Database of Transcriptions, Paraphrases for piano solo and my commentary
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6年半にわたって続けてきたこの「超絶技巧的ピアノ編曲の世界」ですが,活動を停止します。理由は3つあります。
本業の方,特に「新しい創傷治療」が余りに忙しくなり,「超絶技巧的・・・」を続けるのが時間的,体力的に困難な事
ピアノに対する情熱が薄れてきた事
ピアノを取り巻く日本のインターネット界にほとほと嫌気がしてきた事
ご存知の通り「新しい創傷治療」は,「傷は消毒してガーゼをあてる」という過去100年にわたる医学界の常識とされる治療法方を真っ向から覆そうという試みです。内容も専門的なものですから手が抜けませんし,参考文献を探すだけでもかなりの作業になります。講演会の依頼も次々来ていますし,本の出版も計画中です。
「新しい創傷治療」を始める前は,仕事が終わってから「超絶技巧・・・」を書くだけでホームページを維持できましたが,現在では,世界から送られてくる楽譜を蔵書リストにまとめることすら苦痛になってきました。睡眠時間を削って楽譜のデータを整理してきましたが,それももう限界のようです。
そして困った事に,そうまでして楽譜のデータを作る事,そして音楽について書くことに喜びを感じなくなってきたのです。一言で言えば,ピアノや音楽に,以前ほどの情熱を感じなくなってしまいました。
最近の例の「匿名巨大掲示板」での私を巡る騒動
(知っている人は知っていますよね)
もその原因の一つですが,実は今年の7月頃から,いつ止めるかと,そればかり考えていました。
事実,この数ヶ月間というもの,音楽関係,ピアノ関係のホームページはほとんど見ていません。見ている暇がないし,どこでどういう情報が流れているのかが気にならないのです。ピアノも週に一時間も弾ければいい方ですし,音楽を聞くのも講演会に向かう新幹線・飛行機の中だけです。音楽やピアノが私の中で占める比重は今では非常に軽いものになっています。
当サイト「超絶技巧的ピアノ編曲の世界」はあまりにも大きくなりました。私が個人的趣味で始めたものですが,いつのまにか,単なる趣味の域を超え,世界的な広がりを持るものになってしまいました。そのため幸か不幸か,その水準の維持は片手間ではできないものになってしまいました。
情熱と時間があれば,水準を保ってのサイトの維持・更新は可能でしょうが,時間もない,おまけに情熱も薄れているという状態では内容がどんどん水っぽくなる事は避けられません。それでは,このサイトを来訪された方に失礼と言うものでしょう。
この「超絶技巧的ピアノ編曲の世界」という音楽サイトは,私の当初の目論見をはるかに超えるサイトに成長しました。日本中の先鋭的なピアノファン,そして世界中のピアニストや楽譜コレクターの皆様に知られるようになりました。
「編曲物」というピアノ曲のジャンルの魅力を広く伝えたい,という当初の計画はほぼ完成したと思いますし,「ホロヴィッツの楽譜」という以前では存在する事すら知られていなかった一群の楽譜を表世界に引っ張り出し,プロ・アマのピアノ弾き達が活発に演奏する(できる)ようにしたのも,このサイトの成果でしょう。
また,忘れられていた楽譜,埋もれてしまった楽譜の多数発掘できました。私が提供した楽譜でピアニストが録音し,50年ぶりに音源として復活した曲も一つや二つではないですし,ラフ,ドレイショック,フンメル,ピクシスなど,ピアノ音楽史に名前はよく登場するものの楽譜が出版されていない楽譜もピアノ愛好家達に提供できました。
音源から楽譜を作る「採譜」をしている人達同士の横の繋がりも組織しましたし,Michael Habermannさん,Francesco Libettaさん,Eric Himyさん,Daniel Bermanさんを始めとする素晴らしいピアニストのメル友もできました。
このサイトを作り始めた時の私は,ピアノが好きと言うだけの素人でしたから,もうこれで十分な成果でしょう。我ながら,よくやってきたと思います。
さて今後のことですが,このサイトの中身のうち,編曲物データベースと曲の解説,「言いたい放題」の音楽件連記事,そしてリンクくらいは些少でも資料的価値があるでしょうから残そうと思いますが,それ以外の部分は閉鎖します。また,残している部分にしても,今後内容を追加したり更新する事はありません。引用したいデータ
(文章)
ありましたら,Public Domainとして扱っていただいて結構です。
「次第に更新されなくなり,いつのまにか見る人もいなくなっていつの間にか閉鎖」という「自然死・老衰死」はインターネットでよく見る光景ですが,人気が多少でもあるうちに惜しまれつつ(?)終末を迎えると言うのも,何となくいいじゃないですか。
ま,別に感傷的になっているわけではありませんが,もしも手元にGrainger編曲「ロンドン・デリー」,Faure/Grainger「夢の後に」,Casella「パバーヌ」,Falla「アンダルシア幻想曲」,Albeniz「ラ・ベーガ」,Faure「夜想曲第13番」,Bach/Godowsky「無伴奏チェロ」,Bach/Friedman「ブランデンブルグ協奏曲第3番」,Beethoven「ピアノソナタ第32番の第2楽章」,そしてHorowitz編曲「星条旗」などの楽譜をお持ちでしたら,時々弾いて下さったらそれで十分です。
さて,最後になりますが,恐らく,私が音楽の方面に顔を出す事はもうないと思います。
これまでの6年半の長きにわたりこのサイトを応援していただき,本当にありがとうございます。心より,感謝申し上げます。