阿弥陀岳   2013年9月中旬

美濃戸口〜南沢〜行者小屋(泊)
行者小屋6:38〜7:52中岳分岐8:03〜8:40阿弥陀岳9:15〜11:00不動清水分岐〜11:43御小屋山12:23〜13:35美濃戸口


この夏どこも行けなかったので、未踏の阿弥陀岳に登ることにする。車と思ったが、駐車場に車が溢れているという情報を得て、久しぶりに「あずさ」+バスで 美濃戸口に向かう。なるほど、車は既に美濃戸口のかなり手前から路上駐車の列が続いている。電車で正解だったようだ。

初日は「大名旅行」ということで、Sさん、Mさんとノンビリ行者小屋まで。美濃戸までは70分ほど。ここも満車。日影でお昼にして、休憩後また歩き出す。北沢に行く団体を見送って、南沢へ。
久しぶりの山らしい山の気分を味わいながら脇目を振り振り歩いていると、どんどん追い越されるが、それもお構いなし。だって、行者小屋まで行くだけだから。

が、ルートも結構傾斜があって、そうなると息が切れる。背中が重い。足が上がらない。・・・いかに体力が落ちているか痛感。
あ〜小屋がこんなに遠いとは!

結局、美濃戸から2時間かかって到着。もう4時だ。周囲はキャンプ客も含めかなりの賑わい。夕食は3回戦らしい。外で乾杯しつつ、赤岳や阿弥陀、横岳を目で楽しむ。
期待の夕食は鳥肉の煮込みでちょっと肩透かし。でもまあ、おいしかった。
8:30の消灯で意外と静かになる。(あとで不届き者が数名出現したが。)3人で4人用の一角をもらったので広々。

さて、朝食は6時からの筈が、かなり早くから食べているようで、10分前位に行くと、もうほとんど空いている。
支度をして、外へ出ると流石に寒い。バスの関係で、美濃戸口に14:30までには降りたいので、 早く出発することにする。
幸いお天気も良さそうで、登山者がそれぞれのルートに散っていく。文三郎を見送って阿弥陀方面に進むが、こちらに来る人もそこそこいるので驚く。山腹を縫いながら登っていくと、だんだん赤岳が近づいてくる。一度大きく回り込んでから、やっと中岳分岐に到着。わ〜絶景!

ここで一休みしていると、赤岳方面から縦走してくる人がザックをデポして阿弥陀に登っていく。見上げると、梯子が見える。
予想以上の人の数に驚くが、我々も登り始める。一気に登るので結構大変。それに、降りてくる人とのすれ違いも随時あり、時間がかかるが、ここは慎重に。久しぶりに3点確保での岩登りもあり、ちょっぴりスリルも楽しめる。

ようやく着いた山頂は意外に広く、まさに360度の大パノラマ。これこれ、これを求めて頑張ったのだ!

富士山が凛としている。甲斐駒は近く、また中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、槍・穂高・・・。勿論、赤岳も天狗岳も。
コーヒーを飲みながら至福の一時。あ〜幸せ!

編笠の後ろに甲斐駒 中岳の後ろに赤岳

地図を片手に阿弥陀の南稜、中央稜を確認。面白そう・・・。ヘルメットにロープのクライマーが降りて行く。
で、我々は御小屋尾根に降りる。下調べ万全のSさんが「下りはザレていてちょっ嫌」とのこと。少しだけ「偵察」に行ってきて下さっての報告。ガイドブックにも要注意とあったっけ。

まずは這松を縫って進み、梯子で岩峰を越え、ロープで岩のスロープを下る。
次の岩峰は左側から巻いて進み、痩せ尾根に出ると右に斜面を下りるが、ロープでザレた急斜面をかなり下る嫌な箇所だ。足元が悪く、しっかり確認しないと滑り落ちそうだ。

連続してかなりの距離を下りきると、ようやく少し安定したルートになるが、これは迂回路だったようだ。(痩せ尾根でも降り口が通行止めだったが、その崩れたルートとここで合流する。)
この後も急な岩屑だらけの急降下を延々続けなければならず、全く気が抜けない。
何より鎖場やロープのマナーを知らない人たちが、束になってどんどん降りてくるのでたまらない。岩だけでなく、本人もいつ降ってくるか判らないので、どんどん先に行かせることにする。
不動清水への分岐まではずっとこんなキツイ下りが続く。渋滞がなくとも昭文社のコースタイムでは無理。(阿弥陀から所要1:45)

随分下ったなあと感じるのは、もう樹林帯だから。やっと少し落ち着いて、お喋りの余裕が出てきた。そうなるとペースは速い。ピークと感じられない「御小屋山」の分岐でお昼にする。時間の余裕もあるのでのんびりと。
ちょっと嬉しいハプニングもあって、気分良くまた下山を続けると、登山口に到着。あとは別荘地の中を降りていく。それだけでもかなりの高低差があって、このコースを登りに取る気力は失せる。
途中で何人も重い荷物を背負ってこのルートを登ってきたのには驚いたが、不動清水から先が本当に苦しいはず。その上難所が続くのだから、 よほどの体力が無いと勧められない。疲れた体で踏ん張りがきかなくなれば即事故につながる。

バスの予定より1時間以上早かったので、山荘前で休憩。久しぶりに足が疲れたが、無事バスに座って茅野へ。心地い良い疲労感に包まれながら、あずさに乗りこんだ。

コース詳細の画像はブログでどうぞ!

お花と景色はこちら
*データ*
行者小屋〜美濃戸口:
距離8.4キロ、標高差:+662m、-1399m(下りだけでも1400m。足に来るのも当然か。)
行動時間:7時間


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