ホームページ・メッセージ100523 小 石 泉
民数記 No.U レビ族の務め、ナジル人
4章 は幕屋の移動と管理に関する規則です。これは非常に厳密に規定されています。まず、アロンの子供たちが最初に幕屋に入って行き、聖所と至聖所の仕切りの幕(カーテン)であかしの箱(契約の箱)を覆います。次に、その上にジュゴンの皮で覆います。次に青い布をかけかつぎ棒を通します。次にパンの机、燭台、香の台、それらの用具に、青い布をかけジュゴンの皮で覆います。
こうして後、ケハテ(口語訳ではコハテ)が入ってきて担ぎ出します。彼らは「最も聖なるものにかかわること」でした。
4:15 宿営が進むときは、アロンとその子らが聖なるものと聖所のすべての器具をおおい終わって、その後にケハテ族がはいって来て、これらを運ばなければならない。彼らが聖なるものに触れて死なないためである。これらは会見の天幕で、ケハテ族のになうものである。
次にゲンルション族の任務は幕に関することでした。
4:25 すなわち幕屋の幕、会見の天幕とそのおおい、その上に掛けるじゅごんの皮のおおい、会見の天幕の入口の垂れ幕を運び、 4:26 また庭の掛け幕、幕屋と祭壇の回りを取り巻く庭の門の入口の垂れ幕、それらのひも、およびそれらに用いるすべての用具を運び、これらに関係するすべての奉仕をしなければならない。
メラリ族の任務は幕屋の板と台座、柱、紐などに関するものでした。
4:31 会見の天幕での彼らのすべての奉仕で、彼らがになう任務のあるものは次のとおりである。幕屋の板、その横木、その柱とその台座、 4:32 庭の回りの柱と、その台座、釘、ひも、これらの用具と、その奉仕に使うすべての物である。あなたがたは彼らがになう任務のある用具を名ざして割り当てなければならない。
これらの仕事に携わるレビ人は30〜50歳までの男子です。ケハテ族からは2750人、メラリ族からは2630人、ゲルション族からは3200人、合計で8580人です。
4:49 モーセを通して示された主の命令によって、彼は、おのおのその奉仕とそのになうものについて、彼らを登録した。主がモーセに命じたとおりに登録された者たちである。
移動式神殿、幕屋の奉仕には成人男子8580人が当たりました。すごい数ですね。これらの人々の生涯の仕事は神の幕屋のためでした。
5章 は不思議なことに、突然、幕屋とは全く関係のないレビ記の書き残しのような戒めが語られます。らい病人、漏出を病む者、死体によって身を汚している者をすべて宿営から追い出すこと。不信の罪。姦淫の罪を犯した女に対する処置の仕方などです。ここで興味深いのは、その女性にのろいの水を飲ませて試みることです。
6章 はナジル人への規定です。ナジル人とはレビ人以外で神に自発的な献身を求める人のことです。これは興味深いですね。神に仕えるのはレビ人と決まっていても、自発的に神のために働きたいと言う人がいたわけで、そういう人への道も残されていたわけです。
その方法は、ぶどうの実から出来たものと酒を飲食しないこと。髪の毛を切らないことです。ナジル人の最も有名な人はサムソンでしょう。しかし、彼の生涯を見ると聖人とは言いがたいですね。サムソンは自発的というよりもナジル人として生まれてきたという特殊なケースです。ナジル人は希望する期間だけなることも出来ました。仏教の献身者が髪をそり、ユダヤ教の献身者は髪をそらないと言うのも面白いですね。
6:1 主はモーセに告げて仰せられた。 6:2 「イスラエル人に告げて言え。男または女が主のものとして身を聖別するため特別な誓いをして、ナジル人の誓願を立てる場合、 6:3 ぶどう酒や強い酒を断たなければならない。ぶどう酒の酢や強い酒の酢を飲んではならない。ぶどう汁をいっさい飲んではならない。ぶどうの実の生のものも干したものも食べてはならない。 6:4 彼のナジル人としての聖別の期間には、ぶどうの木から生じるものはすべて、種も皮も食べてはならない。 6:5 彼がナジル人としての聖別の誓願を立てている間、頭にかみそりを当ててはならない。主のものとして身を聖別している期間が満ちるまで、彼は聖なるものであって、頭の髪の毛をのばしておかなければならない。
彼らは死体に触れてはなりませんでした。うっかり触れた場合の清める儀式まで決まっていました。死体に触れると、それまでの期間は無効となりました! また、ナジル人を止めるときの決まりもありました。かなりフレキシブルな制度だったわけです。
6:6 主のものとして身を聖別している間は、死体に近づいてはならない。 6:7 父、母、兄弟、姉妹が死んだ場合でも、彼らのため身を汚してはならない。その頭には神の聖別があるからである。 6:8 彼は、ナジル人としての聖別の期間は、主に聖なるものである。彼の聖別が汚されたので無効になる。
次にイスラエルへの祝福の言葉があります。これは恐らく原語では覚えやすい歌のようになっていたのではないかと思います。日本語ではとてもそのニューアンスは判りませんが。
6:22 ついで主はモーセに告げて仰せられた。 6:23 「アロンとその子らに告げて言え。あなたがたはイスラエル人をこのように祝福して言いなさい。
6:24 『主があなたを祝福し、あなたを守られますように。
6:25 主が御顔をあなたに照らし、あなたを恵まれますように。
6:26 主が御顔をあなたに向け、あなたに平安を与えられますように。』
6:27 彼らがわたしの名でイスラエル人のために祈るなら、わたしは彼らを祝福しよう。」
7章 は再び幕屋の話しになります。5〜6章は挿入されたもののように唐突で話の流れに沿っていません。どうしてこのように書かれたのか判りません。
これらすべての作業が終わり、幕屋が建て終わったときモーセは聖別しました。
7:1 モーセは幕屋を建て終わった日に、これに油をそそいで、聖別した。そのすべての器具と、祭壇およびそのすべての用具もそうした。彼がそれらに、油をそそいで聖別したとき、 7:2 イスラエルの族長たち、すなわち彼らの父祖の家のかしらたち――彼らは部族の長たちで、登録を担当した者――がささげ物をした。
この自発的な捧げものは車と牛でした。これはレビ人の中でゲルション族とメラリ族に与えられました。彼らが幕屋の用具を運ぶためです。しかし、ケハテ族には与えられませんでした。それはケハテ族が運ぶものは最も尊いもので肩で担がなければならなかったからです。この後、十二部族がそれぞれ捧げものをします。
7:13 そのささげ物は、銀の皿一つ、その重さは百三十シェケル。銀の鉢一つ、これは七十シェケルで、聖所のシェケルによる。この二つには穀物のささげ物として、油を混ぜた小麦粉がいっぱい入れてあった。 7:14 また香を満たした十シェケルの金のひしゃく一つ。 7:15 全焼のいけにえとして若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊一頭。 7:16 罪のためのいけにえとして雄やぎ一頭。 7:17 和解のいけにえとして雄牛二頭、雄羊五頭、雄やぎ五頭、一歳の雄の子羊五頭。これがアミナダブの子ナフションのささげ物であった。
これらは毎日、行われました。その総数は次のようなものでした。
7:84 以上が祭壇に油がそそがれる日の、イスラエルの族長たちからの祭壇奉献のささげ物であった。すなわち銀の皿十二、銀の鉢十二、金のひしゃく十二。 7:85 銀の皿はそれぞれ百三十シェケル、鉢はそれぞれ七十シェケル。これらの器の銀は、合わせて、聖所のシェケルで二千四百シェケル。 7:86 香を満たした十二の金のひしゃくは、聖所のシェケルでそれぞれ十シェケル。ひしゃくの金は、合わせて百二十シェケル。 7:87 全焼のいけにえとして家畜は合わせて、雄牛十二頭、雄羊十二頭、一歳の雄の子羊十二頭、それにそれらにつく穀物のささげ物。また罪のためのいけにえとして雄やぎ十二頭。 7:88 和解のいけにえとして家畜は合わせて、雄牛二十四頭、雄羊六十頭、雄やぎ六十頭、一歳の雄の子羊六十頭。これが祭壇に油がそそがれて後の祭壇奉献のためのささげ物であった。
こうしてすべての捧げものが終わったとき、モーセは会見の幕屋に入り神様の声を聞きました。
7:89 モーセは、主と語るために会見の天幕にはいると、あかしの箱の上にある「贖いのふた」の二つのケルビムの間から、彼に語られる御声を聞いた。主は彼に語られた。