会津駒ヶ岳   2005年7月22日夜〜23日

コース:
滝沢登山口5:00〜6:40水場6:50〜8:45駒ノ小屋9:00〜9:23会津駒ヶ岳9:28〜10:14中門岳(木道終点)10:37〜11:49駒ノ小屋12:00〜13:05水場13:15〜14:30滝沢登山口


先々週の山行で何と登山靴が浸水。仕方なくシーズン途中で靴の買い替えを余儀なくされた。これから長い山行が続くため、足慣らしのため、急遽参加を決めた会津駒。
でも、今が花の時期としては最高のはず。5年ぶりの再訪である。
ただし、暑くなると厳しいだろう。仕事が終わって飛んで行く夜行は、結構厳しい。
このところの猛烈な忙しさて、ちょっと不安は残る。
まあ、いいか、一度登った山だから何とかなるだろう・・・。

車中では仕事疲れもあって、結構眠れたのは幸い。朝になって登山口に着くと、既に数台の先客があるらしい。

ちょうど5時に歩き始める。外は涼しい。ああ、有難い。
この登山口は林道の先にあり、ここまで入ると大分時間が節約できる。前回もここから登ったなあ。この階段、よく覚えている。
この頃は体力に不安があるので、ザックは極力軽くしている。前は大きめのザックをスカスカにして背負っていたけど、つい物を入れすぎてしまう。
以前なら何でもなかったことが、今年は結構足と腰に来るのは、年のせい?

それなりの登りをまあまあのペースで登る。靴も大丈夫そうな感じだ。
まだ5時過ぎなので涼しい。今日のメインは山頂から中門岳あたりのハクサンコザクラ。前回は秋だったので、コバイケイソウの枯葉はちょっぴり寂しかった。


オオヤマサギソウ(多分。)

ヤマサギソウ?
すぐにランを発見。す〜と背が高い。(何かな、これは。)

九十九折の急登もあるが、快調に登っていく。
地面には小さな双子の花、ツルアリドウシや、ツマトリソウ、あとはまだ咲いていないがツルリンドウもある。

体温調節を経て1ピッチで水場に到着。ちょっと広くなっている。
お天気はよくなりそうだ。時々他の登山者が抜いて行く。

今日は何だか意識的にピッチが速いようだ。北海道のことを考えて、『今日のペースについていけない人は北海道はダメって言われるよ。』とKさんが冗談めかして話している。
そうかも、ね。勿論今日は一般向けではなくやや健脚向けではある。
まあ、皆さんの足が揃っているということだろうか。

キソチドリもいくつか見られる。今日は花に詳しい人が余りいないので、門前の小僧としては慎重になりながらも、大抵はまあ自信がある花なので、ほっとする。

沢山咲いているマイヅルソウだが、アップで見ると小さい細工が実によく出来ている。

前回の記録を読むと、水場を過ぎれば傾斜が緩やかになり、すぐに山頂が見えるのかなあ・・・と地形図を眺めながら考えたが、どうしてどうして樹林帯の中を、なかなかの登りが続く。


マイヅルソウ

ミツバオウレン
ミツバオウレンが、登り始めはもう実をつけていたのに、上に来たら花が咲いている。
露に濡れてなかなか綺麗だ。

ペースが落ちて、立ち止まることが増えたので、ここぞとばかりにカメラを向ける。
ツクバネソウやユキザサなど、地味な花だけど、みんな綺麗だ。

ピークハントだけが山登りじゃないよね、と話に花が咲く。
そう、途中を楽しまなくっちゃ。

標高が上がってきたことが、花でもよく分かる。コイワカガミがピンクの花を覗かせ、コバイケイソウの葉やショウジョウバカマの伸びきった実など、登山道脇が賑やかになってくる。

もうすぐ小屋が見えるかな、もうすぐかな、と思ってから大分経って、ようやく視界が開けた。

こうなると元気100倍。樹林帯を抜けると木道が伸びている。
もう緩やかになった道を行くと、コバイケイソウが沢山迎えてくれる。

こんなに沢山近くに咲いていると嬉しい。思わずアップで撮ってみる。

皆も花に迎えられて足が停まりがち。

そして、とうとう湿原に飛び出した。駒ノ小屋がよく見える。木道はそこまでまっすぐに伸びている。


コバイケイソウの花のアップ



(←かわいい三角屋根が駒ノ小屋。)


さあ、伸びやかな景色に歓声が上がりっぱなし。
それに、足元は、花、花、花。

本当に久しぶりに目にするチングルマ、かわいい粘着質のモウセンゴケ、そして、何よりお待ちかねのハクサンコザクラ!

皆完全にわれを忘れてカメラを向け、完全に撮影渋滞。
高山植物の大庭園だ。


ハクサンコザクラ

木道は結構な急登であるにもかかわらず、一気に開けた展望とお花たちの大歓迎に、われを忘れ、下ばっかり向いていたために、階段を上がっていったら・・・「あれ、もう駒ノ小屋?」
そんな"余裕の"言葉が出るほどだ。
沢山のテーブルが置いてあることもあり、ここで大休止。
会津駒の山頂は池の向こうの小さな高まりだ。

池の周りの道は雪田に覆われ、手前の木道を行くことにする。
まだ雪解け直後で芽が出たばかりのところも多いが、ハクサンコザクラはあちこちに咲いている。

コバイケイソウが芽を出したばかりの箇所もあれば、もうずらっと並んで花をつけている場所もあり、暑い日差しを除けば、花は春真っ盛りだ。


中門岳への稜線    
    
ハクサンコザクラの群落

山頂へは木道と階段を少し登ってすぐ。シャクナゲも少し咲いている。狭い広場のような山頂には、ちょっと不釣合いな大きな『会津駒ヶ岳』の標識がある。
ここで記念撮影。バックにはお隣の燧ケ岳が、雲間にM字型の山頂を覗かせている。

さあ、この先は中門岳への稜線漫歩、お花と池塘のある風景を心行くまで楽しめる。
流石に百名山だけあって、登山者も多い。
池に写った景色も素晴らしい。ファインダーの中だけを見れば、ちょっと異次元のような感じさえする・・・。


池塘

花一杯の稜線は伸びやかに続いて行く。
木道はずっと伸びているが、『中門岳』という標識があり、このあたり一体をさす、となっているが、木道はもう少し先まで続いており、最後はループになっている。

ここでお昼とする。
キソチドリかと思うようなランもあるが、何だろう・・。

お天気もよく、本当に素晴らしい展望を楽しみながらのお昼は最高の贅沢だ。
勿論、標高差もあるこの山をバテずに登れた嬉しさもある。

帰りは元のルートを辿り、会津駒の山頂は巻いて行く。
日光方面の連山も見えるが、山座同定はなかなか難しい。私は諦めることとする。


日光方面の山々

小屋まで戻ると後はまた同じ道を下山するのみ。
花々に見送られ、ちょっと後ろ髪を引かれながらも、幸福感に満ちて降りていく。

ああ、だから山はやめれられない・・・。


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