2004・ 4・25  メッセージ         小 石 泉

今こそ岩の上に


だから、わたしのこれらのことばを聞いてそれを行なう者はみな、岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることができます。雨が降って洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけたが、それでも倒れませんでした。岩の上に建てられていたからです。また、わたしのこれらのことばを聞いてそれを行なわない者はみな、砂の上に自分の家を建てた愚かな人に比べることができます。雨が降って洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけると、倒れてしまいました。しかもそれはひどい倒れ方でした。」マタイ7:24〜27

 今週はちょっとマニアックな話に聞こえるかもしれませんが、自分で割引して聞いてください。私は最近とても心配していることがあります。それはイラクに対する、ブッシュ大統領の強引な戦争でキリスト教に対する批判が噴出するのではないかと言うことです。ブッシュ大統領は敬虔なキリスト教徒、ボーンアゲイン・クリスチャンという触れ込みですが、これは大いに疑問です。サタンの終局の目的の一つはキリスト教の解体です。だからさらに自称キリスト者の横暴、乱暴、理不尽を世界に見せ付けて、今後、キリスト教への非難、迫害が確実に世界規模で発生するのではないかと思うのです。
 また壮大な陰謀が始まっています。スターゲートと呼ばれるこの欺瞞はいかにも科学的な装いをして人類に送り出されました。私は、これは新しい進化論だと思います。スターゲートと言われてもぴんと来ない方にはグラハム・ハンコックの「神々の指紋」とか“新エジプト学”と言えば少し判るかもしれません。ある本によると、簡単に言うと「人類の過去・現在・未来に宇宙人が介入しているという、今後明らかにされる公的声明に備えて、大衆の反応を探るため」に小出しに発表されている本や講演、学会での発表です。
 この重要なベースはエジプトのギザのピラミッドです。まず、あのピラミッドはオリオン座を地上に写したものだという研究が発表されました。それは確かに正しいことのようです。次に火星のシドニア地方に人間の顔をした岩、人面岩とピラミッド群が発見されたとNASAが発表しました。しかし、これはその後取り消されました。それにもかかわらず研究者たちは、NASAは嘘をついているとして次々と色々な発表を行っています。
 この人面岩とピラミッドはエジプトのスフインクスとピラミッドに関係付けられ、そこから古代に異星人がやってきて火星に文明を築き、その後、地球にやってきたと説明します。その異星人は九位一体の神を持っていて「神とは神の九原理であるわれわれ全体に他ならない。われわれ以外に神はない」と言うのです。(かつてベニー・ヒンという伝道者はオーストラリアで、神の三位一体にはそれぞれ三位一体があって全部で九位三体だと言ったことがあります。彼はその後、間違いだったと取り消しましたが、間違いだ、で済むことではありません。クリスチャンはそんな間違いはしません。そしてこの話と似ていると思いませんか。)これにフリーメーソン、エドガー・ケーシーの予言が絡み、スタンフォード大学や情報機関アメリカのCIAやイギリスのM15が関わり、莫大な富が注ぎ込まれ、新しい信仰が形を持って現れようとしています。
 一体これはどうしたことでしょう。これには多くの人々が騙されるだろうと思います。その中にはクリスチャンも居るかもしれません。これは神の天地創造、三位一体、キリストの受肉(地上に一人の人格としてあらわれること)と十字架による贖罪などを一笑に付す思想なのです。明白なキリスト教への挑戦なのですが、当のクリスチャンは全く気づいていません。このスターゲートと協調して提供される、魔術、サタン礼拝の指南書である、ハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングをほめそやす牧師もいるのです! 21世紀はキリスト教が大幅に消滅する世紀となるでしょう。
 また、反キリストの登場すなわちサタンの受肉に関して最近気がついたのですが、彼は自分を約束のメシアと言うでしょう。これについては異邦人を騙すのは簡単ですが、ユダヤ人はそうは行きません。彼らには旧約聖書があって、その中にメシア予言と呼ばれるいくつかの条件があります。例えば誕生に関しても、ベツレヘムで生まれ、エジプトから呼び出され、ナザレ人と呼ばれると言うように、非常に難しいハードルがあります。キリストはそのすべてをクリアーされました。サタンがそのひとり子を誕生させるために全てをクリアーしなくとも、そのいくつかはクリアーしたかのように装うでしょう。そこでエジプトにこだわっているのかも知れません。
 いずれにしても全てを異星人、宇宙人にして宇宙からやってきたとするなら、ことは足りるでしょう。そして私の友人で元サタン礼拝者だったシスコさんは、悪霊は宇宙人として現れると言っています。また、最近ペンテコストの教派を惑わしている様々な霊的な流行など、いろいろな形、いろいろな分野でかつてない惑わしが始まっています。さて、こういう時に私たちはどう対処したらいいのでしょうか。イエス様は岩の上に家を建てるようにと警告しています。「雨が降って洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけたが、それでも倒れませんでした。岩の上に建てられていたからです。」
 岩の上に家を建てるとは具体的にどうすることでしょうか。もちろん信仰に堅く立つと言う意味ですが、もっとわかりやすく言うと聖書を読むことです。ろくに聖書も読んだこともないくせに聖書研究だとか解説書だとかを勉強したがる人が居ますが、私はまず聖書を繰り返し、繰り返し読みなさいと勧めます。生涯で少なくとも旧新約を50回は通読しなさい。御言葉の岩にしっかりと土台を据えなさい。

あなたが受けようとしている苦しみを恐れてはいけない。見よ。悪魔はあなたがたをためすために、あなたがたのうちのある人たちを牢に投げ入れようとしている。あなたがたは十日の間苦しみを受ける。死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、わたしはあなたにいのちの冠を与えよう。黙示録2:10

 「死に至るまで忠実でありなさい」というと随分極端だと思うかもしれません。しかし、人間はもっとつまらないことに命を掛けるものです。スポーツ選手はスポーツに、芸術家は芸術に。ひどい例は宗教、特に怪しげな教祖にいのちを掛けます。昔は主君に、天皇に、国家にいのちを掛けました。これなどはいくらか意味があることかもしれませんが、天の神様にいのちを掛けることは比較にならないほど重要なこと、幸いなことです。
 むしろ、いっそのこときっぱりと自分の命を掛けると決めると平安なものです。だってイエス様は「私についてきたいと思うなら、自分を捨て自分の十字架を負って」と言っておられるのですから。