ホームページ・メッセージ090118 小 石 泉
今、黙示録を学ぶ-U
5:1 わたしはまた、御座にいますかたの右の手に、巻物があるのを見た。その内側にも外側にも字が書いてあって、七つの封印で封じてあった。 5:2 また、ひとりの強い御使が、大声で、「その巻物を開き、封印をとくのにふさわしい者は、だれか」と呼ばわっているのを見た。 5:3 しかし、天にも地にも地の下にも、この巻物を開いて、それを見ることのできる者は、ひとりもいなかった。5:4 巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当らないので、わたしは激しく泣いていた。
この場合の御座にいます方は、父なる神です。神の右の手には巻物がありました。それには神の全智全能の御手にある世界の未来が書かれていました。しかし、天使にも人間にもそれを開くのにふさわしい者はいませんでした。人間の超能力者や占い師の遠く及ばない予知です。そしてここでいつも不思議に思うのは、天、地、地下の者たちとあることです。地下の者とは誰を指すのでしょうか。死んだ人でしょうか。これは私たちには知らされていないことなのでしょう。
ヨハネは激しく泣いていたと言っています。彼はまだ若い青年でした。主の御胸近くにいたあのヨハネを髣髴とさせます。
5:5 すると、長老のひとりがわたしに言った、「泣くな。見よ、ユダ族のしし、ダビデの若枝であるかたが、勝利を得たので、その巻物を開き七つの封印を解くことができる」。 5:6 わたしはまた、御座と四つの生き物との間、長老たちの間に、ほふられたとみえる小羊が立っているのを見た。それに七つの角と七つの目とがあった。これらの目は、全世界につかわされた、神の七つの霊である。
5:7 小羊は進み出て、御座にいますかたの右の手から、巻物を受けとった。
長老の一人が言った言葉「ユダのしし、ダビデの若枝」とはメシヤ、すなわちキリストのことです。ユダ族の旗印は獅子でした。またダビデの若枝とは、イザヤの預言にある、
エッサイの株から一つの芽が出、その根から一つの若枝が生えて実を結び、イザヤ11:1
と言う言葉から、メシヤの予言とされてきました。若枝とはヘブル語でナザレです。イエス様の育った町の名前です。
5:8 巻物を受けとった時、四つの生き物と二十四人の長老とは、おのおの、立琴と、香の満ちている金の鉢とを手に持って、小羊の前にひれ伏した。この香は聖徒の祈である。
セラフィムと人間の代表者とは神に賛美と香を捧げます。祈りは香だとあります。私たちはとかく「ああしてください、こうしてください」という要求が祈りだと思っていますが、昔、貴族たちが香をたいて友人や高貴な人を迎えたように、神を迎える清く貴い祈りもあるべきでしょう。
5:9 彼らは新しい歌を歌って言った、「あなたこそは、その巻物を受けとり、封印を解くにふさわしいかたであります。あなたはほふられ、その血によって、神のために、あらゆる部族、国語、民族、国民の中から人々をあがない、 5:10 わたしたちの神のために、彼らを御国の民とし、祭司となさいました。彼らは地上を支配するに至るでしょう」。
香の他に、彼らは新しい賛美歌を歌いました。
新しい歌を主にむかって歌い、喜びの声をあげて巧みに琴をかきならせ。詩篇33:3
とあります。いつも新しい賛美を歌うことは聖書が推奨していることです。
5:11 さらに見ていると、御座と生き物と長老たちとのまわりに、多くの御使たちの声が上がるのを聞いた。その数は万の幾万倍、千の幾千倍もあって 5:12 大声で叫んでいた、「ほふられた小羊こそは、力と、富と、知恵と、勢いと、ほまれと、栄光と、さんびとを受けるにふさわしい」。 5:13 またわたしは、天と地、地の下と海の中にあるすべての造られたもの、そして、それらの中にあるすべてのものの言う声を聞いた、「御座にいますかたと小羊とに、さんびと、ほまれと、栄光と、権力とが、世々限りなくあるように」。 5:14 四つの生き物はアァメンと唱え、長老たちはひれ伏して礼拝した。
ここにはセラフィムと長老たちのほかに無数の天使の軍団がいました。万軍の天使たちが共に賛美を歌っていたのです。やがて、時が来れば、ここに数千、数万、いや数千億人の聖徒たちが加わるでしょう。
彼らは力の限り神と小羊を賛美しました。いつも不思議に思うのは、日本語の聖書は子羊ではなく、小羊と訳していることです。英語ではLambで、大人でない羊を指しています。子羊ではいけないのでしょうかね。何かわけがあるのでしょうか。
さて、いよいよ巻物が開かれます。その前に注意しておきたいことは、これから始まる預言は、七つの封印と、七つのラッパと、七つの鉢が語られますが、封印の七番目が七つのラッパ、ラッパの七番目が七つの鉢という構成になっていることです。つまり、七つの封印が全てなのです。ラッパと鉢は七番目の封印の詳細です。
6:1 小羊がその七つの封印の一つを解いた時、わたしが見ていると、四つの生き物の一つが、雷のような声で「きたれ」と呼ぶのを聞いた。 6:2 そして見ていると、見よ、白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、弓を手に持っており、また冠を与えられて、勝利の上にもなお勝利を得ようとして出かけた。6:3 小羊が第二の封印を解いた時、第二の生き物が「きたれ」と言うのを、わたしは聞いた。 6:4 すると今度は、赤い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、人々が互に殺し合うようになるために、地上から平和を奪い取ることを許され、また、大きなつるぎを与えられた。
最初の封印が解かれると白い馬が出てきました。この馬の騎手は弓を持っており、冠を与えられていたとあります。そのことからこの馬と騎手は航空機を中心とする軍事力を持つ勢力と考えられます。弓とありますが矢が書かれていないので、実際には使われることの無い大陸間弾道ミサイルのことかも知れない。ということから冷戦時代のアメリカを中心とする西側陣営のことかとも考えたことがあります。「勝利の上にもなお勝利を得ようとして出かけた」とありますが、その後のアメリカを見ていると、やらなくてもいい戦争をあちこちで引き起こしています。もちろん西側陣営と確定することは出来ませんが。
また、赤い馬はまさに当時のソビエトを中心とする東側陣営ということになります。共産主義によってどれほどの人々が殺されたか、リチャード・ウォンブランド師の「マルクスとサタン」を読むと冷や汗が出るほど多くの人が殺されました。平和は奪い去られ、人々は殺し合いました。それも野蛮で残酷な方法でした。大きなつるぎそのものです。
6:5 また、第三の封印を解いた時、第三の生き物が「きたれ」と言うのを、わたしは聞いた。そこで見ていると、見よ、黒い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、はかりを手に持っていた。 6:6 すると、わたしは四つの生き物の間から出て来ると思われる声が、こう言うのを聞いた、「小麦一ますは一デナリ。大麦三ますも一デナリ。オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな」。
そのころ、アフリカの諸国は内戦とテロによって荒廃し、飢饉によって多くの人々が死にました。一デナリは一日の労働賃金ですから日本なら約一万円ぐらいです。小麦一枡が一万円とはずいぶん高額です。穀物の高騰を言っています。オリブ油とぶどう酒は損なうなとあるのは、一方で贅沢品は豊富にあったという意味ともとれます。アンバランスな経済状態。実は当時、アフリカから多くの穀物が輸出されていたという報道もあり、意図的な飢饉であったとも言われています。
6:7 小羊が第四の封印を解いた時、第四の生き物が「きたれ」と言う声を、わたしは聞いた。 6:8 そこで見ていると、見よ、青白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者の名は「死」と言い、それに黄泉が従っていた。彼らには、地の四分の一を支配する権威、および、つるぎと、ききんと、死と、地の獣らとによって人を殺す権威とが、与えられた。
この馬の色は正確には黄緑色だということです。軍隊の制服の色です。そして騎手には名前があり「死」と呼ばれています。この時代、アジアでは多くの人が死にました。中国の文化大革命では2000万人が死んだといわれています。ベトナムではアメリカの無差別な攻撃によって多くの人が死に。カンボジアではポルポト政権によって国民の三分の一が殺されたと言います。ただ、地の獣と言うのが分かりません。KJVでは beast of the earth とあり、猛獣のことだと思いますが、今時、猛獣で何万と言う人が殺されると言うのも分かりません。何か別のことかも知れません。
この四つの封印を一応、このように考えることは出来ますが、あくまで一つの推察です。
6:9 小羊が第五の封印を解いた時、神の言のゆえに、また、そのあかしを立てたために、殺された人々の霊魂が、祭壇の下にいるのを、わたしは見た。 6:10 彼らは大声で叫んで言った、「聖なる、まことなる主よ。いつまであなたは、さばくことをなさらず、また地に住む者に対して、わたしたちの血の報復をなさらないのですか」。 6:11 すると、彼らのひとりびとりに白い衣が与えられ、それから、「彼らと同じく殺されようとする僕仲間や兄弟たちの数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいるように」と言い渡された。
共産主義はキリスト教を第一の敵としました。どれほど多くの聖徒たちが信仰のゆえに殺されたことでしょうか。マルクスたちはサタン礼拝者でした。今は、一応治まっていますが、間もなく、もう一度共産主義が、意外なところで荒れ狂うときが来るでしょう。しかし、キリストのゆえに死ぬことは名誉なことなのです。
またわたしは、天からの声がこう言うのを聞いた、「書きしるせ、『今から後、主にあって死ぬ死人はさいわいである』」。御霊も言う、「しかり、彼らはその労苦を解かれて休み、そのわざは彼らについていく」。14:13
6:12 小羊が第六の封印を解いた時、わたしが見ていると、大地震が起って、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、 6:13 天の星は、いちじくのまだ青い実が大風に揺られて振り落されるように、地に落ちた。 6:14 天は巻物が巻かれるように消えていき、すべての山と島とはその場所から移されてしまった。 6:15 地の王たち、高官、千卒長、富める者、勇者、奴隷、自由人らはみな、ほら穴や山の岩かげに、身をかくした。 6:16 そして、山と岩とにむかって言った、「さあ、われわれをおおって、御座にいますかたの御顔と小羊の怒りとから、かくまってくれ。 6:17 御怒りの大いなる日が、すでにきたのだ。だれが、その前に立つことができようか」。
今、太陽が異常な状態にあるということです。昨年は始めて黒点がなくなりました。また、地球の周りには数千個の小天体があって、そのうちの数パーセントは何時落ちてきても不思議ではないそうです。アメリカのロッキー山脈には巨大な核シェルターのトンネルがあって、核戦争のときに大統領を初め、閣僚や議員が隠れることになっています。彼らが「さあ、われわれをおおって、御座にいますかたの御顔と小羊の怒りとから、かくまってくれ。 御怒りの大いなる日が、すでにきたのだ。だれが、その前に立つことができようか」という信仰的な声を上げるでしょうか。ただ、これらの災害は人的なものではなく、自然的なもののようです。その前に、「かつてなく、今後もないような」人的災害が起こるだろうと私は推察しています。