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天  国

 天国って本当にあるのかな。どういうところかな。誰でも一度は考えることでしょう。
ビートルズのジョンレノンの有名な歌「イマジン」に次のような一節があります。
  想像してごらん 天国なんて無いんだと
  ほら、簡単でしょう?
  地面の下に地獄なんて無いし
  僕たちの上には ただ空があるだけ
  さあ想像してごらん みんなが
  ただ今を生きているって...
「僕たちの上にはただ空があるだけさ。」無神論者のレノンはそう歌いました。
 19世紀から20世紀にかけて科学者は天国や地獄を否定し、笑い飛ばしてきました。ところが最近になって、目に見える世界、人間が五感で感じられる世界以外にも別の世界、異次元が存在するかもしれないと科学者が言い出しています。アメリカの女性物理学者、リサ・ランドールを初めとして素粒子論の立場から考えるとどうしても異次元が存在しなければならないと言い出しています。実際にある種の実験で素粒子がこの世界から消えて別の世界に行ったと考える他ない結論も出ています。
 また、最近では光より早い物質があると言われだしました。それは素粒子の一つニュートリノで名古屋大などの国際研究チームの実験で光よりも早いことが発表され物理学に激震が走っています。まだ実証されたわけではありませんが、これは大変なことです。それというのもアインシュタインの相対性理論では光よりも早い物質はないと言うことが前提となっているからです。
 アインシュタインはニュートンの物理学を越えました。ニュートンの物理学は地球上の物事には適応できましたが宇宙規模の物事には合いませんでした。今またアインシュタインの物理学は目に見えない世界の物事には適応できないことになって来ました。ちなみにユダヤ人のアインシュタインは無神論者でした。
 異次元という言葉を霊的世界と呼ぶことも出来るでしょう。世界中ではるか昔から霊的世界の存在は知られていました。昔から多くの人々が霊的世界を垣間見ています。例えば釈迦はアヤワスカという麻薬を使って霊的世界を見てきたようです。アヤワスカは植物の樹液を複雑に混合して作る麻薬で南米やアフリカのシャーマンたちが用いています。確かに彼らはそれによって霊的世界を見て来るようですが、その霊的世界はどう見ても悪霊の世界です。
 パウロは神様の支配する霊的世界、天国を見てきました。
私はキリストにあるひとりの人を知っています。この人は十四年前に――肉体のままであったか、私は知りません。肉体を離れてであったか、それも知りません。神はご存じです。――第三の天にまで引き上げられました。Uコリント12:2
 イエス様は天国のことをしばしば語っています。
あなたがたに言いますが、たくさんの人が東からも西からも来て、天の御国で、アブラハム、イサク、ヤコブといっしょに食卓に着きます。マタイ8:11
わたしは、あなたに天の御国のかぎを上げます。何でもあなたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたが地上で解くなら、それは天においても解かれています。」16:19
 もっともイエス様の言葉では天国とか天の御国、神の国と言う言葉は、異次元ではなくこの世界で救いに預かった人々、言い換えれば完成された教会を指す場合が多く、異次元との区別は難しい場合が多いです。
「そら、ここにある。」とか、「あそこにある。」とか言えるようなものではありません。いいですか。神の国は、あなたがたのただ中にあるのです。ルカ17:21
 そして、天国が鮮やかに描かれるのは黙示録でしょう。黙示録は地上と天国が密接に連携して現れます。
その後、私は見た。見よ。天に一つの開いた門があった。また、先にラッパのような声で私に呼びかけるのが聞こえたあの初めの声が言った。「ここに上れ。この後、必ず起こる事をあなたに示そう。」たちまち私は御霊に感じた。すると見よ。天に一つの御座があり、その御座に着いている方があり、その方は、碧玉や赤めのうのように見え、その御座の回りには、緑玉のように見える虹があった。また、御座の回りに二十四の座があった。これらの座には、白い衣を着て、金の冠を頭にかぶった二十四人の長老たちがすわっていた。御座からいなずまと声と雷鳴が起こった。七つのともしびが御座の前で燃えていた。神の七つの御霊である。御座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。御座の中央と御座の回りに、前もうしろも目で満ちた四つの生き物がいた。第一の生き物は、ししのようであり、第二の生き物は雄牛のようであり、第三の生き物は人間のような顔を持ち、第四の生き物は空飛ぶわしのようであった。黙示録4:1〜7
 黙示録では第三次元のこの世界と異次元の天とが一体となって現れます。神の国がすさまじい迫力で迫ってきます。天国は私たちが考えるようなかすかで静的なものではなく、全てのものが躍動する動的な世界のようです。 しかし、私達にとって、天国とは神様とイエス様のおられる平安の都エルサレムです。
しかし、あなたがたは、シオンの山、生ける神の都、天にあるエルサレム、無数の御使いたちの大祝会に近づいているのです。ヘブル12:22
 エルサレムとはエル・シャローム「神の平安」という意味です。この世界のエルサレムは皮肉にも平安どころか戦争と戦争に明け暮れた歴史がありますが、天のエルサレムは永遠の平和の中にあります。間もなくそこに私たちは行くのです。心踊るではありませんか。しかし、イエス様は天の御国は「あなたがたのただ中にあるのだ」と言われました。私たちが本当に主イエスと共にあるならそこは御国なのです。主イエスと共にあるところはどこでも平安の都です。あなたの今いる場所もエルサレムなのです。だから感謝しましょう。
いつも喜んでいなさい。 絶えず祈りなさい。 すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。Tテサロニケ5:1〜18
 シャローム