ホームページ・メッセージ080831 小 石 泉
オリンピックと聖書
北京オリンピックも無事終わりました。人々はしばらくの興奮が静まり、また次の興奮を求めてさまようのでしょう。ところで聖書の中にオリンピックが書かれていることをご存知でしょうか。
あなたがたは知らないのか。競技場で走る者は、みな走りはするが、賞を得る者はひとりだけである。あなたがたも、賞を得るように走りなさい。しかし、すべて競技をする者は、何ごとにも節制をする。彼らは朽ちる冠を得るためにそうするが、わたしたちは朽ちない冠を得るためにそうするのである。Tコリント9:24〜25
これは古代オリンピックのことを言っているのです。朽ちる冠とは、当時、勝者に与えられたオリーブの冠を指しています。それは生のオリーブの枝で作ったもので2,3日すると枯れてしまいました。勝者の報酬はこのオリーブの枝だけだったと言います。名誉だけと言うわけですが、次第に町や国からの報酬が与えられるようになりました。当時のオリンピックは全裸で行われ、観衆は男性だけでした。それでユダヤ人は割礼の為にすぐに分かって、からかわれたということです。
ところで古代オリンピックはゼウスの神に奉納される祭事でした。近代オリンピックでも聖火の採火式がアテネにあるゼウスの后ヘラの神殿跡で行われるのはそのためです。
ところでゼウスについて主イエスは次のように言っています。
ペルガモにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。『鋭いもろ刃のつるぎを持っているかたが、次のように言われる。わたしはあなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの座がある。あなたは、わたしの名を堅く持ちつづけ、わたしの忠実な証人アンテパスがサタンの住んでいるあなたがたの所で殺された時でさえ、わたしに対する信仰を捨てなかった。黙示録2:12〜13
当時、ペルガモには世界最大級のゼウスの神殿がありました。このゼウスの神殿を主は「サタンの座」と言っておられるのです。オリンピックはサタンに捧げられたものだったのです。
ところでこのペルガモの神殿の祭壇は長さ4,2m、幅4m、高さが1,3mもある巨大なものでした。この祭壇をナチスドイツのヒトラーは発掘し、ベルリンに移送しました。その後、ソヴィエト軍のベルリン侵攻の時、それはソヴィエトに送られましたが、その後どこにあるか分からないと言うことです。現在もロシアのどこかにあるはずです。
さて、オリンピックで金メダルを取ることは大変なことです。そのためには長年にわたるたゆまぬ努力が必要でしょう。そして、金、銀、銅メダルを取ったアスリートたち、さらにメダルを取れなかったアスリートたちにそれほどの差はないでしょう。そうすると次ぎに起こってくるのは“ねたみ”です。典型的な例は1992年バルセロナオリンピックで金メダルを取った岩崎恭子さんでしょう。わずか14歳で最高位を取った彼女に対する嫉妬は非常なものだったと言います。おかげで彼女はすっかり平静を失ったことがあったようです。
また、わたしはすべての労苦と、すべての巧みなわざを見たが、これは人が互にねたみあってなすものである。これもまた空であって、風を捕えるようである。伝道の書4:4
実も蓋もない、言い方ですが、これは一面の真理でしょう。スポーツの世界だけでなく、あらゆる分野でこれは真実です。
また、もう一つの側面があります。それは最高を極めた者が陥る虚脱感です。アレキサンダー大王はインドまで侵攻して、これ以上占領する国はないと聞いたとき、泣いたと言われています。また太閤秀吉も、日本中を征服して、その後何もすることがなくなったとき、よせばいいのに朝鮮出兵をして失敗しました。ソロモンはこう言っています。
ダビデの子、エルサレムの王である伝道者の言葉。伝道者は言う、空の空、空の空、いっさいは空である。伝道の書1:1〜:2
当時の世界で最高の富と力を手に入れ、あらゆる贅沢をしたソロモンの晩年の告白は「空しい」でした。
わたしはまた、身をめぐらして、知恵と、狂気と、愚痴とを見た。そもそも、王の後に来る人は何をなし得ようか。すでに彼がなした事にすぎないのだ。2:12
私以上に何かできる者がいるか? 私は全部やってみた。そして、彼の結論は質素で平凡な生活こそ最高の幸せだということです。
片手に物を満たして平穏であるのは、両手に物を満たして労苦し、風を捕えるのにまさる。わたしはまた、日の下に空なる事のあるのを見た。ここに人がある。ひとりであって、仲間もなく、子もなく、兄弟もない。それでも彼の労苦は窮まりなく、その目は富に飽くことがない。また彼は言わない、「わたしはだれのために労するのか、どうして自分を楽しませないのか」と。これもまた空であって、苦しいわざである。4:6〜8
最近、トヨタが減益になったと大騒ぎしています。今までどれほど稼いだのかは忘れてしまったようです。日本は世界でも最高に豊かな国です。あるアメリカ帰りの女性が「公衆便所にトイレットペーパーがある!」と驚いていました。世界のほとんどの国では置いても持ち去られてしまいます。日本は豊かなのです。それなのに、まるでもう終わりだと言うような悲観的なムードです。
オリンピックでもバドミントンの韓国との対決で、折角、勝っていたのに、韓国選手の激しい審判への抗議のあとでずるずると負けてしまいました。日本全体に心の弱さを感じます。お金はあっても心は世界でも最低のレベルです。
金銭を好む者は金銭をもって満足しない。富を好む者は富を得て満足しない。これもまた空である。財産が増せば、これを食う者も増す。その持ち主は目にそれを見るだけで、なんの益があるか。働く者は食べることが少なくても多くても、快く眠る。しかし飽き足りるほどの富は、彼に眠ることをゆるさない。わたしは日の下に悲しむべき悪のあるのを見た。すなわち、富はこれをたくわえるその持ち主に害を及ぼすことである。またその富は不幸な出来事によってうせ行くことである。それで、その人が子をもうけても、彼の手には何も残らない。彼は母の胎から出てきたように、すなわち裸で出てきたように帰って行く。彼はその労苦によって得た何物をもその手に携え行くことができない。人は全くその来たように、また去って行かなければならない。これもまた悲しむべき悪である。風のために労する者になんの益があるか。人は一生、暗やみと、悲しみと、多くの悩みと、病と、憤りの中にある。見よ、わたしが見たところの善かつ美なる事は、神から賜わった短い一生の間、食い、飲み、かつ日の下で労するすべての労苦によって、楽しみを得る事である。これがその分だからである。また神はすべての人に富と宝と、それを楽しむ力を与え、またその分を取らせ、その労苦によって楽しみを得させられる。これが神の賜物である。このような人は自分の生きる日のことを多く思わない。神は喜びをもって彼の心を満たされるからである。5:10〜20
ここには金銭に関する最も正しい考えが書かれています。日本は貧しくありません。もっともっと貧しい国はいくらでもあります。貧しいのは心です。毎日何万人もの子供たちが飢えて死んでいます。日本ではダイエットに苦労しているではありませんか。必要なことは今を感謝して満足することです。
金銭を愛することをしないで、自分の持っているもので満足しなさい。主は、「わたしは、決してあなたを離れず、あなたを捨てない」と言われた。ヘブル13:5
神様を知らないと、いつも不足しているような感情があるのです。いつも飢えて、心の空間を埋めたいと物を求めます。しかし、ソロモン王は言います、
あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ。伝道の書12:1
事の帰する所は、すべて言われた。すなわち、神を恐れ、その命令を守れ。これはすべての人の本分である。神はすべてのわざ、ならびにすべての隠れた事を善悪ともにさばかれるからである。12:13〜14
すべての人の本分。ちょっと今の人には分かりにくいかもしれません。ここは聖書によって色々な訳がされています。
結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。新改訳
すべてに耳を傾けて得た結論。「神を畏れ、その戒めを守れ。」これこそ、人間のすべて。新共同訳
After all this, there is only one thing to say: Have reverence for God,
and obey his commands, because this is all that we were createdFor.Todays
English Version
「私たちが創られた意味の全て」
Let us hear the conclusion of the whole matter:Fear God and keep His commandments,For
this is man's All.New King James Version
「人間の全て」
オリンピックで金メダルを取ることも良いですが、神の国で金の王冠を頂きましょう。