豊年の滝の写真
豊年の滝


段瀑(2段)、落差約50m、徳島県三好郡山城町白川

吉野川の支流、白川谷川にそそぎ込む谷にかかる滝。
水量は普通で、下段には滝壺はあるが浅い。

ここでは2段の段瀑として紹介するが、下流には短い間隔で滝が続き、区切り方によって滝の段数や落差は異なってくるだろう。

上段(左の写真)は全体として直瀑状で落差30mほどである。最初の10mは斜瀑状で岩の間を一条に急角度で滑り、そこから直瀑となって15mを一気に真下に落ちる。そして最後は5mほどの渓流瀑となって終わる。

下段もほぼ直瀑に近い落差18mほどの滝である。最初の6mは水が真っ直ぐ落ちて岩に当たり、あとは岩肌の上を垂直に伝い降りている。下段は水量の多いときは一条の直瀑となるであろう。

なお上段と下段の間は水平方向で10mほど離れている。また山道を登ってこの滝に来ると下段部に到着する。上段部への道はあるがわかりにくく、また険しい。

下段の滝に向かって左側、高さ5mほどの岩の上に、小さなお坊さんの石像が立っている。石像の高さは50cmほどであろうか。これは昔あったお寺(高野山山城別院)の名残だそうだ。
そのお寺はこの滝の下流十数mの所にあったらしいが、今、その場所は瓦や腐った木が積み重なっている。すでに廃寺となって、30年以上たつらしい。

名前の由来は、昔滝壺で雨乞いを行ったところ、その年は豊作になったことからと言われている。またこの滝は、地元では由賀(ゆうが)さんの滝と呼ばれることがある。滝の上流に由賀神社と呼ばれる神社があったためである。現在、由賀神社は光兼バス停対岸の大日霊神社に合祀されている。

この滝の下流にはいくつもの滝があり、合計すると落差100mを越える規模となる。


他の段の写真:
下段部
付近の滝:
豊年の滝下1の滝豊年の滝下3の滝豊年の滝下4の滝

写真データ:(050130-1 No11)
2005.1.30 ミノルタα7 ミノルタAFズーム24〜105mmF3.5-4.5(D) f=19 s=3秒 -0.5EV CPL 三脚・レリーズ使用 フジクロームベルビア100


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