メッセージ071007                小 石  泉

                      Bible Land museum
                           バイブルランド博物館

創世記  アブラハムXW リベカ

24:33 それから、その人の前に食事が出されたが、その人は言った。「私の用向きを話すまでは食事をいただきません。」「お話しください。」と言われて、 24:34 その人は言った。「私はアブラハムのしもべです。 24:35 主は私の主人を大いに祝福されましたので、主人は富んでおります。主は羊や牛、銀や金、男女の奴隷、らくだやろばをお与えになりました。 24:36 私の主人の妻サラは、年をとってから、ひとりの男の子を主人に産み、主人はこの子に自分の全財産を譲っておられます。 24:37 私の主人は私に誓わせて、こう申しました。『私が住んでいるこの土地のカナン人の娘を私の息子の妻にめとってはならない。 24:38 あなたは私の父の家、私の親族のところへ行って、私の息子のために妻を迎えなくてはならない。』 24:39 そこで私は主人に申しました。『もしかすると、その女の人は私について来ないかもしれません。』 24:40 すると主人は答えました。『私は主の前を歩んできた。その主が御使いをあなたといっしょに遣わし、あなたの旅を成功させてくださる。あなたは、私の親族、私の父の家族から、私の息子のために妻を迎えなければならない。24:41 次のようなときは、あなたは私の誓いから解かれる。あなたが私の親族のところに行き、もしも彼らがあなたに娘を与えない場合、そのとき、あなたは私の誓いから解かれる。』 24:42 きょう、私は泉のところに来て申しました。『私の主人アブラハムの神、主よ。私がここまで来た旅を、もしあなたが成功させてくださるのなら、 24:43 ご覧ください。私は泉のほとりに立っています。おとめが水を汲みに出て来たなら、私は、あなたの水がめから少し水を飲ませてください、と言います。 24:44 その人が私に、「どうぞお飲みください。私はあなたのらくだにも水を汲んであげましょう。」と言ったなら、その人こそ、主が私の主人の息子のために定められた妻でありますように。』

 ここまでは前の話の繰り返しですから、説明は省略します。

24:45 私が心の中で話し終わらないうちに、どうです、リベカさんが水がめを肩に載せて出て来て、泉のところに降りて行き、水を汲みました。それで私が『どうか水を飲ませてください。』と言うと、 24:46 急いで水がめを降ろし、『お飲みください。あなたのらくだにも水を飲ませましょう。』と言われたので、私は飲みました。らくだにも水を飲ませてくださいました。 24:47 私が尋ねて、『あなたはどなたの娘さんですか。』と言いますと、『ミルカがナホルに産んだ子ベトエルの娘です。』と答えられました。そこで私は彼女の鼻に飾り輪をつけ、彼女の腕に腕輪をはめました。 24:48 そうして私はひざまずき、主を礼拝し、私の主人アブラハムの神、主を賛美しました。主は私の主人の兄弟の娘を、主人の息子にめとるために、私を正しい道に導いてくださったのです。 24:49 それで今、あなたがたが私の主人に、恵みとまこととを施してくださるのなら、私にそう言ってください。そうでなければ、そうでないと私に言ってください。それによって、私は右か左に向かうことになるでしょう。」 24:50 するとラバンとベトエルは答えて言った。「このことは主から出たことですから、私たちはあなたによしあしを言うことはできません。 24:51 ご覧ください。リベカはあなたの前にいます。どうか連れて行ってください。主が仰せられたとおり、あなたの主人のご子息の妻となりますように。」 24:52 アブラハムのしもべは、彼らのことばを聞くやいなや、地にひれ伏して主を礼拝した。 24:53 そうして、このしもべは、銀や金の品物や衣装を取り出してリベカに与えた。また、彼女の兄や母にも貴重な品々を贈った。

 前回、リベカはナホルの娘だと言いましたが、間違いでした。ナホルの子、ベトエルの娘ですからナホルの孫に当たります。エリエゼルの唐突な申し出に、父と兄は驚きながらも神の導きの確かさに感謝したことでしょう。

24:54 それから、このしもべと、その従者たちとは飲み食いして、そこに泊まった。朝になって、彼らが起きると、そのしもべは「私の主人のところへ帰してください。」と言った。 24:55 すると彼女の兄と母は、「娘をしばらく、十日間ほど、私たちといっしょにとどめておき、それから後、行かせたいのですが。」と言った。 24:56 しもべは彼らに、「私が遅れないようにしてください。主が私の旅を成功させてくださったのですから。私が主人のところへ行けるように私を帰らせてください。」と言った。 24:57 彼らは答えた。「娘を呼び寄せて、娘の言うことを聞いてみましょう。」 24:58 それで彼らはリベカを呼び寄せて、「この人といっしょに行くか。」と尋ねた。すると彼女は、「はい。まいります。」と答えた。 24:59 そこで彼らは、妹リベカとそのうばを、アブラハムのしもべとその従者たちといっしょに送り出した。 24:60 彼らはリベカを祝福して言った。「われらの妹よ。あなたは幾千万にもふえるように。そして、あなたの子孫は敵の門を勝ち取るように。」 24:61 リベカとその侍女たちは立ち上がり、らくだに乗って、その人のあとについて行った。こうして、しもべはリベカを連れて出かけた。

 何と、翌日! エリエゼルはリベカをつれて行きたいと言います。はるばると旅をしてきて、人の娘をもらい受けて、次の日には帰るというのは無茶な話ですが、エリエゼルの喜びの大きさを感じます。一刻も早く、イサク様に会わせたい! 聖霊も、私たちを一刻も早くイエス様に会わせたいと願っておられるのでしょう。

24:62 そのとき、イサクは、ベエル・ラハイ・ロイ地方から帰って来ていた。彼はネゲブの地に住んでいたのである。 24:63 イサクは夕暮れ近く、野に散歩に出かけた。彼がふと目を上げ、見ると、らくだが近づいて来た。 24:64 リベカも目を上げ、イサクを見ると、らくだから降り、 24:65 そして、しもべに尋ねた。「野を歩いてこちらのほうに、私たちを迎えに来るあの人はだれですか。」しもべは答えた。「あの方が私の主人です。」そこでリベカはベールを取って身をおおった。 24:66 しもべは自分がしてきたことを残らずイサクに告げた。 24:67 イサクは、その母サラの天幕にリベカを連れて行き、リベカをめとり、彼女は彼の妻となった。彼は彼女を愛した。イサクは、母のなきあと、慰めを得た。

 これはもう、映画のラストシーンみたいな感動的な場面です。夕暮れの砂漠を若者イサクが散策しています。「エリエゼルは誰か良い妻を見つけてくれたかな?」「どんな娘だろうか?」「美人かな?」「後どれくらいかな?」 すると遠い砂漠のかなたに一群のキャラバンが近づいてきます。「エリエゼルたちかな?」「それにしては早いな。」
 一方、リベカは遠くにイサクを見つけると、エリエゼルに言いました、「野を歩いてこちらのほうに、私たちを迎えに来るあの人はだれですか?」エリエゼルは答えます。「あの方がイサク様です。」リベカは直ちに顔をベールで覆いました。これは当時の習慣で、慎ましい女性のたしなみでした。このベールは結婚式が終わるまで取られることはなかったと聞いたことがありますが、ちょっと信じられません。イサクとリベカの結婚式は盛大に行われたことでしょう。これが童話やこの世の物語なら、そこのところを詳しく書くのでしょうが聖書はそういう俗なことは書きません。「イサクは、その母サラの天幕にリベカを連れて行き、リベカをめとり、彼女は彼の妻となった。彼は彼女を愛した。イサクは、母のなきあと、慰めを得た。」これで十分ではないでしょうか?

   イラスト 渡辺百合
25:1 アブラハムは、もうひとりの妻をめとった。その名はケトラといった。 25:2 彼女は彼に、ジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデヤン、イシュバク、シュアハを産んだ。 25:3 ヨクシャンはシェバとデダンを生んだ。デダンの子孫はアシュル人とレトシム人とレウミム人であった。 25:4 ミデヤンの子は、エファ、エフェル、エノク、アビダ、エルダアであって、これらはみな、ケトラの子孫であった。 25:5 アブラハムは自分の全財産をイサクに与えた。 25:6 しかしアブラハムのそばめたちの子らには、アブラハムは贈り物を与え、彼の生存中に、彼らを東のほう、東方の国にやって、自分の子イサクから遠ざけた。 25:7 以上は、アブラハムの一生の年で、百七十五年であった。 25:8 アブラハムは平安な老年を迎え、長寿を全うして息絶えて死に、自分の民に加えられた。 25:9 彼の子らイサクとイシュマエルは、彼をマクペラのほら穴に葬った。このほら穴は、マムレに面するヘテ人ツォハルの子エフロンの畑地の中にあった。 25:10 この畑地はアブラハムがヘテ人たちから買ったもので、そこにアブラハムと妻サラとが葬られたのである。 25:11 アブラハムの死後、神は彼の子イサクを祝福された。イサクはベエル・ラハイ・ロイの近くに住みついた。

 この後、アブラハムはもう一度結婚します! 137歳以上になっていたはずです。そして5人の子供を設けます。いやはや元気なこと・・・。実はアブラハムには他にも子供がいました。「しかしアブラハムのそばめたちの子らには、アブラハムは贈り物を与え、彼の生存中に、彼らを東のほう、東方の国にやって、自分の子イサクから遠ざけた。」とあるからです。不妊のサラの死後(多分)アブラハムは超老齢となってから多くの子に恵まれました。
アブラハムの生涯は175年でした。彼はサラの葬られていたヘブロンのマクペラの洞窟に埋葬されました。

25:12 これはサラの女奴隷エジプト人ハガルがアブラハムに産んだアブラハムの子イシュマエルの歴史である。 25:13 すなわちイシュマエルの子の名は、その生まれた順の名によれば、イシュマエルの長子ネバヨテ、ケダル、アデベエル、ミブサム、 25:14 ミシュマ、ドマ、マサ、 25:15 ハダデ、テマ、エトル、ナフィシュ、ケデマである。 25:16 これらがイシュマエルの子孫で、それらは彼らの村落と宿営につけられた名であって、十二人の、それぞれの氏族の長である。 25:17 以上はイシュマエルの生涯で、百三十七年であった。彼は息絶えて死に、その民に加えられた。 25:18 イシュマエルの子孫は、ハビラから、エジプトに近い、アシュルへの道にあるシュルにわたって、住みつき、それぞれ自分のすべての兄弟たちに敵対して住んだ。 25:19 これはアブラハムの子イサクの歴史である。アブラハムはイサクを生んだ。

 ハガルの子イシマエルも多くの民族となりました。今のアラブ人の祖先だと考えられます。面白いのは「それぞれ自分のすべての兄弟たちに敵対して住んだ。」という言葉です。第一次世界大戦の時、イギリスの将校でオスマントルコと戦ったT.E.ロレンスの映画「アラビアのロレンス」では、後のサウジアラビアの王ファイサルがこのことを嘆いていますしロレンス自身もアラブを結束させることに非常に苦労しています。3000年前も今も変わらないのですね。