ホームページ・メッセージ 070812 小 石 泉
Bible Land museum
バイブルランド博物館
創世記 アブラハム \
今週お話しすることは、とても嫌な所です。どうしてこんな話が聖書に書かれているのか、と何度も思います。そして、アダムとエバが神様の戒めに背いてから、人間がたどった道の、何と悪に満ちたことかと慨嘆します。人間の歴史のほとんど全ては、神を忘れ、暗闇を歩き続けてきたのです。その、あまりの時間的、空間的な大きさに私は呆然となります。もちろん私が義人だというわけではないのですが。
最近、考古学が盛んになって、色々な古代文明が明らかにされています。シュメール、エジプト、インド、中国、南米などの文明が明らかになればなるほど、特に紀元前、イエス様の来られる前の世界は本当の神から全く離れて、空しく、暗く、罪に極限まで汚染されたものでした。本当に御言葉の通りです。
見よ。やみが地をおおい、暗やみが諸国の民をおおっている。しかし、あなたの上には主が輝き、その栄光があなたの上に現われる。イザヤ60:2
今週の物語も、そのような世界の中で起こったことと考えてください。そして、イエス様が来られてから、世界には光と正義と愛が注入されたのです。
19:27 翌朝早く、アブラハムは、かつて主の前に立ったあの場所に行った。 19:28
彼がソドムとゴモラのほう、それに低地の全地方を見おろすと、見よ、まるでかまどの煙のようにその地の煙が立ち上っていた。
19:29 こうして、神が低地の町々を滅ぼされたとき、神はアブラハムを覚えておられた。それで、ロトが住んでいた町々を滅ぼされたとき、神はロトをその破壊の中からのがれさせた。
19:30 その後、ロトはツォアルを出て、ふたりの娘といっしょに山に住んだ。彼はツォアルに住むのを恐れたからである。彼はふたりの娘といっしょにほら穴の中に住んだ。
19:31 そうこうするうちに、姉は妹に言った。「お父さんは年をとっています。この地には、この世のならわしのように、私たちのところに来る男の人などいません。
19:32 さあ、お父さんに酒を飲ませ、いっしょに寝て、お父さんによって子孫を残しましょう。」
19:33 その夜、彼女たちは父親に酒を飲ませ、姉がはいって行き、父と寝た。ロトは彼女が寝たのも、起きたのも知らなかった。
19:34 その翌日、姉は妹に言った。「ご覧。私は昨夜、お父さんと寝ました。今夜もまた、お父さんに酒を飲ませましょう。そして、あなたが行って、いっしょに寝なさい。そうして、私たちはお父さんによって、子孫を残しましょう。」
イラスト: 渡辺 百合
19:35 その夜もまた、彼女たちは父に酒を飲ませ、妹が行って、いっしょに寝た。ロトは彼女が寝たのも、起きたのも知らなかった。
19:36 こうして、ロトのふたりの娘は、父によってみごもった。 19:37 姉は男の子を産んで、その子をモアブと名づけた。彼は今日のモアブ人の先祖である。
19:38 妹もまた、男の子を産んで、その子をベン・アミと名づけた。彼は今日のアモン人の先祖である。
恐ろしい地鳴り、地震の夜が過ぎて、アブラハムは朝早くソドムの見える崖の縁に行きました。身震いするよう光景だったでしょう。豊かな緑に覆われたソドムゴモラの平野は一夜のうちに荒廃し、岩塩に、覆われ、あちこちから水蒸気に立ち上る惨劇の舞台になっていました。ロトはその名もツォアル(小さい)と言う村のはずれの洞窟に住みました。乾燥した地域では洞窟にすむのは特別なことではありません。しかし、その後の娘たちの行動はソドムのスピリットそのものでした。しかし、驚くべきことにそこから二つの民族が生まれました。モアブとアモンです。モアブとは「父の水」ベン・アミは「わが民の子」と言う意味ですが、その後共に、大きな民族となりイスラエルの強敵となります。アモンというのは現在のヨルダンの首都アンマンの原型だと思いますが定かではありません。
20:1 アブラハムは、そこからネゲブの地方へ移り、カデシュとシュルの間に住みついた。ゲラルに滞在中、 20:2 アブラハムは、自分の妻サラのことを、「これは私の妹です。」と言ったので、ゲラルの王アビメレクは、使いをやって、サラを召し入れた。 20:3 ところが、神は、夜、夢の中で、アビメレクのところに来られ、そして仰せられた。「あなたが召し入れた女のために、あなたは死ななければならない。あの女は夫のある身である。」 20:4 アビメレクはまだ、彼女に近づいていなかったので、こう言った。「主よ。あなたは正しい国民をも殺されるのですか。 20:5 彼は私に、『これは私の妹だ。』と言ったではありませんか。そして、彼女自身も『これは私の兄だ。』と言ったのです。私は正しい心と汚れない手で、このことをしたのです。」 20:6 神は夢の中で、彼に仰せられた。「そうだ。あなたが正しい心でこの事をしたのを、わたし自身よく知っていた。それでわたしも、あなたがわたしに罪を犯さないようにしたのだ。それゆえ、わたしは、あなたが彼女に触れることを許さなかったのだ。 20:7 今、あの人の妻を返していのちを得なさい。あの人は預言者であって、あなたのために祈ってくれよう。しかし、あなたが返さなければ、あなたも、あなたに属するすべての者も、必ず死ぬことをわきまえなさい。」 20:8 翌朝早く、アビメレクは彼のしもべを全部呼び寄せ、これらのことをみな語り聞かせたので、人々は非常に恐れた。 20:9 それから、アビメレクはアブラハムを呼び寄せて言った。「あなたは何ということを、してくれたのか。あなたが私と私の王国とに、こんな大きな罪をもたらすとは、いったい私がどんな罪をあなたに犯したのか。あなたはしてはならないことを、私にしたのだ。」 20:10 また、アビメレクはアブラハムに言った。「あなたはどういうつもりで、こんなことをしたのか。」 20:11 アブラハムは答えた。「この地方には、神を恐れることが全くないので、人々が私の妻のゆえに、私を殺すと思ったからです。 20:12 また、ほんとうに、あれは私の妹です。あの女は私の父の娘ですが、私の母の娘ではありません。それが私の妻になったのです。 20:13 神が私を父の家からさすらいの旅に出されたとき、私は彼女に、『こうして、あなたの愛を私のために尽くしておくれ。私たちが行くどこででも、私のことを、この人は私の兄です、と言っておくれ。』と頼んだのです。」 20:14 そこで、アビメレクは、羊の群れと牛の群れと男女の奴隷たちを取って来て、アブラハムに与え、またアブラハムの妻サラを彼に返した。 20:15 そして、アビメレクは言った。「見よ。私の領地があなたの前に広がっている。あなたの良いと思う所に住みなさい。」 20:16 彼はまたサラに言った。「ここに、銀千枚をあなたの兄に与える。きっと、これはあなたといっしょにいるすべての人の前で、あなたを守るものとなろう。これですべて、正しいとされよう。」 20:17 そこで、アブラハムは神に祈った。神はアビメレクとその妻、および、はしためたちをいやされたので、彼らはまた子を産むようになった。 20:18 主が、アブラハムの妻、サラのゆえに、アビメレクの家のすべての胎を堅く閉じておられたからである。
ここは再び、アブラハムが妻サラを妹だと偽った出来事です。このような習慣を、現在の道徳心や夫婦の関係から考えることは出来ないでしょう。むしろ3000年も前の出来事が、こんなにも鮮やかに記録され、保存されたことに驚くべきでしょう。
アビメレクの「ここに、銀千枚をあなたの兄に与える。」という言葉は、随分、皮肉ですね。「主が、アブラハムの妻、サラのゆえに、アビメレクの家のすべての胎を堅く閉じておられたからである」というのも、一国の女性が子供を産むのも産まないのも神様は決定できるのだという、驚くべき記録です。
イエス様はこのような世界の唯一の希望なのです。今は、その完成の途中ですが。
暗やみの中にすわっていた民は偉大な光を見、死の地と死の陰にすわっていた人々に、光が上った。マタイ4:16