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テニスワン ニュースレター
2006年4月15日
サーブ&ボレーのスプリット・ステップ――サンプラスのスタイル
文:Heath Waters
*上のリンクで「テニスワン」のサイトへ入り、ビデオを見てください。


今日は、サーブ&ボレー・ゲームで一般的に最も忘れやすい要点の1つ、スプリット・ステップを検討する。この極度に単純化されたフットワークの実行は、テニスで最も誤って認知されている動きの1つである。多くのツアープロでもこのフットワークをし忘れたり、あるいはスプリット・ステップのタイミングやテクニックが拙かったりする。

いつ
写真をクリックするとサンプラスのビデオが見られる。

プレーヤーがスプリット・ステップをしようとすると、ボールは既に通り過ぎている場合があまりにも多い。よく聞く話か? このプレーヤーは、バランスを取るために何らかのフットワーク・アクションがあるべきだと理解はしている。しかし正確にタイミングを計っていないので、間違った時に空中にいて、横に、あるいは垂直に動いてパッシングショットを捕らえる事ができないのだ。

ネットに向かって全力でただ走るプレーヤーもいる。皆はもっと用心した方が良い。なぜなら、このプレーヤーを止め得る唯一のものは、マッハ1のスピードで胸に当たるボールだからである。このプレーヤーは、ネットに近づけと教えられてきたのだろうが、もしボールが1インチでも手の届かない所へ打たれたら、その教えは忘れなさい。ポイントは終わっているし、彼あるいは彼女は抜かれている。

彼らは単にスプリット・ステップをしないばかりか、マッハ1で前進する際に、むしろすり足をしているのだ。これらのプレーヤーが、リーチからたった2インチの所を通る、その捕らえ難いパッシングショットを捕らえようとして倒れるのを見た事さえある。これもよく聞く話だろうか?

よって「いつ」という問題は非常に重要である。上にあるサンプラスの第1ビデオを観察し、ボールが彼の対戦相手から2〜3フィートの所にある時、彼がスプリット・ステップをしている事に注目しよう。サンプラスがコートのどこにいようが、そして対戦相手が打つ全てのボールに対して、必ずこれを行っているのが分かる。

このビデオには3回のボレーがあるが、3回ともサンプラスは、対戦相手にボールが到着する2〜3フィート前でスプリット・ステップをしている事に着目しよう。同じく、次のように考える事ができる。

ボールが対戦相手のストリングス上にある時、空中にいるよう、ジャンプする事を意識しよう。あるいは、対戦相手のストリングス上にボールがあるのと同じ時に、スプリット・ステップから地面に着地するようにしよう。

こうすると、もし対戦相手が自分のリーチから外れた所へボールを打っても、より簡単に方向を変える時間をとれ、バランスを保つ事ができる。

どこで
写真をクリックするとサンプラスのビデオが見られる。

どこでスプリット・ステップをするかは、「いつ」という問題と密接に関わっている。しかし注目すべきは、「どこで」は、ファーストサーブとセカンドサーブの場合で、概して異なるという事である。それぞれのサーブで、ボールのペースが異なるためである。

サンプラスの第2ビデオを観察し、彼がファーストサーブを打った後、1ステップしただけでスプリット・ステップに取りかかり、スプリット・ステップを開始した時には、ベースラインとサービスラインの中間に位置していた事に注目しよう。

「いつ」のビデオ(ページのトップ)では、サンプラスはセカンドサーブを打ち、スプリット・ステップに取りかかる前に2ステップする事ができ、スプリット・ステップはサービスラインのすぐ後ろで実行された。つまり、セカンドサーブではサービスラインに近づく事ができ、ファーストサーブの場合は、スプリット・ステップ前にはサービスラインへの途中に到達できるだけである。

もちろん、スプリット・ステップの位置は、自分のサーブのペースにもよる。よって、自分のサーブがサンプラス並みでないなら、これは絶対的なものではない。ここでの重要事項は、ファースト&セカンドサーブで、ボールが対戦相手から2〜3フィートの所に来る前に、どこまで到達できるか、である。そして次に、サーブ&ボレーをする度に、そのスポット近くへ達するように試み、これがボールへの動きに役立つかを見てみよう。

そこで、スプリット・ステップ前にネットへ走る際、ごく遅いサーブを打って1歩、2歩、あるいは3歩ステップをするという実験をしてみよう。練習の時に、自分に有効な「いつ」「どこで」を見つけだす実験をし、それから次のサーブ&ボレー・ゲームへと応用しよう。このテクニックを正しく実行すれば、かつてないほど動きとネット・カバーが上達しているであろう。