AP 通信
2007年7月3日
クルニコワ、サンプラスはワールド・チーム・テニスの主役を務める
文:Melissa Murphy


ニューヨーク( AP )――アンナ・クルニコワがシーズンを開始し、ピート・サンプラスは4試合に出場する予定である。そしてジョン・マッケンローは、ワールドチームテニス(WTT)の「ビッグ・ボーイズ」と互角にやろうとする。

ビリー・ジーン・キングが共同設立した男女混合リーグは、木曜日に32回目のシーズンを始める。1カ月間にわたるシリーズは、ビーナス&セレナ・ウィリアムズ、マリア・シャラポワ、トップランクのダブルス・デュオ、ボブ&マイク・ブライアン等の出演を呼び物とする。

キングと WTT コミッショナーのヤナ・クロスは、テニス界の革新者――インスタント・リプレイ、オンコート・コーチング、ノーアド・スコアリング(デュース時に1ポイントで決する)――であり、今回は11のうち2都市で「緑地化」に着手する。

「我々は緑地化における指導力役割を務めようとしています」と、FirmGreen 社と協働するエネルギー重視の運動についてクロスは語った。「それが莫大な仕事である事は承知しています。我々はサクラメント、ニューポートビーチの2チームと共に、カリフォルニアで始める事にしました」

クルニコワは木曜日に、スプリングフィールド・レーザーズ(ミズーリ州)と対戦するサクラメント・キャピタルズのホーム開幕試合で主役を務める。彼女にとって WTT の5シーズン目であり、3年連続でキャピタルズに所属する。

「普段は大きな大会が行われない都市でテニスが披露されるのは、とてもいい事だわ」とクルニコワは語った。「ファンにとても友好的なイベントで、現役のプレーヤーを、そして若い売り出し中の選手を見る事ができる。多様性があるの」

最年少の参加者は14歳のミシェル・ラーチャー・ド・ブリトーで、彼女は今年の前半、ミーガン・ショーネシーから番狂わせの勝利を挙げた。48歳のマッケンローは、リーグに参加する18カ国53人のプレーヤー中、最年長である。

マッケンローはニューヨーク・スポーツタイムズの一員として、ママロネックでプレーする。「私はビッグ・ボーイズと互角に戦えると信じている」と語った。マッケンローは7月25日、シャラポワ率いるニューポートビーチとのレギュラー・シーズン決勝にも出場する。

世界2位の選手に対する彼の戦略は?

「ナイスで、辞を低くしておく事さ――彼女は非常に背が高いからね」

サンプラスは、7月14日に「国際テニス名誉の殿堂」に叙せられるが、昨年夏に WTT デビューを果たした。彼はアランチャ・サンチェス - ヴィカリオと共に殿堂入りする。彼女はボストン・ロブスターの一員としてプレーする。

「現役の頃からチームテニスに誘われていたんだ」と、サンプラスは笑いながら語った。「再びプレーする事への最初の取り組みだった――コートに戻り、体調を整えさせてくれた。僕は少しばかり錆びついていたようだが、楽しかったよ」

プレーヤーはリラックスした雰囲気の中でマスコット、コーチ、チアリーダーと戯れたり、ゲームの間には音楽が流れたりする。しかし一端プレーが始まると、真剣になる。

「競技的であり、本物のやりとりだ」と、ニューポートビーチ・ブレーカーズの一員として参加するサンプラスは語った。「我々は勝つためにプレーする」

男女シングルス、ダブルス、混合ダブルスの形式で、4ポイント・ゲーム、5ゲーム・セット、スーパー・タイブレーク制が導入される。

「観客は試合にのめり込んで、多少は騒ぐ事ができる」とサンプラスは語った。「僕はイベントのチーム的な雰囲気を楽しんでいる。チームテニスはビリーの多大な貢献のおかげだね。親しみやすく、ファンとの繋がりがあるんだ」

サンプラスは7月10日にホームでサクラメントと対戦し、ニューヨークへ移動して(7月18日)、フィラデルフィア(7月19日)、セントルイス(7月24日)と対戦する。彼はゴルフをしたり、4歳半のクリスチャン、もうすぐ2歳になるライアンと共に過ごしてきた。

26歳のクルニコワは、背中と足の怪我で2003年に引退した。オーストラリアン・オープンで2回(1999、2002年)グランドスラム・ダブルスタイトルを獲得した。現在はボーイズ& ガールズ・クラブでテニスクリニックを行い、新しいスポーツウェア・ブランドに着手している。

彼女が属するサクラメントの監督は、ブライアン兄弟の父ウェイン・ブライアンである。

「ああ、彼はただもって爆発的よ」とクルニコワは語った。

「彼は正真正銘のテニス熱狂者なの。ゲームが好きで、本当に驚くべき動機づけの名人だわ」

FirmGreen 社は代替燃料とエネルギーの会社で、エネルギー節約についてファンに考える動機を与えようと努めている。リーグの6スポンサーの1つで、FirmGreen 社の代表取締役スティーブ・ウィルバーンは、ニューポートビーチの年間チケット保有者である。

「緑地化」運動には、植林、ソーラー板の使用、リサイクルやハイブリッド・バス導入に関するファンへの啓蒙が含まれる。プレーヤーはリサイクル素材でできた「グリーン・カーペット」上で紹介される。

「私たちは自身をシンクタンクと見なしています」とクロスは語った。「新しい物を試みるのは良い事だと考えています。リーグの歴史を通じて、それを果たしてきました」

試合はテニスチャンネルで放映される他に、ヒューストン、カンザスシティー、デラウェア州ウィルミントン、ニューヨーク州シュネクタディを含む WTT 開催都市では、地域放送でも放映される。外国人プレーヤーは、ロシア、オーストラリア、日本へのテレビ放映権に対して関心を促している。

4歳から16歳までの子供は、スポンサーのアドバンタから無料のテニスラケット(約10万本)を受け取り、1年を通して WTT レクリエーション・リーグに参加できる。

クロスは夏の「チームシーズン」をUSオープン・シリーズの一環として、合衆国テニス連盟との連繋を希望している。

「我々は地域レベルからスポーツを盛んにする、信じ難いほどの手段になれるでしょう」と彼女は語った。

キング・トロフィーを目指す WTT 選手権は、7月27〜29日にカリフォルニア州ローズビルで開催される。