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出エジプト記  No. XX 祭司の衣装


28:1 あなたは、イスラエル人の中から、あなたの兄弟アロンとその子、すなわち、アロンとその子のナダブとアビフ、エルアザルとイタマルを、あなたのそばに近づけ、祭司としてわたしに仕えさせよ。 28:2 また、あなたの兄弟アロンのために、栄光と美を表わす聖なる装束を作れ。 28:3 あなたは、わたしが知恵の霊を満たした、心に知恵のある者たちに告げて、彼らにアロンの装束を作らせなければならない。彼を聖別し、わたしのために祭司の務めをさせるためである。 28:4 彼らが作らなければならない装束は次のとおりである。胸当て、エポデ、青服、市松模様の長服、かぶり物、飾り帯。彼らは、あなたの兄弟アロンとその子らに、わたしのために祭司の務めをさせるため、この聖なる装束を作らなければならない。
モーセの兄、アロンが最初の大祭司として選ばれました。アロンとは栄光という意味です。アロンとその子供たちは祭司として仕えるべく選ばれました。モーセの子供たちが選ばれなかったのは、一つには母のチッポラが異邦人ミデアンだったこと。もう一つはあまりにも偉大なモーセの力が子々孫々につながれ、独裁制に走らないためだったのでしょう。この後、モーセの家系がイスラエルの表に出ることはありませんでした。

28:5 それで彼らは、金色や、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに亜麻布を受け取らなければならない。 28:6 彼らに金色や、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに撚り糸で織った亜麻布を用い、巧みなわざでエポデを作らせる。 28:7 これにつける二つの肩当てがあって、その両端に、それぞれつけられなければならない。 28:8 エポデの上に結ぶあや織りの帯は、エポデと同じように、同じ材料、すなわち金色や、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに撚り糸で織った亜麻布で作る。  28:9 二つのしまめのうを取ったなら、その上にイスラエルの子らの名を刻む。 28:10 その六つの名を一つの石に、残りの六つの名をもう一つの石に、生まれた順に刻む。 28:11 印を彫る宝石細工師の細工で、イスラエルの子らの名を、その二つの石に彫り、それぞれを金のわくにはめ込まなければならない。 28:12 その二つの石をイスラエルの子らの記念の石としてエポデの肩当てにつける。アロンは主の前で、彼らの名を両肩に負い、記念とする。28:13 あなたは金のわくを作り、 28:14 また、二つの純金の鎖を作り、これを編んで、撚ったひもとし、この撚った鎖を、先のわくに、取りつけなければならない。

大祭司の衣装は絢爛豪華なものでした。エポデというのは大祭司の胸当てです。エポデの両肩に二つの大きなメノウがはめられそこにイスラエルの12部族の名前が刻まれていました。
28:15 あなたはさばきの胸当てを、巧みな細工で作る。それをエポデの細工と同じように作らなければならない。すなわち、金色や、青色、紫色、緋色の撚り糸、それに撚り糸で織った亜麻布で作らなければならない。 28:16 それは、四角形で、二重にし、長さは一あたり、幅は一あたりとしなければならない。 28:17 その中に、宝石をはめ込み、宝石を四列にする。すなわち、第一列は赤めのう、トパーズ、エメラルド。 28:18 第二列はトルコ玉、サファイヤ、ダイヤモンド。 28:19 第三列はヒヤシンス石、めのう、紫水晶、 28:20 第四列は緑柱石、しまめのう、碧玉。これらを金のわくにはめ込まなければならない。 28:21 この宝石はイスラエルの子らの名によるもので、彼らの名にしたがい十二個でなければならない。十二部族のために、その印の彫り物が一つの名につき一つずつ、なければならない。
“裁きの胸当て”というものも別に作られました。12個の宝石がはめ込まれていました。この宝石はそれぞれイスラエルの12部族のシンボルでした。どれがどれかは分かりません。聖書の中でこれに似た多くの宝石を持ったと記されているのは何と天使長ヘレル(ルシファー)です。
あなたは神の園、エデンにいて、あらゆる宝石があなたをおおっていた。赤めのう、トパーズ、ダイヤモンド、緑柱石、しまめのう、碧玉、サファイヤ、トルコ玉、エメラルド。あなたのタンバリンと笛とは金で作られ、これらはあなたが造られた日に整えられていた。エゼキエル28:13
ヘレルがもっていた宝石は12個ではなく9個でした。3個足りません。大祭司はメシヤと呼ばれました。任職のときに頭から香油を注がれたからです。この“香油を注がれた者”をメシヤと言うのです。このことからも大祭司が主イエスの雛形(Fore Shadow前影)であったと言えます。するとヘレルは御子と3つ宝石が足りないだけだったということが出来ます。それほどヘレルは高い地位にいました。それだからこそ彼は主を憎み、滅ぼそうと諮ったのです。幕屋が建てられると、イスラエルの12部族は東西南北に3部族ずつ宿営しました。そのことからヘレルに足りなかった宝石は、幕屋の正面、入り口の前に宿営した3部族、ユダ、イッサカル、ゼブルンの宝石だったと思われます。

28:22 また編んで撚った純金の鎖を胸当てにつける。 28:23 胸当てに、金の環二個をつけ、その二個の環を胸当ての両端につける。 28:24 この二筋の金のひもを胸当ての両端の二個の環につける。 28:25 その二筋のひもの他の端を、先の二つのわくにつけ、エポデの肩当てに外側に向くようにつけなければならない。 28:26 ほかに二個の金の環を作り、これを胸当ての両端、すなわち、エポデの前に来る胸当ての内側の縁につける。 28:27 ほかに二個の金の環を作り、これをエポデの二つの肩当ての下端の外側に、すなわち、エポデのあや織りの帯の上部の継ぎ目に接した面の上につける。 28:28 胸当ては、青ひもで、その環のところをエポデの環に結びつけ、エポデのあや織りの帯の上にあるようにする。胸当てがエポデからずり落ちないようにしなければならない。 28:29 アロンが聖所にはいるときには、さばきの胸当てにあるイスラエルの子らの名をその胸の上に載せ、絶えず主の前で記念としなければならない。
 実に細かく大祭司の衣装が示されています。エポデと“裁きの胸当て”がどういう関係になっているのかいまいち分かりませんが、イスラエルの12部族の名が重要な意味を持っているようです。これについては次の御言葉を覚えます。
私がこのすべての民をはらんだのでしょうか。それとも、私が彼らを生んだのでしょうか。それなのになぜ、あなたは私に、『うばが乳飲み子を抱きかかえるように、彼らをあなたの胸に抱き、わたしが彼らの先祖たちに誓った地に連れて行け。』と言われるのでしょう。民数記11:12 
これはモーセがイスラエルの不従順に悩んで、神様につぶやいているところですが、神様の御胸そのものとも言えましょう。また、次のような御言葉もあります。
エフライムよ。わたしはどうしてあなたを引き渡すことができようか。イスラエルよ。どうしてあなたを見捨てることができようか。どうしてわたしはあなたをアデマのように引き渡すことができようか。どうしてあなたをツェボイムのようにすることができようか。わたしの心はわたしのうちで沸き返り、わたしはあわれみで胸が熱くなっている。ホセア11:8

 神様の御胸はイスラエルへのあわれみで熱くなっています。それは、今はクリスチャンに向けて語られているのです。大祭司の胸当ては主イエス様の御心です。あなたもあの宝石のように主のみ胸に抱かれて大切に守られているのです。
28:30 さばきの胸当てには、ウリムとトンミムを入れ、アロンが主の前に出るときに、それがアロンの胸の上にあるようにする。アロンは絶えず主の前に、イスラエルの子らのさばきを、その胸の上に載せる。 28:31 エポデの下に着る青服を、青色の撚り糸だけで作る。 28:32 その真中に頭を通す口を作る。その口の周囲には、織物の縁をつけ、よろいのえりのようにし、ほころびないようにしなければならない。 28:33 そのすそに、青色、紫色、緋色の撚り糸で、ざくろを作り、そのすその回りにこれをつけ、その回りのざくろの間に金の鈴をつける。 28:34 すなわち、青服のすその回りに金の鈴、ざくろ、金の鈴、ざくろ、となるようにする。 28:35 アロンはこれを務めを行なうために着る。彼が聖所にはいり、主の前に出るとき、またそこを去るとき、その音が聞こえるようにする。彼が死なないためである。 28:36 また、純金の札を作り、その上に印を彫るように、『主への聖なるもの』と彫り、 28:37 これを青ひもにつけ、それをかぶり物につける。それはかぶり物の前面に来るようにしなければならない。 28:38 これがアロンの額の上にあるなら、アロンは、イスラエル人の聖別する聖なる物、すなわち、彼らのすべての聖なるささげ物に関しての咎を負う。これは、それらの物が主の前に受け入れられるために、絶えずアロンの額の上になければならない。

 “裁きの胸当て”はどうやら袋状になっているようです。そこにウリムとトンミムという特別な宝石を入れました。これがどんなもので何に使われたのは良く分かっていません。ただ、次の御言葉によると、どうも神様の御心を知るためのサイコロのような役目だったようです。一説には日本の勾玉(まがたま)のような形をしていたとも言われます。
彼は祭司エルアザルの前に立ち、エルアザルは彼のために主の前でウリムによるさばきを求めなければならない。ヨシュアと彼とともにいるイスラエルのすべての者、すなわち全会衆は、エルアザルの命令によって出、また、彼の命令によって、はいらなければならない。」民数記27:21 それで、サウルは主に伺ったが、主が夢によっても、ウリムによっても、預言者によっても答えてくださらなかったのでTサムエル28:6 

 次に大祭司と祭司の衣装の説明があります。なんと下着まで指定されています。
28:39 亜麻布で市松模様の長服を作り、亜麻布でかぶり物を作る。飾り帯は刺繍して作らなければならない。 28:40 あなたはアロンの子らのために長服を作り、また彼らのために飾り帯を作り、彼らのために、栄光と美を表わすターバンを作らなければならない。 28:41 これらをあなたの兄弟アロン、および彼とともにいるその子らに着せ、彼らに油をそそぎ、彼らを祭司職に任命し、彼らを聖別して祭司としてわたしに仕えさせよ。 28:42 彼らのために、裸をおおう亜麻布のももひきを作れ。腰からももにまで届くようにしなければならない。 28:43 アロンとその子らは、会見の天幕にはいるとき、あるいは聖所で務めを行なうために祭壇に近づくとき、これを着る。彼らが咎を負って、死ぬことのないためである。これは、彼と彼の後の子孫とのための永遠のおきてである。
 これらの衣装を見るとき、神の前で仕えるという事の重大性が思われます。非常に重要で、清く、深く考えると私など恐れおののいてしまいます。プロテスタントで言う“万民祭司説”はそこまで考えて語られなければなりません。神に直接祈るということと、民衆のために奉仕することとは別のことです。韓国では聖職者に対する尊敬が浸透しています。その点が日本にあのような覚醒が起こらない理由の一つだと思います。ただし、あまりにも聖職者が特権を享受するという弊害もあります。