

急登が連続し、手もどろどろ、合羽もどんどんドロドロになり、見るも無残。ああ、また真っ黒だ・・・。
何だか今日はザックも重い。6本アイゼンのせいか、水が多すぎた(総計2L近い。)か・・・。
前岳はまだ〜?とみんなも口にする。前方が明るくなると、ああ、あそこが分岐?!と期待をこめるが、ただのカーブだったり。そんなことが数度あって、ようやく少し開けた場所に出ると標識の杭が。
先頭がバックしてきて、ここを左に曲がるようだ。おお、ここが前岳の分岐だ。杭の4面をしっかり確認しないと通過してしまう。(といっても目と鼻の先に次の標識の杭があり、行き過ぎが分かるが。)
ようやく水平になったかと思いきや、目の前に巨大な雪田が現れる。(これは事前情報通り。このためリーダーからは一応6本アイゼン持参との指示。)
雪田や雪渓では視界が悪い時は本当に進む方向が分かりにくい。怖いなあ、と改めて思った。
ここはまず上に少し上がってから横断する。行く先には木道が顔を出している。ああ、もうすぐなんだ!やれやれ。

と思ったとたん「ヒメサユリが咲いています。」・・・わ、花園だ!イワカガミにゴゼンタチバナ、そして何度見ても可憐なヒメサユリ。霧雨にもかかわらず、やっぱりカメラを取り出す。本日初撮影。
そして、進むに連れてどんどん数を増すヒメサユリ!さすが浅草岳。


ヒメサユリ

初めて見たという人もいる。私が初めて見たのは二王子岳。この時も雨だった。霧の中にそっと咲いていて大感激した記憶がある。(そうそう、この時も"サユリスト"Gさんと一緒だったっけ。今回も勿論ご参加。)
何と白い蕾もある。


ヒメサユリ、白い蕾も。

それにしてもこの木道はサユリロードだ。こんなに左右に咲き乱れているのは初めて。しかも、全てがこれから咲こうとしており、美しい盛りだ。


咲き乱れるヒメサユリ

ああ、絶景かな。ここまで登った甲斐があるというものだ。今日はこれだけでもう満足、いや、今年は、かな。
少しだけ登ると浅草岳。展望はまたの機会に。時間があるので少し先の天狗の庭まで往復する。
こちらもヒメサユリが沢山咲いているが、片側は切れていてしかも滑る赤土なので、時折緊張する場面も。
コバイケイソウが蕾になっている。オオバユキザサ(大葉雪笹)が沢山ある。15分ほどで天狗の庭へ。まだ何も咲いていないようだ。木道を一周して戻る。

帰りは雪田を慎重に降りるが、スプーンカットになっているのでアイゼンは結局使わず。ストックさえあれば落ち着いて降りればよい。

よく見れば雪渓のふちにショウジョウバカマがようやくピンクの花を見せてくれた。
こんとはカヘヨノボッチ(嘉平与のボッチ)を目指す。1484.7mの三角点だ。三角点がなければ、いつの間にか通過してしまうようなピークだが、今日はあとは下るのみ。地図でも傾斜はゆるいはず。
しかし、足元は岩の階段になっていたり赤土だったりで滑ること。これは案外怖い。気をつけよう。

この桜曽根コースでもヒメサユリは咲いている。マイヅルソウもかわいい。ブナ曽根よりも花が多いかもしれないが、時期にもよるだろう。
このあたりでようやく上がってくる登山者とすれ違うようになる。蒸し暑いので合羽のフードを被ったり脱いだり忙しい。それでも流石に余裕が出てきてお馴染みの皆さんとおしゃべりを楽しむ。

道も少し広くなったし、そろそろ林道かなあ、とみんなで話しているが、案外遠い。
そのうちに鐘の音が聞こえてくる。なんだろう。
立派な「浅草の鐘」のやぐらがあり、リーダーが撞いたらしい。そうこうするうちにようやく林道に合流。水平道にほっとする。
舗装でもあり、道幅一杯に広がって三々五々おしゃべりに花が咲く。
ヤグルマソウが花をつけている。よくもこの葉はここまで大きくなるなあといつも思う。
みんな雨具は泥だらけ。でも満足そうな笑顔ばかり。
よかったなあ、ヒメサユリにこんなに沢山会えて。それに時期も最高!雨でも文句は言いません。

さて、次は展望も・・・。
紅葉の頃もいいらしい。


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