与茂九郎滝
分岐瀑、落差約13m、徳島県美馬郡一宇村杣野
貞光川の支流、瀬開谷川にそそぎ込む杣野谷にかかる滝。
与茂九郎滝と書いて「よもくろうだき」と読む。
2条の分岐瀑で、水量は普通であり滝壺もある。
2条の流れのうち向かって左側の流れが主流で、岩の抉られかたが深く、水も常時落ちているのだろう。
滝は荒々しい岩に取り囲まれ、滝も岩の上を流れ落ちている。この荒々しさが特徴であり、独特の雰囲気を持っている滝である。
なお、滝の30mほど下流には砂防ダムがあり、今後、土砂がたまっていくと滝の下半分が埋まってしまう可能性もある。哀しいがこれも山村部の現実なのだろう。
滝の名前の由来は以下の通りである。
「昔、与茂九郎という実直な農夫がいた。ある日部落民は山林の税金が高く山を持っていても価値がないので杣野全部の山を与茂九郎にやるように話し合って、まじめな与茂九郎にその話をした。
与茂九郎は事情も知らずに広大な山林をもらったが税金を納めることが出来ず困ってしまった。
与茂九郎は返しもせず、部落民の言うままになり、とうとう心配し、悩み苦しんで滝に投身自殺してしまった。
これを見た部落民も自分たちのやった事を反省し、与茂九郎に相すまぬと悟り、与茂九郎の霊の供養をして、この滝を与茂九郎滝と名をつけた。」
(一宇村史、昭和47年発行より)
写真データ:(020609-3 No22)
2002.6.16
ミノルタα7
ミノルタAFズーム24〜105mmF3.5-4.5(D)
f=13
s=1.5秒
+0.5EV
CPL
三脚・レリーズ使用
フジクロームベルビア
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