ホームページ・メッセージ110213 小 石 泉
申命記 No.] モーセの遺言]
24:1 人が妻をめとって、夫となったとき、妻に何か恥ずべき事を発見したため、気に入らなくなった場合は、夫は離婚状を書いてその女の手に渡し、彼女を家から去らせなければならない。 24:2 女がその家を出て、行って、ほかの人の妻となったなら、 24:3 次の夫が彼女をきらい、離婚状を書いてその女の手に渡し、彼女を家から去らせた場合、あるいはまた、彼女を妻としてめとったあとの夫が死んだ場合、 24:4 彼女を出した最初の夫は、その女を再び自分の妻としてめとることはできない。彼女は汚されているからである。これは、主の前に忌みきらうべきことである。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる地に、罪をもたらしてはならない。
24章は細かい日常の決まりが書かれています。特に離婚問題が簡潔に書かれています。キリスト教、特にカトリックでは離婚は厳重に禁じられていますが、これで見る限り旧約聖書では意外にも離婚は許されているのです。しかし、その女性が他人の妻となってからもう一度再婚することは出来ませんでした。
24:5 人が新妻をめとったときは、その者をいくさに出してはならない。これに何の義務をも負わせてはならない。彼は一年の間、自分の家のために自由の身になって、めとった妻を喜ばせなければならない。
神様は優しいですね。新婚の夫は、1年間は兵役につかなくても良かったのです。
24:6 ひき臼、あるいは、その上石を質に取ってはならない。いのちそのものを質に取ることになるからである。
ひき臼は麦などを粉にするものですから家庭の必需品で、質にとってはならないのでした。」
上石というのは臼が上下の石からなっていて、互いに溝があり、その間に穀類を入れて廻すものだからです。そんなこともあったのですね。
24:7 あなたの同族イスラエル人のうちのひとりをさらって行き、これを奴隷として扱い、あるいは売りとばす者が見つかったなら、その人さらいは死ななければならない。あなたがたのうちからこの悪を除き去りなさい。
誘拐は殺人と同じ犯罪でした。
24:8 らい病の患部には気をつけて、すべてレビ人の祭司が教えるとおりによく守り行なわなければならない。私が彼らに命じたとおりに、それを守り行なわなければならない。24:9 あなたがたがエジプトから出て来たとき、その道中で、あなたの神、主がミリヤムにされたことを思い出しなさい。
らい病に関してはレビ記に細かい決まりがありました。それを思い出しなさいというわけです。モーセの姉ミリヤムはモーセに逆らってらい病になりました。
24:10 隣人に何かを貸すときに、担保を取るため、その家にはいってはならない。 24:11 あなたは外に立っていなければならない。あなたが貸そうとするその人が、外にいるあなたのところに、担保を持って出て来なければならない。 24:12 もしその人が貧しい人である場合は、その担保を取ったままで寝てはならない。 24:13 日没のころには、その担保を必ず返さなければならない。彼は、自分の着物を着て寝るなら、あなたを祝福するであろう。また、それはあなたの神、主の前に、あなたの義となる。
何と細やかな配慮であることか。家に入って自分で担保物件を選んではならないというのです。そして日没までに返さなければならないと。これは衣類を意識しているのでしょう。当時は布団はなく着物のままで寝ることが多かったのでしょう。
24:14 貧しく困窮している雇い人は、あなたの同胞でも、あなたの地で、あなたの町囲みのうちにいる在留異国人でも、しいたげてはならない。 24:15 彼は貧しく、それに期待をかけているから、彼の賃金は、その日のうちに、日没前に、支払わなければならない。彼があなたのことを主に訴え、あなたがとがめを受けることがないように。
賃金をその日のうちに払うのは当たり前でした。しかし、日本でも不当に安い賃金で働かせたり払わないことがあるではありませんか。
見なさい。あなたがたの畑の刈り入れをした労働者への未払い賃金が、叫び声をあげています。そして、取り入れをした人たちの叫び声は、万軍の主の耳に届いています。ヤコブ6:4
これは万国共通の罪なのでしょう。
24:16 父親が子どものために殺されてはならない。子どもが父親のために殺されてはならない。人が殺されるのは、自分の罪のためでなければならない。
これも世界中でよくあることだったと思われます。聖書は本人だけの死刑を認めています。
24:17 在留異国人や、みなしごの権利を侵してはならない。やもめの着物を質に取ってはならない。 24:18 思い起こしなさい。あなたがエジプトで奴隷であったことを。そしてあなたの神、主が、そこからあなたを贖い出されたことを。だから、私はあなたにこのことをせよと命じる。
やはり優しい神様の配慮が見えます。
24:19 あなたが畑で穀物の刈り入れをして、束の一つを畑に置き忘れたときは、それを取りに戻ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。あなたの神、主が、あなたのすべての手のわざを祝福してくださるためである。 24:20 あなたがオリーブの実を打ち落とすときは、後になってまた枝を打ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。
24:21 ぶどう畑のぶどうを収穫するときは、後になってまたそれを摘み取ってはならない。それは、在留異国人や、みなしご、やもめのものとしなければならない。 24:22 あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったことを思い出しなさい。だから、私はあなたにこのことをせよと命じる。
穀物の束を置き忘れたとき取りに戻ってはならない! オリーブやぶどうを収穫するとき全部をとりきってはならない! 少し残しておき孤児ややもめに与えなさい。何と美しい法律でしょうか。これが本当に実行されたら幸いな国が出来たことでしょう。