テレグラフ
2007年12月17日
ピート・サンプラスが好敵手に出会った日
文:Mark Hodgkinson


ピート・サンプラスは、初めてロジャー・フェデラーの卓越を認識した時に思いをはせる。2001年ウインブルドンのセンターコート上だった。

フェデラーは当時まだ19歳で、センターコートでのデビュー戦だったが、5セットで4回戦の戦いに勝利し、7回のチャンピオンを大会から葬り去った。それは両者のキャリアにおいて最も重要な試合の1つと位置づけられている。

「2001年の時、その子供は才能とすべてのショットを持っている、ボールを操る事にかけてはすでに一流だと実感した。同じく、ロジャーは素晴らしいアスリートで、コート上でのバランスに優れ、動きがとても良いと分かった」とサンプラスは語った。

「だがロジャーがすべてを纏め上げ、精神的にも充実するには2年ほどかかった。その年、彼は次のラウンドでティム・ヘンマンに敗れた。そして翌2002年には1回戦で敗退した。しかしその後、2003年に初のタイトルを獲得した。彼は7タイトルという僕のウインブルドン記録を破ると思うよ。彼は今、あと2つ足りないだけだ。これから数年間、ウインブルドンで彼を着実に倒せる者が現れるとは思えない」

その2001年の対戦は、サンプラスとフェデラーがツアーで相対した唯一の機会だった。サンプラスはピークを過ぎており、フェデラーは「ガキ」だった。しかし、もし全盛期のサンプラスが全盛期のフェデラーとセンターコートで出会っていたら、どうなっていただろうか?

「どちらが主導権を握っていたかは分からない」とサンプラスは語った。

「僕たちが共に全盛期で対戦していたら、素晴らしかっただろう。僕たちのゲームは異なっている――僕はサーブ&ボレーヤーで、ロジャーはもっとベースラインにステイバックする。ウインブルドンの芝生でも」

「僕たちは素晴らしいライバル関係を築けたかも知れない。だが偉大なライバル関係や素晴らしい試合というものは、保証されうる訳ではない。ただ生じるんだ」