一昨年の夏にドイツ・フランス・スイス三カ国1４日間のツァーに二人で参加したとき

添乗員さんのお薦めの国であった。

ほんとうはあいこはあまり気乗りがしない。国内で写真を撮りに行った方がどんなに

楽しいことかってすぐ考えてしまう。

でも夫さんが何気なく言ったひとことで事態は急に決まってしまった。

「ともこさんもお金さえ出せば連れて行ってあげるよ。」・・・と

負けん気のともこさんである、「ようし、出してやろうじゃないの」・・・と

これで決まり！　準備は開始された。

添乗員さんの話では３０人ぐらいの参加に添乗員ひとり。非常に治安のわるい国であるから

覚悟をしておくようにとくり返し言われた。

それを聞いたともこさんの防犯対策が始まる・・・

まずお金とパスポートを身につけておくベルトそして足に巻くベルトまで買ってきた。

そしてあいこと夫さんの教育である。ぼんやりしている二人に活を入れておこう！という

作戦である。これがまた厳しくてしつこい！

これでは二人とも行く前に疲れてしまう。　カメラもひったくりに遭うと悪いからどうしよう？

と言う。　先生に話したら「私のを持って行きなさい。これなら捕られても落としても

かまわないよ。」とおやさしいまさに仏様のようなお言葉。　二人ともウルウル･･･

そして治安の悪いことを話したら・・・

はせがわ先生曰く「ともこさんは絶対にひとりで撮影に行かせないように・・・　それから

いついかなる時でもおとうさんの側にいるように・・・　これだけは守ってね！」

えーーーっ、あいこはさらわれてもいいのかい？　そりゃないよーーー

っというわけでともこさん、先生のカメラを下げてジジババを引き連れてイタリアへと

旅立ったのであります。