メッセージ070909                    小 石  泉

なぜ神様はサタンに敗北しているように見えるのか


 私には長い間、解決できない疑問がありました。それはどう見ても神様がサタンに敗北し続けているようにしか見えないことが多すぎるからです。 例えば、神様が天地を創造され

そのようにして神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ。それは非常によかった。創世記1:31 

と書かれているのに、たちまちサタンはエデンの園にやってきて、アダムとエバを誘惑して、神様に逆らわせ、罪を犯すものとし、それ以来

地は、神の前に堕落し、地は、暴虐で満ちていた。神が地をご覧になると、実に、それは、堕落していた。すべての肉なるものが、地上でその道を乱していたからである。」6:11〜12 

となってしまったのです。そして、ついに神様は、

「そこで、神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている。」6:13 

と言われて、世界を洪水で覆い、ノアと家族以外の全人類を滅ぼしてしまわれました。これも考えようによっては神様の勝利とは思えないのです。
 その後でも人類は罪を犯し、神様を完全に忘れ去り、自分勝手に生きては死んでいきました。わずかにイスラエル民族だけが! 本当の神様を信じていましたが、その彼らでさえ歴史上のほとんどの期間不従順で反逆ばかりをしていました。
 ついに神様は御自分の一人子を遣わし、十字架の上で贖いをなさいました。そして、人類には救いの道が開かれたのです。しかし、キリスト教会も、特にカトリックはサタンに操られた忌まわしい歴史を持っています。そして、人類の多くは神を知らず、勝手な神々を作っては拝み、恐ろしい礼拝を続けていました。
 一例を挙げると、つい最近まで南アメリカのインカ、マヤ、アステカなどの文明では、真の神でない偶像や太陽神に幼子を捧げていました。多くの巨大な遺跡、特にピラミッドからは無数の幼子の骨が出てきます。数年前、アンデス山脈のある山から幾人もの幼子のミイラが冷凍状態で発見されました。それは山の神に捧げるために、幼子を着飾らせて、高い山に連れて行き、ご馳走を食べさせ、お酒を飲ませて凍死させたものです。
 また、リチャード・ウオンブランド師の「マルクスとサタン」と言う本には、黙示録にある不思議な言葉のことが書かれています。

また、ペルガモにある教会の御使いに書き送れ。『鋭い、両刃の剣を持つ方がこう言われる。「わたしは、あなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの王座がある。」2:12〜13

 黙示録が書かれた当時、ペルガモはギリシャ神話の主神ゼウス信仰の中心地で巨大な神殿がありました。他にもゼウス神殿は沢山ありましたが、特にこのペルガモの神殿は、それから2000年近くもたって、ナチスドイツの考古学者たちがこの神殿を発掘し、ゼウスの祭壇を掘り出してベルリンに運びました。主イエスが言われた「サタンの王座」は2000年近くたって、ドイツによみがえったのです。その後、ナチスドイツが崩壊したとき、ロシア軍がこの祭壇をロシアに運びました。ナチスもサタン礼拝をしました。また、マルクスを初めレーニンなどほとんどの共産主義の指導者は熱心なサタン礼拝者でした。この祭壇はその後、どこかに消えてしまいました。今でもロシアのどこかにあるはずです。長さ約40m、巾約36m、高さ約12mという大きなものでした。
 ナチス・ドイツやソビエトによってどれほど多くのクリスチャンが迫害され殺されたでしょうか。ソビエトでは革命と共産主義政権の間に、普通の人々も約6000万人、共産主義の中国でもやはり約6000万人が殺されています。ああ、神様はどうしてそんなことを許されたのでしょう。私の言い知れぬ悩みと疑問でした。
 ところが、先日のことです、ふと見たテレビのクイズ・ミリオネイアーという番組で、「地球の歴史を1日24時間とすると人類の歴史はどれぐらいでしょうか?」という問題がありました。「4秒、4分、40分、4時間」の内から選べというものだったと思います。それは人類の歴史を20万年としてでした。もちろん、答えは4秒でした。
 私は考えました。20万年というのはネアンデルタール人などの類人猿から数えているのですが、聖書によるならば人類の歴史は約6000年です。もちろんもう少し長いかもしれませんがそれほど違いは無いでしょう。そこで、もし6000年とするならどれぐらいになるのだろうかと計算してみました。私の計算に間違いがなければ・・・それは0.12秒でした! 長い長いと思っている人間の歴史は、神の目で見るならばたった0.12秒です。サタンが勝ち誇っている時間は1秒にもならないのです。
 この短い時間の中で、最も偉大な出来事は、神の御子が人となって地上に来られ、十字架の上で贖いをされたことです。

すべての人を照すまことの光があって、世にきた。彼は世にいた。そして、世は彼によってできたのであるが、世は彼を知らずにいた。ヨハネ1:9〜10(口語訳) 

神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。ヨハネ3:16(口語訳)

 その目的は、人間の中から、神の国に住むにふさわしいものを選ぶためでした。永遠から永遠の時の流れの中で、サタンによって、罪と穢れと悪と死を知って、神にある本当の愛と義と善と平安とを自覚した、永遠に神と住む人類を創り出すことは創造の重大な目的だったのです。これらの人々を聖書は神の子と呼んでいます。

しかし、彼を受けいれた者、すなわち、その名を信じた人々には、彼は神の子となる力を与えたのである。ヨハネ1:12(口語訳)

 0.12秒の全ての悪も、罪も、死も、神の御子の血の前には全て拭いさられてしまいます。サタンの策略も陰謀も権力も、何の力もありません。サタンは神のひとり子の前には鎖につながれた哀れな囚人のようです。

わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を持つためです。あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」ヨハネ16:33

 主イエスは世に勝ったと言われています。世とはサタンの支配するところです。

神は、キリストにおいて、すべての支配と権威の武装を解除してさらしものとし、彼らを捕虜として凱旋の行列に加えられました。コロサイ2:15

 実はサタンはそのことをよく知っているのです。それで絶望のあまり、少しでも多くの人間を自分と同じ目にあわせようと必死で働いているに過ぎません。実は、サタン礼拝者や偶像礼拝者が人間の犠牲を捧げるのは、サタンや悪霊が永遠の命が欲しいからです。人間の血を飲めば永遠の命がもらえるかもしれないと思っているのです。彼らは永遠に滅びることが恐ろしくて仕方が無いのです。
 しかし、神に従うものには次のような約束があります。

しかしあなたがたが近づいているのは、シオンの山、生ける神の都、天にあるエルサレム、無数の天使の祝会、天に登録されている長子たちの教会、万民の審判者なる神、全うされた義人の霊、 新しい契約の仲保者イエス、ならびに、アベルの血よりも力強く語るそそがれた血である。ヘブル12:22〜24

また私は、新しい天と新しい地とを見た。以前の天と、以前の地は過ぎ去り、もはや海もない。私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとを出て、天から下って来るのを見た。そのとき私は、御座から出る大きな声がこう言うのを聞いた。「見よ。神の幕屋が人とともにある。神は彼らとともに住み、彼らはその民となる。また、神ご自身が彼らとともにおられて、彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、悲しみ、叫び、苦しみもない。なぜなら、以前のものが、もはや過ぎ去ったからである。」黙示録21:1〜4

 この美しい国には、罪あるものは入ることが出来ません。この国には警察も監獄も無いのです。神の御子の血によって、全ての罪を清められた“義人”だけが住むことが出来るのです。そのために! 神様はしばらくの間サタンの活動を許し、清いものと清くないものとを分けることとされたのです。
 全ては十字架に始まり、十字架に終わります。十字架より前の義人は、これから来るメシヤによって救われ、十字架から後の義人はすでに来られたキリスト(メシヤ)によって救われるのです。十字架こそ人間の歴史の中心であり、宇宙の歴史の中心です。
 宇宙の歴史のほんの一瞬だけ、神様はサタンの行動を許し、永遠に神とともに住む人類を創造されるのです。天地創造の目的はこの“天に住む新しい人類の創造”にあったと言えます。永遠から永遠までの間に開かれた一瞬の隙間0.12秒の前までは、天国には神と御子と聖霊と天使たちしかいませんでした。しかし、その後からは、新しく再創造された人間が加わります。天国の人口は劇的に増加します。永遠に。
 もちろん全ての人にそのチャンスは与えられています。あなたに、今も!