吉野川河口近くの堤防で5月にたくさんこの花を見かけます。緑の草の中、白い花が浮かぶように咲いている姿は美しいものです。最初、遠目にはシロバナのウツボグサかと思っていたのですが、よく見ると花も形も全く違います。はてさてこれは何の花と、帰化植物辞典の写真と比べてもわかりませんでした。ところが先日、偶然にもインターネットでこの花の名前がわかり、急いでアップすることにしました。
この花の情報は日本ではまだ少ないようなので、海外サイトの情報をもとに、もう少し詳しく述べます。
茎は直立し、その先端に短い穂状花序(穂状花序のような総状花序と説明している場合もあり)をつけ、花と花の間には苞葉があります。下部の苞葉は葉状で上部のものは鋸歯はありません。萼は下部が膨らんだ鐘形で、苞葉や萼には腺毛が多く生えています。花冠は2唇弁からなり、上唇は薄い紫色、下唇は上唇より長く白色か黄色です。時に花冠が全て白いものもあります。雄しべは4本、柱頭は棍棒状です(下に花弁を取り除いてしべを露出させた写真を載せています)。果実は刮ハ、種子は楕円形で数が多く、長さは0.5〜1mmです。
半寄生植物であり、生長と開花のために他の植物に寄生します。繁殖は種によります。
ヒサウチソウの名の由来は、帰化植物研究の大先輩である久内清孝氏を記念してつけられたものだそうです。
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