メッセージ071104 小 石 泉
Bible Land museum
バイブルランド博物館
創世記 ヤコブT
28:1 イサクはヤコブを呼び寄せ、彼を祝福し、そして彼に命じて言った。「カナンの娘たちの中から妻をめとってはならない。 28:2 さあ、立って、パダン・アラムの、おまえの母の父ベトエルの家に行き、そこで母の兄ラバンの娘たちの中から妻をめとりなさい。 28:3 全能の神がおまえを祝福し、多くの子どもを与え、おまえをふえさせてくださるように。そして、おまえが多くの民のつどいとなるように。 28:4 神はアブラハムの祝福を、おまえと、おまえとともにいるおまえの子孫とに授け、神がアブラハムに下さった地、おまえがいま寄留しているこの地を継がせてくださるように。」 28:5 こうしてイサクはヤコブを送り出した。彼はパダン・アラムへ行って、ヤコブとエサウの母リベカの兄、アラム人ベトエルの子ラバンのところに行った。 28:6 エサウは、イサクがヤコブを祝福し、彼をパダン・アラムに送り出して、そこから妻をめとるように、彼を祝福して彼に命じ、カナンの娘たちから妻をめとってはならないと言ったこと、 28:7 またヤコブが、父と母の言うことに聞き従ってパダン・アラムへ行ったことに気づいた。 28:8 エサウはまた、カナンの娘たちが父イサクの気に入らないのに気づいた。 28:9 それでエサウはイシュマエルのところに行き、今ある妻たちのほかに、アブラハムの子イシュマエルの娘で、ネバヨテの妹マハラテを妻としてめとった。
カナン人の女性を妻にめとると言うことは、彼らの偶像を家に持ち込むことになります。イサクはヤコブを祝福していますが、実はこの前にイサクは神の前に悔い改めたのです。エソウとヤコブが生まれたとき、神様はリベカに、兄が弟に仕えると預言されていました。
25:21 イサクは自分の妻のために主に祈願した。彼女が不妊の女であったからである。主は彼の祈りに答えられた。それで彼の妻リベカはみごもった。 25:22 子どもたちが彼女の腹の中でぶつかり合うようになったとき、彼女は、「こんなことでは、いったいどうなるのでしょう。私は。」と言った。そして主のみこころを求めに行った。 25:23 すると主は彼女に仰せられた。「二つの国があなたの胎内にあり、二つの国民があなたから分かれ出る。一つの国民は他の国民より強く、兄が弟に仕える。」
ところが、イサクはエソウを愛してエソウに長子の特権を与えようとしました。しかし、ヤコブに騙されて長子の特権を与えてしまったのです。イサクはほとんど欠点のない静かな人のように見えますが、案外、頑固なところもあったようです。彼は、結局神様の御心を認めないわけにはいかなかったのです。
イラスト:渡辺 百合
28:10 ヤコブはベエル・シェバを立って、カランへと旅立った。 28:11 ある所に着いたとき、ちょうど日が沈んだので、そこで一夜を明かすことにした。彼はその所の石の一つを取り、それを枕にして、その場所で横になった。
28:12 そのうちに、彼は夢を見た。見よ。一つのはしごが地に向けて立てられている。その頂は天に届き、見よ、神の使いたちが、そのはしごを上り下りしている。
28:13 そして、見よ。主が彼のかたわらに立っておられた。そして仰せられた。「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。わたしはあなたが横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫とに与える。
28:14 あなたの子孫は地のちりのように多くなり、あなたは、西、東、北、南へと広がり、地上のすべての民族は、あなたとあなたの子孫によって祝福される。
28:15 見よ。わたしはあなたとともにあり、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ戻そう。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」
28:16 ヤコブは眠りからさめて、「まことに主がこの所におられるのに、私はそれを知らなかった。」と言った。
28:17 彼は恐れおののいて、また言った。「この場所は、なんとおそれおおいことだろう。こここそ神の家にほかならない。ここは天の門だ。」
ここは聖書の中でも特に有名な、印象的なところです。天に届くはしご。そのはしごを上り下りしている天使たち。これは単なる夢なのか、それとも目に見えない世界を見たのか。ヤコブの言葉は後者だったことを表しているように見えます。「こここそ神の家にほかならない。ここは天の門だ。」イスラエルに行くと、この言葉が実感となります。
神様はアブラハムと同じような祝福を約束します。この地を与える。その言葉は今、実現しています。
28:18 翌朝早く、ヤコブは自分が枕にした石を取り、それを石の柱として立て、その上に油をそそいだ。 28:19 そして、その場所の名をベテルと呼んだ。しかし、その町の名は、以前はルズであった。 28:20 それからヤコブは誓願を立てて言った。「神が私とともにおられ、私が行くこの旅路で私を守ってくださり、私に食べるパンと着る着物を賜わり、 28:21 私が無事に父の家に帰ることができ、主が私の神となってくださるので、 28:22 私が石の柱として立てたこの石は神の家となり、すべてあなたが私に賜わる物の十分の一を私は必ずあなたにささげます。」
べテルとはベト=家、エル=神、の合成語でベトエル、べテルとなります。これは例えばベツレヘム=ベトレヘム=パンの家、ベタニヤ=なつめやし又はイチジクの家、ベテスダ=哀れみの家、ベテシャン=美人の家・・・ではなく・・・警護の家、などがあります。
ヤコブが立てた石の柱については、人間は何かの記念に石の柱を立てるものです。エジプトではオベリスク、イギリスのストーンサークル、ローマの凱旋門など沢山あります。多くは宗教的な意味に用いられました。ヤコブの石の柱はもっと小さなものだったのでしょう。彼が油を注いだと言うことに注目してください。これは人や物を聖別するためでした。彼は枕にしたとあります。砂漠の中での一人の旅。どんなに心細かったことでしょう。
しかし、神が見守っておられる! ヤコブは勇気百倍です。彼は「神が私とともにおられ、私が行くこの旅路で私を守ってくださり、私に食べるパンと着る着物を賜わり、
私が無事に父の家に帰ることができ、主が私の神となってくださるので」と神様に条件をつけています。この人の抜け目ない性格がここにも出ていますが、こういう神様への一見ずうずうしい要求は、実は神様にとって喜びなのです。最近注目されたヤベツの祈りもそうです。
ヤベツは彼の兄弟たちよりも重んじられた。彼の母は、「私が悲しみのうちにこの子を産んだから。」と言って、彼にヤベツという名をつけた。ヤベツはイスラエルの神に呼ばわって言った。「私を大いに祝福し、私の地境を広げてくださいますように。御手が私とともにあり、わざわいから遠ざけて私が苦しむことのないようにしてくださいますように。」そこで神は彼の願ったことをかなえられた。T歴代史4:9〜10
ヤベツとは「悲しみ」と言う意味ですが、そんな名にもかかわらず、ずうずうしく神様に求めたので神様は祝福されました。神様に祈るとき遠慮は禁物です。イエス様もこう言っています。
バプテスマのヨハネの日以来今日まで、天の御国は激しく攻められています。そして、激しく攻める者たちがそれを奪い取っています。マタイ11:12
祝福は奪い取るものです。その点、ヤコブは神様に愛される資格十分だったのです。