天城山:万二郎岳、万三郎岳   2010年5月15日

天城高原ゴルフ場10:30〜10:50四辻10:55〜12:00万二郎12:25〜13:50万三郎14:00〜14:10分岐〜16:20四辻〜16:40天城高原ゴルフ場


久しぶりの天城山は、山の会で長年お世話になったS氏の追悼登山として行われ、多数の会員が参加することになった。
前回の天城(2001年5月)は、バスを降りるのが躊躇われるほどの大雨の中を仕方なく歩きだしたのだが、結果的に比類ないシャクナゲの盛りに当たり、ブナの巨木と共に ガスの中に浮かび上がる美しいシャクナゲに圧倒される山行になった。

今回はお天気はまずまずだが、今年の異常気象と異常な寒さで花が心配だ。しかし、コースタイムで4時間ほどだし、一度歩いたコースなので気軽に参加。
伊東を過ぎてゴルフ場に向かう道の両側は異様な光景。木々が倒れたり枯れたりしている上に、木肌が向かれて痛々しい。すぐに「犯人」の登場。道路わきに 平然と姿を現す鹿の群れ。暖かい伊豆では増えるばかりだろう。

さて10時過ぎにゴルフ場に到着すると、登山者向けの駐車場は車で一杯。結構肌寒い。全員揃ったところでS氏に黙祷を捧げ、長い行列で歩き出す。

ゴルフ場からいったん下って四辻。標識完備、ハングルに中国語まで併記してあるとは。
ここからまずは万二郎岳1300mを目指すが、ほぼ1ピッチ。目立つのはミヤマシキミばかり。登っていくと日辺りの良いところに僅かにスミレ類。
ただ、葉は沢山あったので、時期によってはスミレが綺麗だろう。ナガバノスミレサイシン、タチツボスミレ、シコクスミレが1株、2株。カンアオイの葉が良く目に入る。

万二郎岳1405mに到着してお昼。ガスがかかってきたが、足元にはワチガイソウが咲いている。

万二郎岳ワチガイソウワチガイソウ

すれ違う登山者によると、今年はシャクナゲは「殆どないよ。」・・・裏年ということらしい。時期もこの寒さでまだ早いのではないだろうか。
余り期待せずにまた歩き始めると、「アセビのトンネル」区間にアセビ無し。石楠立を過ぎて、目を凝らすと僅かに蕾や花があるといえばあるものの・・・。確かに今年はダメのようだ。

ブナの林になってくると雰囲気は良くなり、シコクスミレも目立つようになる。万三郎岳を過ぎて分岐から周回コースを進むと一層ブナがいいが、やはりあちこちで枝が折れ、根こそぎ倒れている木々も多くなって、実に痛々しい。 これもこの春の暴風や季節外れの天候のせいだろうか。
しかし、所々でツツジやシャクナゲも咲き始め、何とか「シャクナゲの山」の面目を保っている様子。

足元が滑るし木の根が出ているので、ついつい下を向いて歩いてしまうが、頭上には花もあって、なかなか忙しい。
シャクナゲツツジも

足元ではシロカネソウだろうか、ワチガイソウの群落と並んでかわいらしい花が目立つ。なかなかピントが合わなくて難しい花ばかり。

更に分岐を経てゴルフ場へ戻る道はただ長い。おしゃべりしながら足を運んで、ようやく四辻、そして登り返して駐車場へ。
バス2台でS氏を追悼登山し、天城を後にした。

シロカネソウハコネシロカネソウ(箱根白金草)  ブナ林

*本日のスミレ*

オトメスミレ*オトメスミレゲンジスミレゲンジスミレシコクスミレシコクスミレ

ナガバノスミレサイシンナガバノスミレサイシン(白花)

*オトメスミレ・・・タチツボスミレの白花のものの中で、距にまだ紫色が残るタイプを指す。花弁が完全に真っ白なものから、このように唇弁に 多少筋が残るものまで含まれるという。以前真っ白なものも見たことがある。(「山のアルバム」の画像をご参照下さい。)
距まで真っ白なタイプはシロバナタチツボスミレと呼ぶが、これは数が少ないとか。


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