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民数記  No. V レビ人の奉献、出発

8章 はレビ人の位置について語られます。まず幕屋の燭台について説明があります。これは唐突で、5章と同じように前後関係がほとんどなく出エジプト記の補充のような奇妙な箇所です。なんとも解説のしようがありません。
 次にレビ人のことが語られます。清められること。全身をかみそりでそります! 雄牛を罪のためのいけにえにします。イスラエルの全会衆が手を置きます。こうしてレビ族は「神への奉献物」となります。
8:13 あなたはレビ人をアロンとその子らの前に立たせ、彼らを奉献物として主にささげる。 8:14 あなたがレビ人をイスラエル人のうちから分けるなら、レビ人はわたしのものとなる。 8:15 こうして後、レビ人は会見の天幕の奉仕をすることができる。あなたは彼らをきよめ、彼らを奉献物としてささげなければならない。 8:16 彼らはイスラエル人のうちから正式にわたしのものとなったからである。すべてのイスラエル人のうちで、最初に生まれた初子の代わりに、わたしは彼らをわたしのものとして取ったのである。 8:17 イスラエル人のうちでは、人でも家畜でも、すべての初子はわたしのものだからである。エジプトの地で、わたしがすべての初子を打ち殺した日に、わたしは彼らを聖別してわたしのものとした。 8:18 わたしはイスラエル人のうちのすべての初子の代わりにレビ人を取った。
ある部族全体が神への奉献物となると言う考えは、我々の想像を越えています。それも男だけで2万人。何と言う厳粛で壮大なご計画でしょうか。神に仕えるということは、このように偉大なことなのです。
9章 は2年目の最初の過ぎ越しの祭りについて簡潔に書かれています。去年、エジプトを立って、1年が経ちました。それを記念する最初の過ぎ越しの祭りでした。第1の月の14日に行うのです。この時、死体に触れたり、旅に出ていて過ぎ越しの祭りを守れなかった人々がモーセにどうしたら良いのかと尋ねに来ます。これに対して、モーセが神に尋ねると、そういう人は1ヶ月後、つまり第2の月の14日に過ぎ越しの祭りを行うように指示があります。これなどうっかりすると見過ごしてしまうような小さなことですが、神様の精密な指示に驚かされます。
こうして、イスラエルは完全に整えられて、いよいよカナンに向けて出発する準備が出来ました。
9:15 幕屋を建てた日、雲があかしの天幕である幕屋をおおった。それは、夕方には幕屋の上にあって火のようなものになり、朝まであった。 9:16 いつもこのようであって、昼は雲がそれをおおい、夜は火のように見えた。 9:17 雲が天幕を離れて上ると、すぐそのあとで、イスラエル人はいつも旅立った。そして、雲がとどまるその場所で、イスラエル人は宿営していた。9:18 主の命令によって、イスラエル人は旅立ち、主の命令によって宿営した。雲が幕屋の上にとどまっている間、彼らは宿営していた。 9:19 長い間、雲が幕屋の上にとどまるときには、イスラエル人は主の戒めを守って、旅立たなかった。 9:20 また雲がわずかの間しか幕屋の上にとどまらないことがあっても、彼らは主の命令によって宿営し、主の命令によって旅立った。 9:21 雲が夕方から朝までとどまるようなときがあっても、朝になって雲が上れば、彼らはただちに旅立った。昼でも、夜でも、雲が上れば、彼らはいつも旅立った。 9:22 二日でも、一月でも、あるいは一年でも、雲が幕屋の上にとどまって去らなければ、イスラエル人は宿営して旅立たなかった。ただ雲が上ったときだけ旅立った。 9:23 彼らは主の命令によって宿営し、主の命令によって旅立った。彼らはモーセを通して示された主の命令によって、主の戒めを守った。
幕屋の上には常に、昼は雲の柱、夜には火の柱がありました。彼らはその柱に従って行進し、宿営しました。このようなものは周りの諸民族の間でどのように思われたことでしょうか。聖書には書いてありませんが、私は当時の世界にものすごい反響を呼んだと思います。まず、世界最大の帝国エジプトに伝わったでしょう。その他にも、アラビヤの砂漠の中で植えることも採り入れることもなく生活している巨大な民族の話は世界中に伝わっていたはずです。
それにしても常に自分たちの行く道を指し示す、目に見える導きがあるとは何と幸いなことでしょうか。私たちのうちに居ます聖霊が雲の柱火の柱となって下さいますように。10章からいよいよシナイ山の前を出発してカナンに向かいますが、そのために二本の銀のラッパが作られます。このラッパはレビ人によって吹き鳴らされ、行進の合図、戦いの日、例祭と新月の日に、あなたがたの全焼のいけにえと、和解のいけにえの上に、吹き鳴らされました。
そして、シナイ山の前に止まった1年後、出発の時が来ました。
 10:11 第二年目の第二月の二十日に、雲があかしの幕屋の上から離れて上った。 10:12 それでイスラエル人はシナイの荒野を出て旅立ったが、雲はパランの荒野でとどまった。
彼らはそれぞれの部族の軍団長を先頭に宿営の旗に従って歩き始めました。その順番は、ユダ、イッサカル、ゼブルン、レビ人のゲルション族、メラリ族、ルベン、シメオン、ガド、聖なる物を運ぶケハテ人、彼らが着くまでに、幕屋は建て終えられる。エフライム、マナセ、ベニヤミン、ダン、アシェル、ナフタリでした。
この時までイスラエルと共に滞在していたミデヤン人のモーセの姑レウエルの子ホバブにモーセは一緒に行こうと誘います。
10:29 さて、モーセは、彼のしゅうとミデヤン人レウエルの子ホバブに言った。「私たちは、主があなたがたに与えると言われた場所へ出発するところです。私たちといっしょに行きましょう。私たちはあなたをしあわせにします。主がイスラエルにしあわせを約束しておられるからです。」 10:30 彼はモーセに答えた。「私は行きません。私の生まれ故郷に帰ります。」 10:31 そこでモーセは言った。「どうか私たちを見捨てないでください。あなたは、私たちが荒野のどこで宿営したらよいかご存じであり、私たちにとって目なのですから。 10:32 私たちといっしょに行ってくだされば、主が私たちに下さるしあわせを、あなたにもおわかちしたいのです。」
ホバブは折れてしばらく一緒に行くことにします。これなども小さなエピソードですが、壮大で厳格な一連の出来事の中で人間的な面を感じさせる場面です。こういうシーンを入れているところに何ともいえない豊かな感情を感じさせますね。
10:33 こうして、彼らは主の山を出て、三日の道のりを進んだ。主の契約の箱は三日の道のりの間、彼らの先頭に立って進み、彼らの休息の場所を捜した。 10:34 彼らが宿営を出て進むとき、昼間は主の雲が彼らの上にあった。 10:35 契約の箱が出発するときには、モーセはこう言っていた。「主よ。立ち上がってください。あなたの敵は散らされ、あなたを憎む者は、御前から逃げ去りますように。」 10:36 またそれがとどまるときに、彼は言っていた。「主よ。お帰りください。イスラエルの幾千万の民のもとに。」
この後、事態はまたしても急変しますが、それは来週。