ホームページ・メッセージ090201            小 石  泉

今、黙示録を学ぶ-W


8:1 小羊が第七の封印を解いた時、半時間ばかり天に静けさがあった。 8:2 それからわたしは、神のみまえに立っている七人の御使を見た。そして、七つのラッパが彼らに与えられた。 8:3 また、別の御使が出てきて、金の香炉を手に持って祭壇の前に立った。たくさんの香が彼に与えられていたが、これは、すべての聖徒の祈に加えて、御座の前の金の祭壇の上にささげるためのものであった。 8:4 香の煙は、御使の手から、聖徒たちの祈と共に神のみまえに立ちのぼった。 8:5 御使はその香炉をとり、これに祭壇の火を満たして、地に投げつけた。すると、多くの雷鳴と、もろもろの声と、いなずまと、地震とが起った。 8:6 そこで、七つのラッパを持っている七人の御使が、それを吹く用意をした。

 いよいよ、最後の封印が解かれようとしています。その前に、しばらくの静けさ、インターバルがあるというのは興味深いことです。歴史が動くとき、少しだけ平和で穏やかなときがあるのかも知れません。ここでは特に熱心な祈りと敬虔な思いが神に捧げられます。それはこれから起こる事態が激しく深刻なものだからです。ここでラッパと言うのは山羊の角笛のことです。戦いや合図に使われました。金属のものもありました。

8:7 第一の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、血のまじった雹と火とがあらわれて、地上に降ってきた。そして、地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、また、すべての青草も焼けてしまった。

 もしこれが地球的な規模の話なら、これは自然の旱魃などではなく、核戦争以外は考えられないでしょう。地上の三分の一が焼けてしまうのですから。血の混じった雹と火とは不思議な表現です。聖書は赤い液体を血と表現します。(モーセが「ナイル川を血に変えた」と言うような表現)これは広範な戦争かもしれません。第三次世界大戦でしょうか。気をつけたいのは、これがハルマゲドンではないと言うことです。

8:8 第二の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、火の燃えさかっている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして、海の三分の一は血となり、 8:9 海の中の造られた生き物の三分の一は死に、舟の三分の一がこわされてしまった。

 この箇所はアメリカのビキニ環礁での核実験を見た人はすぐに分かるでしょう。まるでヨハネは2000年前に、それを見たように書いています。もちろん、これは核実験のことではなく、実際の核戦争の光景でしょう。海、生物、船の三分の一が破壊されるとは恐ろしい災害です。しかし、今、人類はそうする能力を持っています。海の中というのは、今、最も危険な兵器である原子力潜水艦同士の戦いでしょう。

8:10 第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。 8:11 この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。

 1986年の3月ごろ私は教会の聖書研究会でこの箇所を学んでいました。そして、この「苦よもぎ」は放射能のことに違いないと言いました。その後、4月26日にウクライナ共和国にあるチェルノブイリ原子力発電所(原発)の4号炉で、大きな爆発事故が起こりました。この原発事故により、原子炉内にあった大量の放射能が大気中へ放出されました。放射能は風にのり、世界各地に広がりました。チェルノブイリから約8,000キロ離れたここ日本でも、野菜・水・母乳などから放射能が検出されました。
 そして今は亡き小泉兄弟が私に、「先生、チェルノブイリって苦よもぎのことだそうですよ」と言ったときには飛び上がるほどびっくりしました。もっとも、この箇所はチェルノブイリの事故のことではありません。もっと巨大で広範な放射能汚染のことです。明らかにここは核戦争の情景を語っているのです。神様はチェルノブイリというロシア語を通して、この箇所の説明をしてくださったように思えてなりませんでした。

8:12 第四の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、太陽の三分の一と、月の三分の一と、星の三分の一とが打たれて、これらのものの三分の一は暗くなり、昼の三分の一は明るくなくなり、夜も同じようになった。 8:13 また、わたしが見ていると、一羽のわしが中空を飛び、大きな声でこう言うのを聞いた、「ああ、わざわいだ、わざわいだ、地に住む人々は、わざわいだ。なお三人の御使がラッパを吹き鳴らそうとしている」。

 沢山の核爆発によって、巻き上げられた粉塵が空を覆い、世界の大気圏の三分の一が汚染されたのです。世界の人々は恐怖におののくでしょう。本当に驚くほど正確な核戦争の描写ではありませんか。しかし、それはまだ終わりの始まりに過ぎません。
 中空を飛ぶ鷲とはテレビ、ラジオの電波を表すのでしょうか。このような災害の中でも大胆に神の代弁をする人々がいるのでしょうか。

9:1 第五の御使が、ラッパを吹き鳴らした。するとわたしは、一つの星が天から地に落ちて来るのを見た。この星に、底知れぬ所の穴を開くかぎが与えられた。 9:2 そして、この底知れぬ所の穴が開かれた。すると、その穴から煙が大きな炉の煙のように立ちのぼり、その穴の煙で、太陽も空気も暗くなった。 9:3 その煙の中から、いなごが地上に出てきたが、地のさそりが持っているような力が、彼らに与えられた。 9:4 彼らは、地の草やすべての青草、またすべての木をそこなってはならないが、額に神の印がない人たちには害を加えてもよいと、言い渡された。 9:5 彼らは、人間を殺すことはしないで、五か月のあいだ苦しめることだけが許された。彼らの与える苦痛は、人がさそりにさされる時のような苦痛であった。 9:6 その時には、人々は死を求めても与えられず、死にたいと願っても、死は逃げて行くのである。
9:7 これらのいなごは、出陣の用意のととのえられた馬によく似ており、その頭には金の冠のようなものをつけ、その顔は人間の顔のようであり、 9:8 また、そのかみの毛は女のかみのようであり、その歯はししの歯のようであった。 9:9 また、鉄の胸当のような胸当をつけており、その羽の音は、馬に引かれて戦場に急ぐ多くの戦車の響きのようであった。 9:10 その上、さそりのような尾と針とを持っている。その尾には、五か月のあいだ人間をそこなう力がある。 9:11 彼らは、底知れぬ所の使を王にいただいており、その名をヘブル語でアバドンと言い、ギリシヤ語ではアポルオンと言う。 9:12 第一のわざわいは、過ぎ去った。見よ、この後、なお二つのわざわいが来る。


 この災いが難しいのです。どう考えても思いつかない不思議な災いです。大きな星、底知れぬ穴、いなご、さそりのような力、木や草を傷めないで、神の印のない人だけを五ヶ月間だけ苦しめる、死を求めても与えられない。さらに、馬に似たいなご、金の冠を被り、人間のような顔をして、女の髪の毛のような髪の毛を持ち、ししのような歯、鉄の胸当て、羽の音は戦車のよう。彼らにはアバドン(アポルオン)と言う王がいる。さあ、分かりません。オカルトでは高位の堕落天使のこととされています。
 「死を求めても与えられない」と言う表現で思い出されるのは、最近の延命治療です。体の至る所にパイプを差し込まれて、無理やり生かされていることが似ているようにも思いますが、ここに現れるいなごはそんなものとは違うようです。なんとも不思議な災害です。ヨハネははっきりと目で見ているので、霊的または放射線のような目に見えない災害ではないようです。そして、なぜかこの災害を第一の災害と呼んでいます。これまでの6つの封印を含めた世界的な核戦争を意味しているのかもしれません。

9:13 第六の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、一つの声が、神のみまえにある金の祭壇の四つの角から出て、 9:14 ラッパを持っている第六の御使にこう呼びかけるのを、わたしは聞いた。「大ユウフラテ川のほとりにつながれている四人の御使を、解いてやれ」。 9:15 すると、その時、その日、その月、その年に備えておかれた四人の御使が、人間の三分の一を殺すために、解き放たれた。 9:16 騎兵隊の数は二億であった。わたしはその数を聞いた。 9:17 そして、まぼろしの中で、それらの馬とそれに乗っている者たちとを見ると、乗っている者たちは、火の色と青玉色と硫黄の色の胸当をつけていた。そして、それらの馬の頭はししの頭のようであって、その口から火と煙と硫黄とが、出ていた。 9:18 この三つの災害、すなわち、彼らの口から出て来る火と煙と硫黄とによって、人間の三分の一は殺されてしまった。 9:19 馬の力はその口と尾とにある。その尾はへびに似ていて、それに頭があり、その頭で人に害を加えるのである。 9:20 これらの災害で殺されずに残った人々は、自分の手で造ったものについて、悔い改めようとせず、また悪霊のたぐいや、金・銀・銅・石・木で造られ、見ることも聞くことも歩くこともできない偶像を礼拝して、やめようともしなかった。 9:21 また、彼らは、その犯した殺人や、まじないや、不品行や、盗みを悔い改めようとしなかった。

 6番目のラッパの出来事はユーフラテス川の近くで起こります。ユーフラテス川はイラクにあります。しかし、中東全体を意味するのかもしれません。イラクは、現在はアメリカの支配下にありますが、大きな不安定要素となっています。
 四人の御使は神に従う天使なのか、反逆の天使なのか難しいところですが、「解いてやれ」と言う言葉から、反逆の天使が神様の目的の為に使われるのかもしれません。4と言う数字は地球または広がりを表す場合に用いられますので、4大陸(アジア、南北アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ)からの軍隊、すなわち全世界の軍事力を指揮するのかもしれません。そして、この箇所はこの後の16章の記事と重複すると思われます。

16:12 第六の者が、その鉢を大ユウフラテ川に傾けた。すると、その水は、日の出る方から来る王たちに対し道を備えるために、かれてしまった。 16:13 また見ると、龍の口から、獣の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てきた。 16:14 これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった。 16:15 (見よ、わたしは盗人のように来る。裸のままで歩かないように、また、裸の恥を見られないように、目をさまし着物を身に着けている者は、さいわいである。) 16:16 三つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した。

 ここに、日の出る方とあるのは明らかにアジアです。そして中国は数年前に自分たちが二億の軍隊を派遣できると言っています。こうして中国軍を中心とする世界連合軍がイスラエルのハルマゲドン、エスドラエロン平原に集結します。ここからハルマゲドン=第三次世界大戦という図式が一般に語られています。しかし、エスドラエロン平原はたかだか関東平野ほどもない狭い地域です。そんなところに世界中の軍隊が集まって戦うはずがありません。ですから「それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった」と言う言葉に注意してください。ここから私はハルマゲドンの戦いは人間同士ではなく再臨する主イエスを迎え撃つための戦いではないかと思っています。しかし、ここは第七の封印の中の出来事で、世界人類の三分の一が殺される大戦と同じ時間に起こるとも思えず、(その後に反キリストが出てくるので)私の中でも一番解釈が難しいと思っているところです。いずれにしても主イエスの来臨にいつでも備えていたいものです。