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2007年5月7日
サンプラスのウインブルドン復帰はなし
チャンピオンズ・カップで優勝しても、彼は戻る「理由」を考えていない


ボストン――ピート・サンプラスは、ウインブルドンで再び名声を危険にさらす理由を考えていない。

今週末、サンプラスは5年前に引退してから初めて競技へと戻り、日曜日に行われたスリル満点のチャンピオンズカップ決勝戦では6-3、5-7、11-9でトッド・マーチンを破った。

サンプラス――現在35歳―― は今でも芝生で本物の存在だろうと考える権威者は、他ならないジョン・マッケンローである。しかし14回のグランドスラム・チャンピオンは、オール・イングランド・クラブへ復帰する気にはならない。そこで彼は7つのシングルス・タイトルを獲得した。

「ただプレーするためにウインブルドンでプレーする気はない――僕がプレーするのは、勝つためだ」とサンプラスは語った。「カムバックするには理由があるべきだが、僕には戻る理由がない」

30歳以上の元トップ選手たちによるチャンピオンズシリーズ大会において、36歳のマーチンは試練を与えはしたが、サンプラスはインドアの決勝戦で見事な戦いぶりを披露した。

2002年USオープンで優勝した後に引退した時、サンプラスは31歳になったばかりだった。64のキャリアタイトル中、最後のものとなった。

7月には「国際テニス名誉の殿堂」に叙せられるが、フィットネス向上のためにプレーを再開するまで、ほぼ3年間サンプラスはラケットを握らなかった。

彼の復帰を見にきた人々の中には、彼が見る影もなく変わり果てているのではないかと恐れた者もいたかも知れない。だが彼のサーブは殆ど衰えを見せず、フォアハンドは彼がテニス界を支配していた頃と同じく凄まじいものに見えた。

マッケンローは土曜日の試合でサンプラスにストレートセットで敗れたが、「ピストル・ピート」の変わらぬ大ファンである。

遠慮なくはっきりとマッケンローは言う。サンプラスは――適切なサーフェスであれば――今でも、ナンバー1のロジャー・フェデラーを含む世界最高の選手と渡り合えるだろうと。

「あの男は芝生のマスターだ」とマッケンローは言った。「ロジャーは彼とやれると言うだろうが、不安も抱くだろう」