メッセージ    2002・7・21    小 石 泉 牧師
 
一人の滅びるをも望み給わず


神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである。御子を信じる者はさばかれない。信じない者は神のひとり子の御名を信じなかったので、すでにさばかれている。ヨハネ3:16〜18

 これは聖書の中の聖書と言われている御言葉です。神さまは人間を愛され、一人子イエス様の命を罪人である私たちのために捨てさせられました。このすばらしい真理を、一人の人も知らないで居てほしくないと神様は願っておられます。私はそのために献身しました。私は教会を作るためでもなく、職業を選んだのでもありません。全てを捨ててこの道に入りました。だからと言って、別に偉くもなんともありません。

わたしが福音を宣べ伝えても、それは誇にはならない。なぜなら、わたしは、そうせずにはおれないからである。もし福音を宣べ伝えないなら、わたしはわざわいである。9:16(口語訳)

 パウロ先生のように、私が福音を伝えるのは誇りのためではなく、そうしないではいられなかったからです。そうしなければ“わざわい”だと思ったからです。おぼれている人を見て、手を差し伸べない人は居ないでしょう。同じように、いやそれ以上に、永遠の滅びに至ることがわかっていない人々を見て通りすぎることが出来なかったのです。
私は若いころオズワルド・スミス先生の『魂への情熱』と言う本を何度も何度も読んで、宣教師になろうと思いました。しかし、万代恒雄先生(故人)に「宣教師を一番必要としているのは日本だよ」と言われて日本の伝道者になりました。

わたしはキリストにあって真実を語る。偽りは言わない。わたしの良心も聖霊によって、わたしにこうあかしをしている。すなわち、わたしに大きな悲しみがあり、わたしの心に絶えざる痛みがある。実際、わたしの兄弟、肉による同族のためなら、わたしのこの身がのろわれて、キリストから離されてもいとわない。ローマ9:1〜3(口語訳)

パウロ先生は自分の同胞であるユダヤ人が本来は選民であるはずなのに、異邦人と同じように神さまの御心に無知で滅びて行くのを見たとき、心に大きな悲しみを持ち、自分は滅びに定められてもいいから、同胞を救いたいと願いました。私にはそこまで言う自信はありませんが、心の痛みは同じです。私も日本の1億2000万人の救いのために何かしたい、99.3%の滅び行く魂のためになら自分の人生を捨ててもいいと思いました。
しかし、心はあせっても、出来たことは本当にわずかでした。空回り、道草、迷い道、逆走。一向に成果の上がらない伝道に落胆することもしばしばです。

しかし、私にはこのほかに生きる道はありません。すなわち、わたしたちのうち、だれひとり自分のために生きる者はなく、だれひとり自分のために死ぬ者はない。わたしたちは、生きるのも主のために生き、死ぬのも主のために死ぬ。だから、生きるにしても死ぬにしても、わたしたちは主のものなのである。14:78(口語訳)


 私はへたくそな伝道しか出来ませんが、どんなことがあっても、やめることは出来ません。一人でも救いに導くために、生き続けるでしょう。私はこの教会の牧師を辞めることはあっても、伝道者を辞めることはないでしょう。それは私の人生そのものです。伝道者を辞めるときは死ぬときです。

私はキリストとともに十字架につけられました。もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです。ガラテヤ2:20

私はこのような偉大なパウロ先生のようには発言できませんが、しかし、事実は私だけではなく全てのクリスチャンはそうなのです。自分のために生きることは空しいことです。

十字架のことばは、滅びに至る人々には愚かであっても、救いを受ける私たちには、神の力です。コリントT1:18

 十字架の言葉、すなわち福音は、永遠の救いを与える力です。これは現実なのです。決して一つの宗教の主張ではなく、全ての人間が通る道なのです。

主は、ある人たちがおそいと思っているように、その約束のことを遅らせておられるのではありません。かえって、あなたがたに対して忍耐深くあられるのであって、ひとりでも滅びることを望まず、すべての人が悔い改めに進むことを望んでおられるのです。ペテロU3:9


 神さまは長い忍耐をもって、一人でも多くの人が救われることが出来るように待っておられます。一人も滅びないように願っておられるのです。私は微力ながらそのために生きます。あなたもあなたの置かれた場所でそうあってください。伝道者や牧師でなくとも、あなたの置かれた場所にはあなた以外には福音を伝える人は居ないのです。一人でも救いに導くために毎朝祈ってください。人には出来ないことでも神には出来ます。あなたも誰かを地獄から天国に送ることが出来るのです。そのためのチャンスをうかがっていてください。神さまの御心を覚えて、心を熱く燃やしてください。

死地にひかれゆく者を助け出せ、滅びによろめきゆく者を救え。箴言24:11(口語訳)