ホームページメッセージ    050206       小 石  泉

占いと超能力


 先日のこと、事情があって、ある占い師の講演を聞きました。正直言って、何が何だかさっぱり判りませんでした。日本は世界の中心である。日本が救われれば世界が救われる。天皇は世界の救世主である。日の丸は太陽だから全世界を照らす、などなど。へー、未だにそんなことを言っているのか。大体、自分の居るところが世界の中心であると言うことは世界中の未開な民族が必ず言うことです。中国の古い国名である中華も元々は中華思想から来たと言うことです。中華とは中国が世界の中心と言う意味です。ずいぶん前に見たテレビで、ボルネオのジャングルの奥深く住んでいる裸族もそう言っていました。確かに地球は球体ですから、そこが中心だといえば間違っては居ませんが。
 ところが、そんな奇妙な支離滅裂の論理にもかかわらず彼の占いは当たるのです。彼は日本の政界のフィクサーとして知られています。彼はなぜか私に接近してきて、いろいろ聞きます。そして頼みもしないのに私を占い、ある面でずばりと当てました。
 最近は占いブームです。テレビでも有名な女性の占い師が傲慢に語っていますが、一面良いことも言うので、救いを感じる人々も多いのでしょう。占いは無視できない力です。欧米でも最高の権力者から一般市民に至るまで占いは盛んで、何年も前にフランスでは占いに支払われる金は、年間の国防予算を超えると言われました。古今東西を問わず、占いは国家の支配者から奴隷にいたるまで大きな影響を与えて来ました。
 ところが聖書は占いを禁じています。

あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地にはいったとき、あなたはその異邦の民の忌みきらうべきならわしをまねてはならない。あなたのうちに自分の息子、娘に火の中を通らせる者があってはならない。占いをする者、卜者、まじない師、呪術者、呪文を唱える者、霊媒をする者、口寄せ、死人に伺いを立てる者があってはならない。これらのことを行なう者はみな、主が忌みきらわれるからである。これらの忌みきらうべきことのために、あなたの神、主は、あなたの前から、彼らを追い払われる。あなたは、あなたの神、主に対して全き者でなければならない。あなたが占領しようとしているこれらの異邦の民は、卜者や占い師に聞き従ってきたのは確かである。しかし、あなたには、あなたの神、主は、そうすることを許されない。あなたの神、主は、あなたのうちから、あなたの同胞の中から、私のようなひとりの預言者をあなたのために起こされる。彼に聞き従わなければならない。申命記18:9〜15

 占いが流行るのは、ある程度当たるからです。全くあたらなければ誰も信用しません。当たるのは、その陰にサタンや悪霊の働きがあるからです。小さな占い、たとえばこっくりさんでも、時にはそれをやった人に霊的な(あるいは精神的な)障害が現れることがあります。高度な占い師はサタンや悪霊との接触を持つに違いありません。
 人間が占いに走るのは未来への不安、現状からの脱却などの期待があるのでしょう。私は、いわゆる霊能者といわれる人のテレビ番組を見ることがあります。一体どれぐらい真実に迫れるのだろうと思うからです。中にはマクモニーグルのように驚くほど的中させる場合がありますが、ほとんどは核心には到達できない場合が多いようです。それはサタンや悪霊との取引の限界があるからだと思います。本当にサタンに魂を売った場合はもっと確率は上がるだろうと思います。その場合、支払う代償は身の破滅、そして永遠の裁きでしょう。マクモニーグルはアメリカ軍の霊能者戦略部隊の一員でした。

 今度は悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々とその栄華を見せて、言った。「もしひれ伏して私を拝むなら、これを全部あなたに差し上げましょう。」イエスは言われた。「引き下がれ、サタン。『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えよ。』と書いてある。」マタイ4:8〜10

 イエス様がサタンに試みを受けた時、サタンはこの世の全ての栄華をやると約束しました。これは単なるたとえ話ではなく、現実に実現することです。今でもサタンにひれ伏せば、占いの結果どころではなく、地上の富、栄華、権力は簡単に手に入ります。私はその現実を知っています。世の霊能者といわれている人々、悪しき権力者などの富と栄華は知られているではありませんか。しかし、それらのものはいつか失われて行きます。
 クリスチャンはこんな話は聞きたくないと、耳をふさぎ、遠ざかるのですが、世の人々はそれらのものに頼るという現実を無視してはならないと思います。
 この他、いわゆるイリュージョンと称する奇術の類はかなり悪霊によるものが多いと思います。その古典的な例はアメリカのフディーニです。彼は実際に悪霊によって奇術を行っていたことが知られていました。しかし、彼はそれを隠そうとして悪霊の悪口を言ったために悪霊に殺されたと聞きました。その他、降霊術、死者との交流(口寄せ)なども同じです。聖書の中に、一度だけ死者との交流を試みたケースがあります。

女はサムエルを見た時、大声で叫んだ。そしてその女はサウルに言った、「どうしてあなたはわたしを欺かれたのですか。あなたはサウルです」。王は彼女に言った、「恐れることはない。あなたには何が見えるのですか」。女はサウルに言った、「神のようなかたが地からのぼられるのが見えます」。サウルは彼女に言った、「その人はどんな様子をしていますか」。彼女は言った、「ひとりの老人がのぼってこられます。その人は上着をまとっておられます」。サウルはその人がサムエルであるのを知り、地にひれ伏して拝した。サムエルはサウルに言った、「なぜ、わたしを呼び起して、わたしを煩わすのか」。サウルは言った、「わたしは、ひじょうに悩んでいます。ペリシテびとがわたしに向かっていくさを起し、神はわたしを離れて、預言者によっても、夢によっても、もはやわたしに答えられないのです。それで、わたしのすべきことを知るために、あなたを呼びました」。サムエルは言った、「主があなたを離れて、あなたの敵となられたのに、どうしてあなたはわたしに問うのですか。Tサムエル28:12〜16

 これはダビデの前の王サウルが最後の戦いの前に、死んだ預言者サムエルを呼び出した記録です。一体、これは本当のサムエルだったのかどうかは議論のあるところで、ほとんどの解釈者は悪霊による幻だろうと言っています。ただ、サムエルの言っていることは極めて正しく、この口寄せ女がそこまで知っていたのかどうか不思議ですし、悪霊が言ったことだとすると実に信仰的な言葉です。これはごく例外的なことでしょう。死者と交流が出来るかどうか疑問ですし、神様は許されないのです。
 数年前に札幌のホテルで修学旅行の女子高生が焼け死ぬという奇妙な事件がありました。この少女はホテルの部屋で降霊術をしていたのです。五角形の星型の魔方陣を書いて、その先端と線の交差点にろうそくを立てて中に座っていました。その結果、ろうそくの火が衣服に移って火事になったものです。これは言わば悪霊のための人身御供です。サタンや悪霊は人間の命を奪うことに無上の喜びを感じるようです。

さて、この町に以前からシモンという人がいた。彼は魔術を行ってサマリヤの人たちを驚かし、自分をさも偉い者のように言いふらしていた。それで、小さい者から大きい者にいたるまで皆、彼について行き、「この人こそは『大能』と呼ばれる神の力である」と言っていた。彼らがこの人について行ったのは、ながい間その魔術に驚かされていたためであった。ところが、ピリポが神の国とイエス・キリストの名について宣べ伝えるに及んで、男も女も信じて、ぞくぞくとバプテスマを受けた。シモン自身も信じて、バプテスマを受け、それから、引きつづきピリポについて行った。そして、数々のしるしやめざましい奇跡が行われるのを見て、驚いていた。エルサレムにいる使徒たちは、サマリヤの人々が、神の言を受け入れたと聞いて、ペテロとヨハネとを、そこにつかわした。ふたりはサマリヤに下って行って、みんなが聖霊を受けるようにと、彼らのために祈った。それは、彼らはただ主イエスの名によってバプテスマを受けていただけで、聖霊はまだだれにも下っていなかったからである。そこで、ふたりが手を彼らの上においたところ、彼らは聖霊を受けた。シモンは、使徒たちが手をおいたために、御霊が人々に授けられたのを見て、金をさし出し、「わたしが手をおけばだれにでも聖霊が授けられるように、その力をわたしにも下さい」と言った。そこで、ペテロが彼に言った、「おまえの金は、おまえもろとも、うせてしまえ。神の賜物が、金で得られるなどと思っているのか。おまえの心が、神の前に正しくないから、おまえは、とうてい、この事にあずかることができない。だから、この悪事を悔いて、主に祈れ。そうすればあるいはそんな思いを心にいだいたことが、ゆるされるかも知れない。おまえには、まだ苦い胆汁があり、不義のなわ目がからみついている。それが、わたしにわかっている」。シモンはこれを聞いて言った、「仰せのような事が、わたしの身に起らないように、どうぞ、わたしのために主に祈って下さい」。使徒行伝8:9:〜24

 これは使徒たちと当時の霊能者の接触した記録です。当時も彼らは「魔術を行ってサマリヤの人たちを驚かし、自分をさも偉い者のように言いふらしていた。それで、小さい者から大きい者にいたるまで皆、彼について行き、『この人こそは[大能]と呼ばれる神の力である』と言っていた。」のです。いつの時代も同じですね。そしてこの魔術師は聖霊の現われを見て、金で買えると思ったのです。そしてペテロ先生に一喝されました。
 しかし、私たちはこのような接点を持つことを毛嫌いしていませんでしょうか。占い師も霊能者も穢れた霊に導かれていますが人々は彼らを求めているのです。だから私たちは真の神の霊、聖霊によって彼らに勝ることを示すことが出来るはずです。占いや超能力を超えた神の御力を見せてやりましょう。ただ彼らと同じ土俵でコンテストをするのではなく、彼らに無いもの、真実と愛によって勝利しましょう。

神がわたしたちに下さったのは、臆する霊ではなく、力と愛と慎みとの霊なのである。
Uテモテ1:7