ホームページ・メッセージ090308 小 石 泉
今、黙示録を学ぶ-\
17:1 それから、七つの鉢を持つ七人の御使のひとりがきて、わたしに語って言った、「さあ、きなさい。多くの水の上にすわっている大淫婦に対するさばきを、見せよう。 17:2 地の王たちはこの女と姦淫を行い、地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている」。 17:3 御使は、わたしを御霊に感じたまま、荒野へ連れて行った。わたしは、そこでひとりの女が赤い獣に乗っているのを見た。その獣は神を汚すかずかずの名でおおわれ、また、それに七つの頭と十の角とがあった。 17:4 この女は紫と赤の衣をまとい、金と宝石と真珠とで身を飾り、憎むべきものと自分の姦淫の汚れとで満ちている金の杯を手に持ち、 17:5 その額には、一つの名がしるされていた。それは奥義であって、「大いなるバビロン、淫婦どもと地の憎むべきものらとの母」というのであった。 17:6 わたしは、この女が聖徒の血とイエスの証人の血に酔いしれているのを見た。この女を見た時、わたしは非常に驚きあやしんだ。
この大淫婦とは何を指すのでしょうか。中世なら、これは間違いなくカトリック教会だと言えたでしょう。宗教改革者たちはそう言っています。姦淫という以上、神とキリストに全く無関係な立場ではありません。裏切りというニューアンスがありますから。また衣装や金の杯などもそのまま当てはまります。さらに異端審問などで多くの真実なクリスチャンが殺されました。しかし、現在、これをダイレクトにカトリック教会と言う事には疑問が残ります。
この淫婦が獣に乗っており、その獣が反キリストの特徴を現しているのを見ると、今後生まれてくる、キリスト教会の形態を表しているように思います。今、世界で提唱されているエキュメニカル運動(教会統一運動)などはその有力な候補でしょう。それは堕落しサタンに貞操を与えた宗教組織でしょう。しかし、さらに極端に思考を重ねると、信仰の盛んだった国家とも考えられます。
17:7 すると、御使はわたしに言った、「なぜそんなに驚くのか。この女の奥義と、女を乗せている七つの頭と十の角のある獣の奥義とを、話してあげよう。 17:8 あなたの見た獣は、昔はいたが、今はおらず、そして、やがて底知れぬ所から上ってきて、ついには滅びに至るものである。地に住む者のうち、世の初めからいのちの書に名をしるされていない者たちは、この獣が、昔はいたが今はおらず、やがて来るのを見て、驚きあやしむであろう。 17:9 ここに、知恵のある心が必要である。七つの頭は、この女のすわっている七つの山であり、また、七人の王のことである。 17:10 そのうちの五人はすでに倒れ、ひとりは今おり、もうひとりは、まだきていない。それが来れば、しばらくの間だけおることになっている。 17:11 昔はいたが今はいないという獣は、すなわち第八のものであるが、またそれは、かの七人の中のひとりであって、ついには滅びに至るものである。
この獣は「昔はいたが、今はおらず」という特徴を持っています。ヨハネが言う「今」が何時なのか分かりませんが、七つの山という言葉はローマを表している言葉です。ローマは“七つの丘の町”と言われました。しかし、ここに現れる数字を一つ一つ歴史や現在の事象に当てはめることは出来ません。預言は多くの場合、実際に起こってから、そうだったのかと分かる場合が多いのです。ただ、第八のものというのは反キリストを指すのだろうと思います。
17:12 あなたの見た十の角は、十人の王のことであって、彼らはまだ国を受けてはいないが、獣と共に、一時だけ王としての権威を受ける。 17:13 彼らは心をひとつにしている。そして、自分たちの力と権威とを獣に与える。 17:14 彼らは小羊に戦いをいどんでくるが、小羊は、主の主、王の王であるから、彼らにうち勝つ。また、小羊と共にいる召された、選ばれた、忠実な者たちも、勝利を得る」。 17:15 御使はまた、わたしに言った、「あなたの見た水、すなわち、淫婦のすわっている所は、あらゆる民族、群衆、国民、国語である。 17:16 あなたの見た十の角と獣とは、この淫婦を憎み、みじめな者にし、裸にし、彼女の肉を食い、火で焼き尽すであろう。 17:17 神は、御言が成就する時まで、彼らの心の中に、御旨を行い、思いをひとつにし、彼らの支配権を獣に与える思いを持つようにされたからである。 17:18 あなたの見たかの女は、地の王たちを支配する大いなる都のことである」。
この十人の王についても、あれこれ当てはめることは難しいのですが、終末の時代に結束する国家群とも考えられます。EU(ヨーロッパ連合)の議席の666番目は現在空席になっています。なんだか獣を待っているかのようです。
ここで淫婦に驚くべき運命が待っています。それは、ここまで共に助け合って来たはずの政治的組織(獣)が、堕落しサタンに協力した宗教組織(または信仰的な国家=後から都と出てくる)を破滅させることです。
18:1 この後、わたしは、もうひとりの御使が、大いなる権威を持って、天から降りて来るのを見た。地は彼の栄光によって明るくされた。 18:2 彼は力強い声で叫んで言った、「倒れた、大いなるバビロンは倒れた。そして、それは悪魔の住む所、あらゆる汚れた霊の巣くつ、また、あらゆる汚れた憎むべき鳥の巣くつとなった。 18:3 すべての国民は、彼女の姦淫に対する激しい怒りのぶどう酒を飲み、地の王たちは彼女と姦淫を行い、地上の商人たちは、彼女の極度のぜいたくによって富を得たからである」。 18:4 わたしはまた、もうひとつの声が天から出るのを聞いた、「わたしの民よ。彼女から離れ去って、その罪にあずからないようにし、その災害に巻き込まれないようにせよ。
18:5 彼女の罪は積り積って天に達しており、神はその不義の行いを覚えておられる。 18:6 彼女がしたとおりに彼女にし返し、そのしわざに応じて二倍に報復をし、彼女が混ぜて入れた杯の中に、その倍の量を、入れてやれ。 18:7 彼女が自ら高ぶり、ぜいたくをほしいままにしたので、それに対して、同じほどの苦しみと悲しみとを味わわせてやれ。彼女は心の中で『わたしは女王の位についている者であって、やもめではないのだから、悲しみを知らない』と言っている。 18:8 それゆえ、さまざまの災害が、死と悲しみとききんとが、一日のうちに彼女を襲い、そして、彼女は火で焼かれてしまう。彼女をさばく主なる神は、力強いかたなのである。 18:9 彼女と姦淫を行い、ぜいたくをほしいままにしていた地の王たちは、彼女が焼かれる火の煙を見て、彼女のために胸を打って泣き悲しみ、 18:10 彼女の苦しみに恐れをいだき、遠くに立って言うであろう、『ああ、わざわいだ、大いなる都、不落の都、バビロンは、わざわいだ。おまえに対するさばきは、一瞬にしてきた』。 18:11 また、地の商人たちも彼女のために泣き悲しむ。もはや、彼らの商品を買う者が、ひとりもないからである。 18:12 その商品は、金、銀、宝石、真珠、麻布、紫布、絹、緋布、各種の香木、各種の象牙細工、高価な木材、銅、鉄、大理石などの器、 18:13 肉桂、香料、香、におい油、乳香、ぶどう酒、オリブ油、麦粉、麦、牛、羊、馬、車、奴隷、そして人身などである。 18:14 おまえの心の喜びであったくだものはなくなり、あらゆるはでな、はなやかな物はおまえから消え去った。それらのものはもはや見られない。 18:15 これらの品々を売って、彼女から富を得た商人は、彼女の苦しみに恐れをいだいて遠くに立ち、泣き悲しんで言う、 18:16 『ああ、わざわいだ、麻布と紫布と緋布をまとい、金や宝石や真珠で身を飾っていた大いなる都は、わざわいだ。 18:17 これほどの富が、一瞬にして無に帰してしまうとは』。また、すべての船長、航海者、水夫、すべて海で働いている人たちは、遠くに立ち、 18:18 彼女が焼かれる火の煙を見て、叫んで言う、『これほどの大いなる都は、どこにあろう』。 18:19 彼らは頭にちりをかぶり、泣き悲しんで叫ぶ、『ああ、わざわいだ、この大いなる都は、わざわいだ。そのおごりによって、海に舟を持つすべての人が富を得ていたのに、この都も一瞬にして無に帰してしまった』。 18:20 天よ、聖徒たちよ、使徒たちよ、預言者たちよ。この都について大いに喜べ。神は、あなたがたのために、この都をさばかれたのである」。 18:21 すると、ひとりの力強い御使が、大きなひきうすのような石を持ちあげ、それを海に投げ込んで言った、「大いなる都バビロンは、このように激しく打ち倒され、そして、全く姿を消してしまう。 18:22 また、おまえの中では、立琴をひく者、歌を歌う者、笛を吹く者、ラッパを吹き鳴らす者の楽の音は全く聞かれず、あらゆる仕事の職人たちも全く姿を消し、また、ひきうすの音も、全く聞かれない。 18:23 また、おまえの中では、あかりもともされず、花婿、花嫁の声も聞かれない。というのは、おまえの商人たちは地上で勢力を張る者となり、すべての国民はおまえのまじないでだまされ、 18:24 また、預言者や聖徒の血、さらに、地上で殺されたすべての者の血が、この都で流されたからである」。
この長い一連の文章は、ここに言うバビロンがかなり具体的なものであることを示しています。高ぶり、ぜいたく、売買する物品、そして不思議なことは、この都の滅亡を嘆くのが“海に関係する人々”だと言うことです。ですからこの組織または国家は海洋国家または海に関係した組織です。
さらにこの都では「立琴をひく者、歌を歌う者、笛を吹く者、ラッパを吹き鳴らす者」などエンターテイメントが盛んです。また商売が盛んです。つまり世界的に最も経済活動が活発で、世界中の物を買ったり、売ったりしています。この国か組織は世界中と貿易を行い、世界の経済の中心です。
こうしてみると、何だかアメリカにそっくりです。ただ、決定的なことは「預言者や聖徒の血、さらに、地上で殺されたすべての者の血が、この都で流されたからである」とあることで、これは当てはまりません。結局、「地上で殺されたすべての者の血が、この都で流された」という最後の言葉を見ると、霊的な世界のことなのかとも思います。
正直に言って、お手上げです。