ホームページ・メッセージ100214 小 石 泉
レビ記 No. X 贖罪の日と選民の質
16章 贖罪の日
毎年の第7月(太陽暦の9―10月)の10日を「贖罪の日」としました。(レビ23:27)この日人々は聖なる会合を催し、断食し(「身を戒め」と訳出)、いっさいの仕事をやめて完全な安息を守ります。(レビ23:28,民29:7)大祭司は身をきよめ、聖なる装束をつけて、いけにえの牛を携えて聖所に入り、そこで自分と自分の家族と民の贖いのためにいけにえをささげました。
アザゼルの山羊
また、ここに非常に奇妙な祭りがありました。大祭司は二頭の山羊を取り、一頭は捧げます。一方、生きている一頭のやぎを取り、その頭に両手を置き、民のすべてのとがと背きの罪を告白し、それをやぎの頭に置きます、このアザゼルのやぎは民のすべてのとがを背負って荒野へ放たれます。その後,大祭司は,自分のためと民のために脂肪を焼いて贖いをします。イスラエルの荒野にはこういう山羊が毎年放たれました。この山羊は人々の罪を背負って遠い荒野に追放されるのです。こうして民の1年間の罪が赦され、きよめられます。この日のすべての儀式は大祭司イエスによる罪の贖いのわざの予型であり、新約ではキリスト者の救いの完成の時が「贖いの日」と呼ばれています。(エペ4:30)
―以上は新聖書辞典を参考としました。
サタン礼拝者たちは山羊をサタンの象徴とします。これはメンデスの山羊と呼ばれますがアザゼルの山羊との共通性を感じて興味深く思います。
17章 命と血
ここにあるのはすべての動物を殺して食べる場合のことなのか、捧げものの肉のことなのかははっきりしません。しかし、古代でも現代でも放牧民がその動物を屠って食べることはそんなに頻繁にはなかったのです。何か特別なお祝いとか、客人をもてなす場合でしょう。その場合、血を聖所に持ってきて捧げなければなりませんでした。また、肉の一部と脂肪も同様にしました。
特に血に関しては非常に厳重な戒めがありました。
17:11 なぜなら、肉のいのちは血の中にあるからである。わたしはあなたがたのいのちを祭壇の上で贖うために、これをあなたがたに与えた。いのちとして贖いをするのは血である。 17:12 それゆえ、わたしはイスラエル人に言った。『あなたがたはだれも血を食べてはならない。あなたがたの間の在留異国人もまた、だれも血を食べてはならない。』 17:13 イスラエル人や彼らの間の在留異国人のだれかが、食べることのできる獣や鳥を狩りで捕えるなら、その者はその血を注ぎ出し、それを土でおおわなければならない。 17:14 すべての肉のいのちは、その血が、そのいのちそのものである。それゆえ、わたしはイスラエル人に言っている。『あなたがたは、どんな肉の血も食べてはならない。すべての肉のいのちは、その血そのものであるからだ。それを食べる者はだれでも断ち切られなければならない。』
血は命そのものだと言われています。ですから主イエスが十字架の上で流された血は主の命なのです。
18章 は性に関する戒めです
ここは読めば分かるところなので、説明を要しません。
19章 は選民となるための戒めです
ここは考えようによってはもっとも厳しい戒めとなるところです。
19:1 ついで主はモーセに告げて仰せられた。 19:2 「イスラエル人の全会衆に告げて言え。あなたがたの神、主であるわたしが聖であるから、あなたがたも聖なる者とならなければならない。
イスラエル人は聖なる民となることを要求されました。しかし、その歴史はむしろ正反対だったと言えます。それと同様に、クリスチャンも神様の期待にこたえていないのが現実です。人間は罪ある者だということを痛感します。
ここには細かい決まりがありますがその多くは主イエスが語ったことでもあります。
自分の母と父とを恐れなければならない。また、わたしの安息日を守らなければならない。 あなたがたは偶像に心を移してはならない。…また自分たちのために鋳物の神々を造ってはならない。わたしはあなたがたの神、主である。…和解のいけにえの決まり。…あなたがたの土地の収穫を刈り入れるときは、畑の隅々まで刈ってはならない。あなたの収穫の落ち穂を集めてはならない。 またあなたのぶどう畑の実を取り尽くしてはならない。あなたのぶどう畑の落ちた実を集めてはならない。貧しい者と在留異国人のために、それらを残しておかなければならない。わたしはあなたがたの神、主である。…盗んではならない。欺いてはならない。互いに偽ってはならない。… あなたがたは、わたしの名によって、偽って誓ってはならない。あなたの神の御名を汚してはならない。わたしは主である。… あなたの隣人をしいたげてはならない。かすめてはならない。日雇人の賃金を朝まで、あなたのもとにとどめていてはならない。… あなたは耳の聞こえない者を侮ってはならない。目の見えない者の前につまずく物を置いてはならない。あなたの神を恐れなさい。わたしは主である。…不正な裁判をしてはならない。弱い者におもねり、また強い者にへつらってはならない。あなたの隣人を正しくさばかなければならない。… 人々の間を歩き回って、人を中傷してはならない。あなたの隣人の血を流そうとしてはならない。わたしは主である。… 心の中であなたの身内の者を憎んではならない。あなたの隣人をねんごろに戒めなければならない。そうすれば、彼のために罪を負うことはない。… 復讐してはならない。あなたの国の人々を恨んではならない。あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい。わたしは主である。…あなたの家畜を種類の異なった家畜と交わらせてはならない。あなたの畑に二種類の種を蒔いてはならない。また、二種類の糸で織った布地の衣服を身に着けてはならない。… 男が女と寝て交わり、その女が別の男に決まっている女奴隷であって、まだ全然贖われておらず、自由を与えられていないなら、彼らは罰せられる。女が自由の身でないので、彼らは殺されない。… あなたがたが、かの地にはいって、どんな果樹でも植えるとき、その実はまだ割礼のないものとみなさなければならない。三年の間、それはあなたがたにとって割礼のないものとなる。食べてはならない。… 四年目にはその実はすべて聖となり、主への賛美のささげ物となる。五年目には、あなたがたはその実を食べることができる。それはあなたがたの収穫を増すためである。わたしはあなたがたの神、主である。… あなたがたは血のついたままで何も食べてはならない。まじないをしてはならない。卜占をしてはならない。… あなたがたの頭のびんの毛をそり落としてはならない。ひげの両端をそこなってはならない。… あなたがたは死者のため、自分のからだに傷をつけてはならない。また自分の身に入墨をしてはならない。わたしは主である。… あなたの娘を汚して、みだらなことをさせてはならない。この地がみだらになり、この地が破廉恥な行為で満ちることのないために。… あなたがたは、わたしの安息日を守り、わたしの聖所を恐れなければならない。わたしは主である。… あなたがたは霊媒や口寄せに心を移してはならない。彼らを求めて、彼らに汚されてはならない。わたしはあなたがたの神、主である。・・・あなたは白髪の老人の前では起立し、老人を敬い、またあなたの神を恐れなければならない。わたしは主である。…もしあなたがたの国に、あなたといっしょに在留異国人がいるなら、彼をしいたげてはならない。…あなたがたといっしょの在留異国人は、あなたがたにとって、あなたがたの国で生まれたひとりのようにしなければならない。あなたは彼をあなた自身のように愛しなさい。あなたがたもかつてエジプトの地では在留異国人だったからである。わたしはあなたがたの神、主である。… あなたがたはさばきにおいても、ものさしにおいても、はかりにおいても、分量においても、不正をしてはならない。正しいてんびん、正しい重り石、正しいエパ、正しいヒンを使わなければならない。わたしは、あなたがたをエジプトの地から連れ出した、あなたがたの神、主である。あなたがたは、わたしのすべてのおきてとすべての定めを守り、これらを行ないなさい。わたしは主である。」
どれを取っても、今でも通用することばかりです。旧約聖書の神は厳しいと言われますが、ここには、ところどころに神様の優しさがにじみ出ていますね。