ホームページ・メッセージ110116 小 石 泉
申命記 No. [ モーセの遺言[
22章は迷子の家畜の取り扱いなど日常の細かい規定があります。
22:1 あなたの同族の者の牛または羊が迷っているのを見て、知らぬふりをしていてはならない。あなたの同族の者のところへそれを必ず連れ戻さなければならない。 22:2 もし同族の者が近くの者でなく、あなたはその人を知らないなら、それを自分の家に連れて来て、同族の者が捜している間、あなたのところに置いて、それを彼に返しなさい。 22:3 彼のろばについても同じようにしなければならない。彼の着物についても同じようにしなければならない。すべてあなたの同族の者がなくしたものを、あなたが見つけたなら、同じようにしなければならない。知らぬふりをしていることはできない。 22:4 あなたの同族の者のろば、または牛が道で倒れているのを見て、知らぬふりをしていてはならない。必ず、その者を助けて、それを起こさなければならない。
家畜は重要な財産でしたから、持ち主に返すことが定められています。これはかなり大きな誘惑だったのではないでしょうか。
22:5 女は男の衣装を身に着けてはならない。また男は女の着物を着てはならない。すべてこのようなことをする者を、あなたの神、主は忌みきらわれる。
この箇所は、単なる衣装の問題ではなく、同性愛的なことに関するものだという解説を読んだことがあります。歌舞伎や宝塚などの演劇はどうなのでしょうか。やはり忌むべきものなのでしょうか。
22:6 たまたまあなたが道で、木の上、または地面に鳥の巣を見つけ、それにひなか卵がはいっていて、母鳥がひなまたは卵を抱いているなら、その母鳥を子といっしょに取ってはならない。 22:7 必ず母鳥を去らせて、子を取らなければならない。それは、あなたがしあわせになり、長く生きるためである。
やさしい戒めですね。
22:8 新しい家を建てるときは、屋上に手すりをつけなさい。万一、だれかがそこから落ちても、あなたの家は血の罪を負うことがないために。
屋上の手すりまで決められていたとは・・・。
22:9 ぶどう畑に二種類の種を蒔いてはならない。あなたが蒔いた種、ぶどう畑の収穫が、みな汚れたものとならないために。 22:10 牛とろばとを組にして耕してはならない。 22:11 羊毛と亜麻糸とを混ぜて織った着物を着てはならない。
二種類の種、二種類の家畜、二種類の糸。これらは現在行われている遺伝子操作による新種の動物にまで及ぶと考えるべきです。神様の創造の御業を破壊する行為であるからです。しかし、混紡の服を着ているわれわれは複雑な気持ちがしますね。
22:12 身にまとう着物の四隅に、ふさを作らなければならない。
イスラエル人の男の服には必ず房が付いていました。主イエスの着物にも付いていたことが福音書にはあります。
22:13 もし、人が妻をめとり、彼女のところにはいり、彼女をきらい、 22:14 口実を構え、悪口を言いふらし、「私はこの女をめとって、近づいたが、処女のしるしを見なかった。」と言う場合、 22:15 その女の父と母は、その女の処女のしるしを取り、門のところにいる町の長老たちのもとにそれを持って行きなさい。 22:16 その女の父は長老たちに、「私は娘をこの人に、妻として与えましたが、この人は娘をきらいました。 22:17 ご覧ください。彼は口実を構えて、『あなたの娘に処女のしるしを見なかった。』と言いました。しかし、これが私の娘の処女のしるしです。」と言い、町の長老たちの前にその着物をひろげなさい。 22:18 その町の長老たちは、この男を捕えて、むち打ちにし、 22:19 銀百シェケルの罰金を科し、これをその女の父に与えなければならない。彼がイスラエルのひとりの処女の悪口を言いふらしたからである。彼女はその男の妻としてとどまり、その男は一生、その女を離縁することはできない。
結婚の初夜に、花嫁は処女性を証明する血痕のついた衣装をとっておきました。これは非常に大切なことでした。夫が妻を嫌いになったときの言い訳として、処女ではなかったという場合に備えたのです。
22:20 しかし、もしこのことが真実であり、その女の処女のしるしが見つからない場合は、 22:21 その女を父の家の入口のところに連れ出し、その女の町の人々は石で彼女を打たなければならない。彼女は死ななければならない。その女は父の家で淫行をして、イスラエルの中で恥辱になる事をしたからである。あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。
花嫁が処女でなかった場合、彼女は殺されました。それでヨセフはマリヤを離縁しようとしたのです。殺したくなかったからです。
22:22 夫のある女と寝ている男が見つかった場合は、その女と寝ていた男もその女も、ふたりとも死ななければならない。あなたはイスラエルのうちから悪を除き去りなさい。 22:23 ある人と婚約中の処女の女がおり、他の男が町で彼女を見かけて、これといっしょに寝た場合は、22:24 あなたがたは、そのふたりをその町の門のところに連れ出し、石で彼らを打たなければならない。彼らは死ななければならない。これはその女が町の中におりながら叫ばなかったからであり、その男は隣人の妻をはずかしめたからである。あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。
ここは律法というものを考えさせる最も適切な箇所です。不倫、姦淫は死刑でした。このことで主イエスはユダヤ人から試みられています。
すると、律法学者とパリサイ人が、姦淫の場で捕えられたひとりの女を連れて来て、真中に置いてから、イエスに言った。「先生。この女は姦淫の現場でつかまえられたのです。 モーセは律法の中で、こういう女を石打ちにするように命じています。ところで、あなたは何と言われますか。」彼らはイエスをためしてこう言ったのである。それは、イエスを告発する理由を得るためであった。しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に書いておられた。けれども、彼らが問い続けてやめなかったので、イエスは身を起こして言われた。「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい。」そしてイエスは、もう一度身をかがめて、地面に書かれた。彼らはそれを聞くと、年長者たちから始めて、ひとりひとり出て行き、イエスがひとり残された。女はそのままそこにいた。イエスは身を起こして、その女に言われた。「婦人よ。あの人たちは今どこにいますか。あなたを罪に定める者はなかったのですか。」彼女は言った。「だれもいません。」そこで、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。今からは決して罪を犯してはなりません。」ヨハネ8:3〜11
律法は人を罪に定めるためにあるのではなく、正義と命に導くものです。キリストは罪の根源、動機から裁きます。
しかし、わたしはあなたがたに言います。だれでも情欲をいだいて女を見る者は、すでに心の中で姦淫を犯したのです。マタイ5:28
ここまで深いレベルでは正しい者などいないのです。
人は、ただ、神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いのゆえに、価なしに義と認められるのです。ローマ9:24
次に婚約中の女性が強姦された場合です。
22:25 もし男が、野で、婚約中の女を見かけ、その女をつかまえて、これといっしょに寝た場合は、女と寝たその男だけが死ななければならない。 22:26 その女には何もしてはならない。その女には死刑に当たる罪はない。この場合は、ある人が隣人に襲いかかりいのちを奪ったのと同じである。 22:27 この男が野で彼女を見かけ、婚約中のその女が叫んだが、救う者がいなかったからである。 22:28 もしある男が、まだ婚約していない処女の女を見かけ、捕えてこれといっしょに寝て、ふたりが見つけられた場合、 22:29 女と寝たその男は、この女の父に銀五十シェケルを渡さなければならない。彼女は彼の妻となる。彼は彼女をはずかしめたのであるから、彼は一生、この女を離縁することはできない。 22:30 だれも自分の父の妻をめとり、自分の父の恥をさらしてはならない。
このことから見ても マリヤを妻に迎えたヨセフの決断の重さを覚えます。信仰の人だったのですね。