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申命記  No.W モーセの遺言W

 12章には先住民の偶像崇拝の後を徹底的に破壊することが命じられています。私が最近になって分かったことは、偶像や寺院には悪霊が住んでいるということです。これは迷信のように感じるかもしれませんが、サタン礼拝から救われてクリスチャンとなった人々の口から異口同音にそういう話を聞いたのです。占い、予言なども彼らの力によることが多いのです。良く、パワースポットとかレイラインなどということが遊び感覚で語られますが、深入りすると危険です。 12:1 これは、あなたの父祖の神、主が、あなたに与えて所有させようとしておられる地で、あなたがたが生きるかぎり、守り行なわなければならないおきてと定めである。 12:2 あなたがたが所有する異邦の民が、その神々に仕えた場所は、高い山の上であっても、丘の上であっても、また青々と茂ったどの木の下であっても、それをことごとく必ず破壊しなければならない。 12:3 彼らの祭壇をこわし、石の柱を打ち砕き、アシェラ像を火で焼き、彼らの神々の彫像を粉砕して、それらの名をその場所から消し去りなさい。
 そして、礼拝すべき場所(エルサレムとなる)を定め、そこで捧げものを捧げ、喜びの宴を開くように命じています。難行苦行を命じてはいないのです。
12:6 あなたがたは全焼のいけにえや、ほかのいけにえ、十分の一と、あなたがたの奉納物、誓願のささげ物、進んでささげるささげ物、あなたがたの牛や羊の初子を、そこに携えて行きなさい。
12:7 その所であなたがたは家族の者とともに、あなたがたの神、主の前で祝宴を張り、あなたの神、主が祝福してくださったあなたがたのすべての手のわざを喜び楽しみなさい。
 肉食も自由でしたが、血は絶対に食べてはならないのでした。またレビ人を敬うことも厳重に命じられました。
12:16 ただし、血は食べてはならない。それを地面に水のように注ぎ出さなければならない。
12:18 ただ、あなたの神、主が選ぶ場所で、あなたの息子、娘、男奴隷、女奴隷、およびあなたの町囲みのうちにいるレビ人とともに、あなたの神、主の前でそれらを食べなければならない。あなたの神、主の前で、あなたの手のすべてのわざを喜び楽しみなさい。 12:19 あなたは一生、あなたの地で、レビ人をないがしろにしないように気をつけなさい。
12:23 ただ、血は絶対に食べてはならない。血はいのちだからである。肉とともにいのちを食べてはならない。 12:24 血を食べてはならない。それを水のように地面に注ぎ出さなければならない。
12:25 血を食べてはならない。あなたも、後の子孫もしあわせになるためである。あなたは主が正しいと見られることを行なわなければならない。
 さらに、好奇心から先住民や異邦人の信仰や礼拝を真似することがないように禁じられました。実際にはイスラエルはこの罪を犯しました。そして何度も言うように、これらの礼拝には悪霊の存在がありました。これは実に恐ろしい結果を生みました。
12:29 あなたが、はいって行って、所有しようとしている国々を、あなたの神、主が、あなたの前から断ち滅ぼし、あなたがそれらを所有して、その地に住むようになったら、 12:30 よく気をつけ、彼らがあなたの前から根絶やしにされて後に、彼らにならって、わなにかけられないようにしなさい。彼らの神々を求めて、「これらの異邦の民は、どのように神々に仕えたのだろう。私もそうしてみよう。」と言わないようにしなさい。 12:31 あなたの神、主に対して、このようにしてはならない。彼らは、主が憎むあらゆる忌みきらうべきことを、その神々に行ない、自分たちの息子、娘を自分たちの神々のために、火で焼くことさえしたのである。 12:32 あなたがたは、私があなたがたに命じるすべてのことを、守り行なわなければならない。これにつけ加えてはならない。減らしてはならない。
 案外、知られていないのですが、サタン礼拝やほとんどの偶像礼拝には幼児のいけにえの儀式が伴ったのです。カナンで盛んだったモレクの場合、真っ赤に熱した鉄の牛の空洞の胴の中に生きたまま赤子を投げ込み、その断末魔の悲鳴を喜びました。また、生きたまま体を裂き、まだ動いている心臓を捧げることは広く行われていた儀式です。これらは今でも行われています。
 13章では占いや予言を禁じています。しかし、皮肉なことに今世界ではユダヤ人の占い師や予言者が非常に多くいます。
13:1 あなたがたのうちに預言者または夢見る者が現われ、あなたに何かのしるしや不思議を示し、 13:2 あなたに告げたそのしるしと不思議が実現して、「さあ、あなたが知らなかったほかの神々に従い、これに仕えよう。」と言っても、 13:3 その預言者、夢見る者のことばに従ってはならない。あなたがたの神、主は、あなたがたが心を尽くし、精神を尽くして、ほんとうに、あなたがたの神、主を愛するかどうかを知るために、あなたがたを試みておられるからである。
13:4 あなたがたの神、主に従って歩み、主を恐れなければならない。主の命令を守り、御声に聞き従い、主に仕え、主にすがらなければならない。 13:5 その預言者、あるいは、夢見る者は殺されなければならない。その者は、あなたがたをエジプトの国から連れ出し、奴隷の家から贖い出された、あなたがたの神、主に、あなたがたを反逆させようとそそのかし、あなたの神、主があなたに歩めと命じた道から、あなたを迷い出させようとするからである。あなたがたのうちからこの悪を除き去りなさい。
 ここでは占いや予言をする者を「殺す」ように定められています。これなど日本人には理解しがたいことかもしれません。
13:6 あなたと母を同じくするあなたの兄弟、あるいはあなたの息子、娘、またはあなたの愛妻、またはあなたの無二の親友が、ひそかにあなたをそそのかして、「さあ、ほかの神々に仕えよう。」と言うかもしれない。これは、あなたも、あなたの先祖たちも知らなかった神々で、 13:7 地の果てから果てまで、あなたの近くにいる、あるいはあなたから遠く離れている、あなたがたの回りの国々の民の神である。 13:8 あなたは、そういう者に同意したり、耳を貸したりしてはならない。このような者にあわれみをかけたり、同情したり、彼をかばったりしてはならない。 13:9 必ず彼を殺さなければならない。彼を殺すには、まず、あなたが彼に手を下し、その後、民がみな、その手を下すようにしなさい。 13:10 彼を石で打ちなさい。彼は死ななければならない。彼は、エジプトの地、奴隷の家からあなたを連れ出したあなたの神、主から、あなたを迷い出させようとしたからである。
13:11 イスラエルはみな、聞いて恐れ、重ねてこのような悪を、あなたがたのうちで行なわないであろう。
 これは多神教で宗教的に寛容という日本人には耐え難いことばでしょう。しかし、前にも言ったように偶像宗教には悪霊が介在し、人身御供が捧げられていたのを考えると納得できるでしょう。日本の宗教の場合、悪霊の働きはそれほどではなく人身御供もあまりないのでそう思うのでしょう。
13:12 もし、あなたの神、主があなたに与えて住まわせる町の一つで、 13:13 よこしまな者たちが、あなたがたのうちから出て、「さあ、あなたがたの知らなかったほかの神々に仕えよう。」と言って、町の住民を迷わせたと聞いたなら、 13:14 あなたは、調べ、探り、よく問いたださなければならない。もし、そのような忌みきらうべきことがあなたがたのうちで行なわれたことが、事実で確かなら、 13:15 あなたは必ず、その町の住民を剣の刃で打たなければならない。その町とそこにいるすべての者、その家畜も、剣の刃で聖絶しなさい。 13:16 そのすべての略奪物を広場の中央に集め、その町と略奪物のすべてを、あなたの神、主への焼き尽くすいけにえとして、火で焼かなければならない。その町は永久に廃墟となり、再建されることはない。
13:17 この聖絶のものは何一つ自分のものにしてはならない。主が燃える怒りをおさめ、あなたにあわれみを施し、あなたをいつくしみ、あなたの先祖たちに誓ったとおり、あなたをふやすためである。 13:18 あなたは、必ずあなたの神、主の御声に聞き従い、私が、きょう、あなたに命じるすべての主の命令を守り、あなたの神、主が正しいと見られることを行なわなければならない。
 神の民の中では、このような厳然たる決まりがあったのです。しかし、その後、イスラエルはことごとく違反しました。そのために約束の地を追われ、最後には神の一人子を拒んで世界に離散することになりました。それでも神様はユダヤ人を滅ぼすことはしないで、何と2000年もしてから、復活させました。驚くべきことです。
 14章では、もう一度、食べ物についての戒めがあります。これらは今では衛生面から説得力があるでしょう。前の書の繰り返しになるので省略しますが、次の言葉は感動的です。
14:21 あなたがたは自然に死んだものを、いっさい食べてはならない。あなたの町囲みのうちにいる在留異国人にそれを与えて、彼がそれを食べるのはよい。あるいは、外国人に売りなさい。あなたは、あなたの神、主の聖なる民である。子やぎをその母の乳で煮てはならない。
 ここから、今でもイスラエルでは肉料理の後でアイスクリームを食べません。ちょっと違うような気もするのですが、律法を守るということはそういう風に過激になるのでしょうか。ちなみに、今は、アイスクリームの代わりに、豆腐のスイーツを食べるそうです。
 ちょっと面白いのは礼拝すべき場所(エルサレム)から遠い場合は金に代えて持ってゆくように定めています。
14:22 あなたが種を蒔いて、畑から得るすべての収穫の十分の一を必ず毎年ささげなければならない。 14:23 主が御名を住まわせるために選ぶ場所、あなたの神、主の前で、あなたの穀物や新しいぶどう酒や油の十分の一と、それに牛や羊の初子を食べなさい。あなたが、いつも、あなたの神、主を恐れることを学ぶために。 14:24 もし、道のりがあまりに遠すぎ、持って行くことができないなら、もし、あなたの神、主が御名を置くために選ぶ場所が遠く離れているなら、あなたの神、主があなたを祝福される場合、 14:25 あなたはそれを金に換え、その金を手に結びつけ、あなたの神、主の選ぶ場所に行きなさい。 14:26 あなたは、そこでその金をすべてあなたの望むもの、牛、羊、ぶどう酒、強い酒、また何であれ、あなたの願うものに換えなさい。あなたの神、主の前で食べ、あなたの家族とともに喜びなさい。
 また、レビ人や、貧しい人々のために3年に一回、十分の一を取って置くようにとありますが、これは毎年の決まりである、十分の一の他に、レビ人と貧しい人々に分け与える特別な捧げものです。
14:27 あなたの町囲みのうちにいるレビ人をないがしろにしてはならない。彼には、あなたのうちにあって相続地の割り当てがないからである。 14:28 三年の終わりごとに、その年の収穫の十分の一を全部持ち出し、あなたの町囲みのうちに置いておかなければならない。
14:29 あなたのうちにあって相続地の割り当てのないレビ人や、あなたの町囲みのうちにいる在留異国人や、みなしごや、やもめは来て、食べ、満ち足りるであろう。あなたの神、主が、あなたのすべての手のわざを祝福してくださるためである。