ホームページメッセージ  050424           小 石  泉

蛇のように聡く


わたしがあなたがたをつかわすのは、羊をおおかみの中に送るようなものである。だから、へ
びのように賢く、はとのように素直であれ。マタイ10:16


クリスチャンはしばしばあまりにも善良であろうとして、サタンや悪霊の業さえ受け
入れます。鳩のように素直なだけです。イエス様は蛇のように賢くあれといっておられるのです。特にこの終わりの時代には特別に賢くなければなりません。
 サタンに関してクリスチャンはあまり考えようとしません。また牧師はサタンについて説教することもありませんから、ほとんどのクリスチャンは漠然とした知識しかありません。それはサタンにとってとても好都合なのです。そこで聖書からサタンの実像を調べてみましょう。
1.サタンの居所
多くの人は、サタンは神のようにいつでもどこにでもいると考えています。神様の属性(神が神であるということ)に“遍在”というものがあります。同時にどこにでも居るということです。ところが、多くの場合、サタンを同じように、あまりにも霊的に考えて、いつでもどこにでも居ると思いがちです。しかし、サタンは神に創られたものですから、形のあるものであり、偏在ではありません。今、日本にいて同時にブラジルに居ることはできません。ですからサタンはある場所から他の場所に移る場合には“移動”しなければならないのです。それはヨブ記1:6〜7に書かれています。

ある日、神の子たちが来て、主の前に立った。サタンも来てその中にいた。主は言われた、「あなたはどこから来たか」。サタンは主に答えて言った、「地を行きめぐり、あちらこちら歩いてきました」。

 「地を行きめぐり、あちらこちら歩いてきました。」ということは、サタンが歩き回らなければならないものだということを表しています。ですからサタンはそのハンデイをスピードで補おうとしているのではないかと思います。恐らく彼は光のような速さで移動できるでしょうが、いつでもどこにでも居ることはできません。
 そこで彼は世界の国々に彼の部下の堕落天使を配置しています。

彼はわたしに言った、「大いに愛せられる人ダニエルよ、わたしがあなたに告げる言葉に心を留め、立ちあがりなさい。わたしは今あなたのもとにつかわされたのです」。彼がこの言葉をわたしに告げているとき、わたしは震えながら立ちあがった。 すると彼はわたしに言った、「ダニエルよ、恐れるに及ばない。あなたが悟ろうと心をこめ、あなたの神の前に身を悩ましたその初めの日から、あなたの言葉は、すでに聞かれたので、わたしは、あなたの言葉のゆえにきたのです。ペルシャの国の君が、二十一日の間わたしの前に立ちふさがったが、天使の長のひとりであるミカエルがきて、わたしを助けたので、わたしは、彼をペルシャの国の君と共に、そこに残しておき、末の日に、あなたの民に臨まんとする事を、あなたに悟らせるためにきたのです。この幻は、なおきたるべき日にかかわるものです」。10:11〜14

そこで彼は言った、「あなたは、わたしがなんのためにきたかを知っていますか。わたしは、今帰っていって、ペルシャの君と戦おうとしているのです。彼との戦いがすむと、ギリシヤの君があらわれるでしょう。 しかしわたしは、まず真理の書にしるされている事を、あなたに告げよう。わたしを助けて、彼らと戦う者は、あなたがたの君ミカエルのほかにはありません。10:20〜21

これはダニエルという預言者に現れた天使ミカエルの言葉です。ここに言われている「ペルシャの国の君」「ギリシャの君」は共にそのようなサタンの部下たちを表していると考えられます。ですからアメリカの君、日本に君、中国の君というように大きな国家単位の堕落天使がいて、その下にニューヨークの君、東京の君、北京の君のような部下が居るのでしょう。彼らは厳密な階級制度(ヒエラルキー)を作って支配していると考えられます。私の考えでは、時には彼らの間に競争やいさかいがあって戦争や革命が起こり、この階級制度が崩れると権力構造に空間ができて、そういう時は神の国がそれらの国々で発展するのではないかと思います。日本による侵略、共産主義革命、文化大革命などの騒乱と混乱を経験した中国ではキリスト教会は飛躍的に発展し、今や人口の10%にもなろうかと言われます。韓国の場合でも日本軍による侵略、朝鮮戦争などの騒乱と混乱のあとでいわゆるリバイバルが起こっています。耐え難い苦痛と、莫大な財産の損失などを通して、この世の富や財産が跡形もなく失われた国々で、霊的なものに人々が心を向けて行くのは自然なことでしょう。私は日本もこのように、サタンのヒエラルキーが崩壊し、人々が悲痛な経験から物質ではなく本当の救いであるキリスト教に目を向けるようになるまでリバイバルは起こらないと考えています。気に入らない方も居るかもしれませんが、私はそう考えて納得しています。リバイバルは夢幻では起こりません。
2.サタンのサイズ
 では、サタンはどれぐらいの大きさなのでしょうか。え! 大きさだって? そうです、サタンは前にも言ったように創造されたもの、被造物ですから大きさも形もあります。それは人間と同じ大きさです。黙示録にそれが書かれています。

都は方形であって、その長さと幅とは同じである。彼がその測りざおで都を測ると、一万二千丁であった。長さと幅と高さとは、いずれも同じである。また城壁を測ると、百四十四キュビトであった。これは人間の、すなわち、御使の尺度によるのである。21:16〜17

 これは口語訳聖書の訳ですが英語でもKJVが同じような表現をしています。

Then he measured its wall: one hundred and forty-four cubits, according to the measure of a man, that is, of an angel. 21:17

 しかし、どうもサタンは人間の前に現れるとき、いろいろな姿をとれるもののようです。例えばエデンでは蛇の姿をとりました。時には巨大な姿で、時には人の姿で、脅かし、惑わします。イエス様は、サタンは「偽り者」だと言っていますから、いわゆるイリュージョンが得意なのでしょう。

しかし、驚くには及ばない。サタンも光の天使に擬装するのだから。Uコリント11:14

 時にはサタンは光の天使、神の預言者、偉大な説教者、リバイバリストの姿もとります。この終わりの時代に、本当に私たちは何が神からのものか、何がサタンからのものかを見極めなければなりません。困ったことに、今、キリスト教会の指導者はサタンを見失っています。時には、まるでそんなもの居ないかのように、あるいは何でもかんでもサタンであるかのように、混乱しています。そのために羊たちは右往左往しています。
 戦争のときに、部隊長に兵士が聞きます、「隊長殿、敵はどこに居るのですか」部隊長が答えます「その辺にいるだろう、適当に弾を撃っておけ」。これでは戦争には勝てません。

多くの者がわたしの名を名のって現れ、自分がキリストだと言って、多くの人を惑わすであろう。 また多くのにせ預言者が起って、多くの人を惑わすであろう。マタイ24:5、11

にせキリストたちや、にせ預言者たちが起って、大いなるしるしと奇跡とを行い、できれば、
選民をも惑わそうとするであろう。24:24


 今や、その時代が来ました。私は「惑わそうとするだろう」という言葉から、惑わされ
そうになるのだろうと思っていましたが、本当に惑わされるのだと最近になって判りまし
た。

しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに
気をとられて、信仰から離れ去るであろう。Tテモテ4:16

なぜなら、イエス・キリストが肉体をとってこられたことを告白しないで人を惑わす者が、多
く世にはいってきたからである。そういう者は、惑わす者であり、反キリストである。Uヨハネ1:7


 サタンは「私はサタンだぞ」言って現れるのではありません。光の天使に偽装するのです。ただ私の観察ではサタンは貪欲です。偽預言者に共通するのは、卑しい名誉心にあふれ、金銭に貪欲です。私は、これは彼らの弱点だと見ています。隠していてもいつか現れてしまうのです。本当の神の器はキリストを知る喜びにあふれ、愛に満ちていることでしょう。反キリストを見分ける方法は、案外、次の御言葉かもしれません。

愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない。不作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。不義を喜ばないで真理を喜ぶ。そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。愛はいつまでも絶えることがない。Tコリント13:4〜8