USTA.com(アメリカ・テニス協会ウェブサイト)
2006年4月4日
サンプラス - ジネプリ戦は USTA.COM のウェブキャストで放送


クリス WIDMAIER:こんにちは、皆さん。今日はピート・サンプラスのテニス復帰に関する電話記者会見に参加してくださり、ありがとうございます。彼とロビー・ジネプリの対戦は、4月6日木曜日に、テキサス州ヒューストンの『リバー・オークス・インビテーショナル』で行われ、USTA.com にてインターネット・ライブ放送されます。

インターネット・ライブ放送は、東部時間で午後8時15分から試合前のショート・ショーが始まり、引き続き午後8時30分から試合の完全ライブをお送りします。

USTA.com のライブ・ウェブキャスト(インターネット上の番組)は無料で見られます。試合はテレビ放送されません。よって USTA.com は、ファンが試合のライブ放送を観られる唯一の放送局となります。

今日の電話では、USTA の高等メディア部長ジェフ・ヴォルクから、製作に関してお話を伺います。それから、ヴァン・バリーに話していただきます。彼は二役を務めます。『リバー・オークス大会』のトーナメント・ディレクターであり、インターネット・ライブ放送では解説も行う予定です。最後に、ピート・サンプラスから出場にあたっての短い発言を伺います。

お三方には、今日の電話記者会見に参加してくださり、感謝します。ピートの発言に引き続いて、メディアとの一問一答に入ります。

前置きはこのくらいにして、ジェフ・ヴォルクに引き継ぎます。

ジェフ・ヴォルク:ありがとう、クリス。皆さん、電話会見に参加してくれて、ありがとうございます。
先週、USTA はウェブサイトを新しくしましたが、利用者により親しみやすくなると信じています。我々の目標は、ここ1カ所でテニス・ゲームの全てを網羅する事です。利用者がゲームにより親しめるよう企画された、いくつかの新しい対話型特集を紹介する事を誇らしく思います。

4月6日木曜日の午後8時15分、ピート・サンプラスのコートへの帰還を特集する、このインターネット・ライブ放送は、 USTA.com、USオープンシリーズ、USOpen.org を依然スポーツと技術の最先端に位置づけるという計画に適合しています。

今回は、注目のテニス試合がウェブ上で独占ライブ中継される、初の機会になります。我々はテニスのゲームを、ファンにより近づけたいと考えています。そして2002年USオープン優勝以降、初めてとなる試合で伝説的偉人ピート・サンプラスに会えるのは、その目的を達する助けとなるでしょう。

木曜日の午後8時15分に USTA.com を訪れるファンは、引き続きインターネット・ライブ放送で、ピート・サンプラスとロビー・ジネプリの独占インタビューを見る事になります。我々は技術パートナーの IMG Media と共同で、4台のカメラを用いた最高品質のライブ・ブロードバンド番組を制作しています。試合後に要求がありしだい、全放送が USTA.com でカバーできます。

という事で、『リバー・オークス』大会のディレクター、ヴァン・バリーに引き継ぎたいと思います。

ヴァン・バリー:ありがとう、ジェフ。そして参加してくれた皆さん、ありがとうございます。
大会の歴史を簡単にご紹介します。『リバー・オークス・インターナショナル』は、今年で72回目となります。1931年に創設されました。
詳細については、大会サイト『 RiverOaksInternational.com 』で完全な情報をお伝えしています。

ここには、通常の大会の一部として24人の選手が参加します。ロビー ・ジネプリは第1シードです。

加えて、ピートとロビーはエキシビション・マッチを行います。それは正規の大会の一部ではありません。ピートはドローに入っていません。彼は木曜日の夜に、ロビーとの1試合をします。よって、ロビーは今週2つのイベントでプレーする事になります。通常の大会では、彼の初戦は明日、そして木曜日の夜には、ピートとの試合に臨みます。

またさらに、友人のジョン・ グラナードと一緒に、共同コメンタリーを喜んで務めさせていただきます。我々は以前、ここリバー・オークスでテレビ放送の仕事をしていました。皆さんに素晴らしいショーをお送りしたいと考えています。ピートがこのイベントに加わってくれ、我々はただもう興奮しています。ピートは1988年に、ここで一度プレーしました。USオープンに優勝する2年前の事です。彼はリッチー・レネバーグに敗れましたが、ちょっとした歴史的事実と言えましょう。
それでは、ピート・サンプラス氏に引き継ぎましょう。

訳注:ピートの発言は「です、ます」表現をしません。

ピート・サンプラス:ありがとう、ヴァン、そして電話会見に参加してくださった皆さん。
再び皆の前でプレーするのを楽しみにしているよ。息子の前ではなくね。だから僕は少しばかり緊張するだろう。ロビーと対戦するのを楽しみにしている。彼は優れた若いアメリカ人選手だ。そして試合がオンラインで見られるという事にワクワクしているよ。この2週間ほど、僕が練習していると「どこでプレーするのか?」と尋ねられたが、テレビでは放映されないと答えていた。彼らはオンラインでテニスを見る事ができる。どんな風になるのか、楽しみだ。

今年は僕にとって、いわば外へ出て少しばかりテニスをし、そしてテニス界でもっと何かをする年になる。という事で、誰でもどんな質問でも、どうぞ。

クリス WIDMAIER:ピート、参加してくれた事への感謝をこの電話でお伝えしたいと思います。素晴らしい事です。USTA.com であなたを見て、ファンはみんな熱狂するでしょう。あなたがロビーと対戦するのは楽しみです。彼はとても良いプレーをしています。
それでは、ダグ、もう一度指示をくれたら、メディアとのQ&Aに入ります。


Q. ピート、恐らく皆が知りたがっている事だと思いますが――そして以前にも訊かれたでしょうが――あなたは優勝してテニスから離れるという、とても羨ましい辞め方をしました。「戻る時」だとした時、その決定の要因となったのは何ですか? どれくらいの時の経過を望んだのですか? 戻ってきて、ここと『ワールド・チーム・テニス』でプレーする事は、何らかの意味で、あなたの引退の「時」の意味を変えるだろうかと気掛かりですか?

ピート・サンプラス:それが変わっていくとは思わない。変わらないと分かっている。このスポーツをする事と、引退から戻ってくる事とは、全く別ものだと承知しているよ。それは生活の全てだ。そして僕はすでに、ツアーでの生活を経験してきた。今、妻と2人の子供がいて、再びプレーするに際して、自分でスケジュールを決められるし、多くも少なくもできるんだ。

基本的には、引退した後、楽しむ時間を取った。ゴルフをしたり、面白い事をしたりね。そういう事を数年間して、次は何だろうと自分に問いかけた。もっと何かをして、物事を果たして、いわば自分をもっと忙しくしておく必要がある。昨年の終わり、もし適当な場があれば、今年はプレーする事にしようと考えたんだ。ヴァンが約1カ月前に僕のところに来て、ヒューストンでプレーするのはどうかと訊いてきた。僕たちは協約を実現して、だから僕はここにいる。先月の間、ボールを打ってきた。自分にばつの悪い思いをさせないよう願っているよ。

プレーを楽しみにしている。だが、僕は今までよりも何かをし始める時機に来たという事だ。引退すると、2年間くらいはできる限りスポーツから離れていたくて、それから、自分自身のペースで戻ろうと望むようになる。これが僕の始めるペースだ。ヒューストンで寛いだ試合をして、願わくば人々に楽しんでもらい、そして自分が楽しみたいよ。

Q.2つの質問です。どこで練習したのですか? また、今回への準備として、誰とヒッティングをしたのですか? 当然ながら、ロビーは本格的な選手です。だから、あなたはそれなりに、本気のテニスができなければなりません。
もう1つの質問です。あなたはここでゴルフをしますが、ハンデは幾つですか?

ピート・サンプラス:ハンデは5だ。うん、一緒にコースを回る何人かのアスリートに比べると大した事はないけど、オーケーだよ。

僕はジャスティン・ギメルストブと少しばかりヒッティングをした。それが、いわば初めてボールを打ち始めた時だった。UCLA(カリフォルニア大学ロサンジェルス校)男子チームのトップ選手たちとも打ち合った。彼らはロビーのレベルではないが、僕が見つけられた最高の相手だ。この2日間、クレーでヒッティングをしたよ。ちょっと慣れるためにね。

クレーでというのは、僕の初試合としては簡単ではないだろう。少し不安もあるけれど、みんなの前でボールを打つという事にワクワクしているよ。

Q. 昨年のUSオープンでのアンドレ・アガシのプレーは見ましたか? 同じく報われませんでしたが、マルチナ・ヒンギスのカムバックに注意を払いましたか? 両者への、あなたの印象はいかがですか。また、アガシのケースは、あなたが再びプレーしようという気になった事に、何らかの役割を果たしましたか?

ピート・サンプラス:
ええと、これだけはハッキリさせておきたいが、僕が少しばかりエキシビションでプレーするからといって、それは引退から戻るという事ではないよ。

Q. 承知しています。

ピート・サンプラス:少し集中すべき事を持ち、体調を整えて、そしてちょっと楽しむという事だ。

USオープンでのアンドレの快進撃についてだが、テニス界の中でも相当に素晴らしいものだと思う。彼は明らかに世界最高の選手に出くわし、試合の中ではチャンスもあったが、成功しなかった。

マルチナについては、彼女がカムバック可能である事には驚いていないよ。彼女がストップしたのは、かなり若い時だったから、タンクに燃料が残っていた。女子テニス界はそれほど選手層が厚くないので、彼女のゲームと現在の意欲なら、順当なカムバックを遂げられるのは驚くに値しないだろう。

Q. テニス、つまりプロツアーの競技テニスについて、何を懐かしく感じますか? そして何を懐かしくは思いませんか? それが最初の質問です。2番目の質問ですが、全くテニスをしない期間はありましたか? それとも、単にレクリエーション的なものであったとしても、引退後の数年間、テニスはあなたの生活の一部でしたか?

ピート・サンプラス:
最初の質問だが……。

Q. 何を懐かしみ、何を懐かしく思わないか?

ピート・サンプラス:
集中する事が懐かしいね。計画だった生活が懐かしい。準備が懐かしい。その部分を懐かしく感じるよ。メジャー大会がとても懐かしい。つまり、それらの大会、ウインブルドン、USオープンや他の大会の2週目が懐かしいよ。その時のためにプレーするんだ。最終日が懐かしい。そして、ウインブルドンの最終日曜の午後2時、それを懐かしく思う。間違いなくね。

恋しくないのは旅行、プレッシャー、トップに居続けるというストレスだね。キャリアの大部分、僕の胸には標的があったように思う。だから、いわば皆の太刀先をかわす事は、懐かしくないものだ。

仕事は、いつも心にあるものなんだ。食べる事と睡眠、それは基本的に生活だ。テニスに関してその類の部分は恋しくない。むしろ僕の神経を少しばかりすり減らしたよ。(笑)
2番目の質問は何だったかな?

Q. 全くテニスをしない期間はありましたか? それとも、レクリエーション的なものだとしても、ずっとプレーをしていましたか?

ピート・サンプラス:
まあ、このプランが持ち上がった時、それが、僕が初めてラケットを握った時だったよ。だから引退後は……、ほぼ3年間、ラケットでのプレーはしなかった。

Q. 3年間、あなたはラケットを握らなかったのですか? 楽しみとしてさえプレーしなかったのですか? 全く?

ピート・サンプラス:
いやいや。つまり、僕の子供と一緒にやる以外はって事だ。でも、しなかったね。あちこちで少しばかりボールは打ったけれど、真剣にではない。

それが生活であり、何年も生活を支配してくると、つまり、様々なスポーツのいろいろなアスリートと話をしてきたが、できる限りそれから離れていたいと思うんだよ。ある日、戻って来て、少しばかりボールを打ちたくなるんだ。ジョー・モンタナは引退後、もうフットボールを投げているとは思わないよ。しばらくの間、ただシャットダウンするという事だ。充分に長くシャットダウンすると、少しボールを打つのが楽しみになる。

先月は楽しかったよ。体調を整えて、自分が得意だと知っている事を実際にやる。ボールがどこへ飛んでいくか承知した上で、そこへ飛ばす事ができる。

Q. あなたのプレースタイル、サーブ&ボレーを今日のゲームに合わせる事について、どう考えているでしょう。あなたが引退してから、ずいぶん変わったと思いますか? より難しいだろうと思いますか?

ピート・サンプラス:
質問の最後を聞き損ねたけれど、だいたいは聞こえたよ。

サーブ&ボレーのゲームを懐かしく思う。だが、ナチュラルなサーブ&ボレーをする者は、あまりいないね。ビッグサーブを打って前へ詰めるかも知れない選手はいる。しかし、サーブ&ボレーの芸術は、おおかた消滅している。ほんの少しする者は何人かいるが、全体的には皆ステイバックして、グラウンドストロークを打ち合うだけだ。僕はコントラストを恋しく思う。1人がネットへ詰め、1人が守るというゲームが懐かしい。それがベストのテニスだと思っている。

だが、それは時代の兆候だ。この2年ほど、ウインブルドンで示されていた方向だ。コートのすり減った部分は、ネット際ではなく、ベースラインだ。それで、もし僕が今日プレーしていたら、芝生で舌なめずりしていただろう。

だが、ただそういう方向なんだ。残念ではあるが、それはテニスが向かう――あるいは、向かっていった方向だ。

Q. 準備を整えるに際し、実際にどれくらいの時間を費やそうとしているか、ちょっと教えてもらえますか。

ピート・サンプラス:
だいたい1日に2時間、週に4〜5日ヒッティングしてきたよ。つまり、僕はいいプレーをしたい。そして、自分の身体が持ちこたえるかをハッキリさせたいんだ。1試合をする事はできると思うよ。次の日にどんな感じになるかは、心配していない。

僕はジムでトレーニングしたり、走ったり、少しばかりウェイトを挙げたりもしてきた。昨年の間それをしてきた。テニス向きにベストとは言えないが、この試合をやり遂げるのに充分な体調ではあるよ。

ボールを気持ちよく打ってきたし、より大きいラケットを試している。もう少しパワーを与えてくれ、僕の腕により優しい。そうやっている。

Q. ここに新聞の新版があります。あなたを論争に引き込みたくはありませんが、(セルジ)ブルゲラのコメントを聞いたか、あるいはそれに何か意見があるでしょうか。彼はフェデラーをずっと上にランクし、基本的に彼のゲームはサーブ以外、すべての面であなたのより優れていると言っています。あなたは見ましたか?

ピート・サンプラス:
見ていない。皆、それぞれの意見を持っている。ロジャーがプレーする様子、彼が支配する様、彼はとても優れて見える。彼が史上最高の選手であると断言するのは難しい。フェデラーの世代、僕の世代、レーバーやかつての選手たちの世代を比較するのは困難だ。フェデラーがここ暫くでベストのゲームを持っているのは間違いない。だが僕は、自分もちゃんとやっていると感じていたよ。

まあ、セルジはツアーにいて、ゲームを分かっている。だが、皆それぞれの意見を持っているからね。

Q. あなたの頭の中で、「おい、僕はゲームに戻りたい、プレーし始めたい」と、電球がピカッと閃いた瞬間のようなものはありましたか? 何か試合を観た、あるいはそういった瞬間はありましたか?

ピート・サンプラス:
何も……。それはただ昨年中、僕の中でしだいに育っていった気持ちだったんだ。昨年の半ば頃、僕はいわば……今よりも、もう少し何かする必要があるように感じた。ちょうどクリスマス頃、決心したんだ。もしエキシビションとか何かがあって、それが僕の旅行日程や家族に適合していたら、参加してもいいかな、と。

1カ月前ヴァンが僕のところに来て、僕は参加を決め、そして翌日、ボールを打ち始めた。僕がコントロールできるスケジュールだ。『ワールド・チーム・テニス』でもプレーするよ。それほど努力を要する事じゃない。ちょっと忙しく行動的になり、体調を整えるという事だ。

Q. 第2に、友人が私に話してくれたのですが、あなたにはポーカーという、もう1つの新しい趣味があるとか。Bravo(チャンネル?)で、あなたを見るようになるでしょうか?

ピート・サンプラス:
(笑)いやいや。自分の限界は知っているよ。前に言ったけれど、それは僕がテレビで見て、ロスの家で週に1度ゲームをするものだよ。楽しむだけだ。友人たちと集まって、自分で自分にきまり悪い思いをさせるのさ。
楽しいけれど、それほどトラブルに陥る事はないよ。

Q. あなたは今でも古いラケットを使っているそうですが?

ピート・サンプラス:
フェデラーのラケットを使ってみた。僕が使っていたのより、もう少し大きいのを。よりパワーがあるが、コントロールがもう一つなんだ。特にフレームヒットした時にね。

Q. マッケンローのような男と対戦するとして、チームテニスをする事について、どのように感じていますか?

ピート・サンプラス:
かなりいい感じだよ。僕はけっこうなプレーをしている。テニスをするのは自転車に乗るようなものだ。やり方を忘れない。それよりも気に懸けているのは、自分の動きや身体、そして実際にバックハンドやフォアハンドを打つ事だよ。誰と対戦するかは、それほど心配していない。

Q. 今でも少しばかり尊大さが残っているような口振りですね。

ピート・サンプラス:
テニスコートに上がる時はいつでも、自信ありげに振る舞うんだよ。練習している時でもね、今でも自分を『仰天』させたいんだ。テニスは今でもかなり上手くやれる……以前ほどじゃないけど。かつてのようには動けないが、今でもかなりハードなサーブが打てるし、充分に動けるよ。

Q. ピート、アンディ・ロディックが苦しんでいるのを見たり、あるいはドナルド・ヤングのような若い選手がランキングを上げてくるのを見ると、あなたの知識を分け与えたい、コーチングしてみたいと思う事はありますか?

ピート・サンプラス:
僕はコーチングはしない。聞かれもしないアドバイスはしない。つまり、もしアンディか誰かが求めるなら、僕は喜んでアドバイスするよ。だが、アンディに電話なり電子メールをして、「いいかい、君はこれを始めるべきだ」とか何とか言ったりはしない。僕はそういうタイプじゃないんだ。

けれども、もし必要なら、僕は彼らのために、いつだってここにいるよ。彼らが僕に、気軽に尋ねたいと感じるかどうかは知らない。だが僕はゲームに関して、そして何が必要かについて、意見と考えを持っている。

Q. コートでプレーする以外に、テニス界におけるあなた自身の役割とでもいうものを、何か想定していますか? 何か考えはありますか?

ピート・サンプラス:
大してないね。僕はインディアン・ウェルズ大会に投資している。ビジネス面でいうと、僕はここ、砂漠(パーム・スプリングス)で大会の共同所有者を務めてきた。それ以外には、このエキシビションでプレーする事、そして恐らく、今年はもう少しあちこちでプレーするかも知れない事だね。

その程度だ。だが僕はいわば忙しくして、行動的でありたいと思っている。

Q. 現在の合衆国におけるテニス人気の状況に関して、何か考えがありますか。改善され得ると思いますか。もしそうなら、どのように? それに関して、フェデラーのような1人の選手が――あなたの時代のあなたのように――支配する時代が来ていると考えますか。ゲームに活気を生み出すという点で、それはテニス界にとって良い事でしょうか、それとも別の働きをするでしょうか?

ピート・サンプラス:
1人の人間が支配するというのは、裏目に出る事もあり得ると思う。それがタイガー・ウッズでない限りね。つまり、テニスではライバル関係が受けるんだ。もしフェデラーと、アメリカ人であるロディックが頻繁に対戦し、メジャー大会の決勝で何回も対決したら、テニスのファンではない人も、見るようになるかも知れない。

テニスは今でも、とても人気が高いスポーツだよ。筋金入りのファンがいると思っている。だが人気という点では、つまり、今はフェデラーがしごく易々とテニス界を支配し、彼が勝つと誰もが予想している。彼がアメリカ人ではないという事が、ここでは恐らく人気や視聴率に、少しばかり陰りをもたらしているのだろう。合衆国では、それがテレビの現実だ。つまり、他の多くのスポーツと競合しているからね。

僕が支配していた頃も似たようなものだった。僕がアメリカ人であってもだ。アンドレと僕がしばらく競り合っていた頃は、アメリカのファン、特にテニスファンではない人々を惹き付けていたと思う。それが、スポーツが必要とするものなのだろう。常に、どんなスポーツでも必要としている。ヤンキーズ対レッドソックス、レイカーズ対セルティックスのように。

テニスでは、まつわるべき何か、歴史や因縁といったもの、ライバル関係などが求められ、受けるのだろう。テニス界には、今のところそれがない。ほぼ、ロジャーが容易に皆を負かしているだけだ。この先もし誰かが彼を少しばかりプッシュできるなら、それが助けとなるだろう。

けれども、アメリカのテニスは力強いと思っているよ。ロジャーなり何なりのレベルに達していないだけだ。

Q. あなたは恐らく、ごく近くからはゲームを見ていませんね。ジェームズ・ブレイクの上り調子について、どう思いますか。彼はトップ10の壁を破りました。早い段階で、彼がそうなると予想していましたか? デビスカップで彼と一緒でしたね。同じくロビーについて、彼をプレーヤーとしてどう考えるか聞かせてください。

ピート・サンプラス:
いいとも。ジェームズについては、僕はかなりよく知っている。彼はデビスカップチームの一員だった。ジェームズについて気に入っているのは、彼の運動能力だ。彼は動きが素晴らしく、コートのどこからでも見事なショットを打つ事ができる。コートのどこにいるか、どれくらいハードに打つか、いつ攻めるべきショットを打つかの選択などに関して、彼は成熟してきたのだと思う。

彼は自分をより信じているだろう。昨年のUSオープンでの快進撃が――恐らくアンドレを負かすべきだっただろうが――彼に多くの自信を与えたと思う。一生懸命に努力し続けるのみだ。彼は良い心構えをしている。彼の気質は、いわば制御されている。彼はどんどん良くなっていき、望む限り長くトップ10にいられるだろう。だから彼は正しい道を進んでいると思う。進歩している。

ロビーについては、彼の事はあまりよく知らないんだ。知ってはいる、少しばかり一緒に練習した事があるからね。彼は力強い頑健な男で、ステイバックしてボールをハードに叩く。サーブもいいし、動きもいい。彼は優れたアスリートだ。

彼と対戦するにあたり、僕は精一杯やるつもりだよ。彼は現役で、僕は勝ち目のうすい格下として臨む。願わくば、コートスピードが少しばかり速くて、僕のサーブが彼に有効ならばね。だがそれは……。

Q. かなり遅いです。

ピート・サンプラス:
そうだってね。知ってるよ。

Q. 2つ質問があります。1つは、ロジャーが相手だったら、どのようにプレーするだろうと思いますか? あなたのゲームは彼と充分に渡り合えると思いますか。それとも、ある日コートに立って、彼と試合できればいいなと考える程度ですか?

もう1つの質問は、アンドレについてコメントできますか。彼は今年、苦しんでいます。そして、終わりかも知れないという考えに直面しています。しかし彼はこの夏もう1回、挑戦したいと考えているでしょう。今のところ、彼のキャリアをどう見ていますか。2つの質問です。

ピート・サンプラス:
まあ、フェデラーについては、うん、彼のプレーを見てきたよ。彼と対戦する場合を考えてみた。ロジャーに関して、現在の競技における問題は、彼を苦しめるに足る、大きい武器を持った者がいないという事だと思う。真に攻撃的なプレーヤーといったね。

ロジャーであれ誰であれ、彼らはステイバックしている。そして彼は思うようにでき、動きもいい。動きが素晴らしいので、どこからでも望む所へボールを操れる。ロジャーに対しては、ただ彼を打ち負かさなければならない。いいサーブを打って彼を攻撃しなければならない、ただし精選してね。

だが、彼と対戦する立場としてゲームを見てみると、ツアーには充分なだけのビッグゲームを持つ者が見当たらない。妥当なビッグサーブを持ち、それをバックアップして、彼に真のプレッシャーを与えられる者がね。ビッグサーバーのロディックは、ステイバックする。彼にとっては至難のわざだ。僕だったら、自分のゲームを根気よく続けるだろう。そして彼を倒すに足るだけ上手くいくのを願うね。

アンドレについては、今年は精神的に、そして身体的にはさらに、肝要な年だろう。彼がくぐり抜けてきた事を体験し、そして懸命に努力するのは、少しばかり挫折感を感じているだろうと思う。フレッシュで、いい感じでいれば、彼はフェデラーをプッシュできる男だと、僕は今でも考えているよ。今後の4〜5カ月が、彼の未来がどうなるかを物語るだろうと思う。もし競い合えないなら、もし望むようには動けないなら、彼は辞めるだろう。

けれども、彼は続けたいと望んでいる、それは素晴らしいと思う。これだけ長く休んだ後にカムバックするのは厳しいだろう。そして真にメジャー大会で競い合うためには、研ぎすまされている必要がある。彼は試合経験をほとんど積まずに出場する事になる。それは彼にとって大変な事だろう。だが彼は特別なプレーヤーだ。解決法を見つけ出せると思っているよ。

Q. 2つの質問があります。1つ目は、今週のデビスカップであなたを撮影できるでしょうか。あなたは行きますか。2つ目は、(引退後に)初めて訪れた大会であるインディアン・ウェルズについて、考えを聞かせてください。

ピート・サンプラス:
楽しかったよ。実際には月曜日に来て、ヘンマンの試合を少しを見て、観客と会った。満員だった。大会を砂漠に留めおけるようにしたグループの一員である事が嬉しかったよ。この大会は人気があるし、ここに多くのコミュニティをもたらすからね。

デビスカップについてだが、僕は木曜日にヒューストンへ行き、金曜日はそこでゴルフをして、それから2日ほどテキサスに滞在して友人とゴルフをするだろう。だからデビスカップにはいないよ。

だが芝生では、アメリカチームはかなり上手くやるだろう。我々のチームは勝てるだろうと思うが、やってみなければね。

Q. ピート、現在テレビはオンラインでの NCAA(全米大学体育協会。一般的にはカレッジ・バスケットボール)ライブ放送、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)のビデオシリーズなどを導入する方向のようです。これはスポーツにとって未来の一部になると考えますか。テニスにとっても大きい要素となり得るでしょうか?

ピート・サンプラス:
可能性はある。これを導入すると聞いて興奮したよ。つまり、妻と子供はログオンできる訳だ。とても簡単だし、なにがしかテニスを見る事ができる。

そうなるかも知れないね。つまり、テレビにアクセスできない人々のためになるだろう。旅行にラップトップでも何でも、コンピュータを持っていけば、色々とチェックできるんだ。テニスだけでなく、あらゆるスポーツにとって未来のサインだろうと思う。ハイライトを見たりインタビューを見たりが可能になる。僕もオンラインで、時に見たりしているよ。

どんな風になるのか興味深いね。実際にボールが見えるのか、コートが見えるのか、そしてどれくらいハッキリと見えるのか。きっと良い具合になるだろう。そこで初のテニス試合だという事に、ワクワクしているよ。

Q. ご家族は『リバー・オークス』に来るのですか。それとも家で新技術を利用できるのですか?

ピート・サンプラス:
家族はオンラインで見るだろう。僕と一緒にはいない。

Q. 技術についてですが、ナスダック大会やUSオープンで使用される電子ラインコールの『ホークアイ』使用について、あなたの考えを聞かせてください。

ピート・サンプラス:
それについては、あまり知らなかった。いくつかのスタッツを聞いたが、30%くらいエラーがあるんだって?

Q. そうです。

ピート・サンプラス:
うん。

Q. 選手は30%正しかった訳です。もしあなたがそう判断したければ。

ピート・サンプラス:
そうだね(笑)。うん、それがラインズマンにとって良いパーセンテージなのかどうか、よく分からないよ。他のどんなスポーツでも、仮にラインズマンがしているとすれば――ボールは速いし、野球などでも同じようなスピードだし、素早い決断をしなければならないのは承知しているが、あまり良いパーセンテージではないね。多くのエラーがある。メジャー・タイトルのためにプレーしている時は、それが正しく作動していると確かにしてほしいよ。

人気の後押しになるか? もちろん、話題を提供し、スポーツに少しばかり彩りを添えるだろうね。良い事だと思うよ。1つのコートに設置し、別のコートには設置しないというのは、注意を要する。高価だって事は知っているよ。うん、僕はゲームが公平であるのが好きなんだ。もし1つ設置するのなら、すべてのコートに設置すべきだと思う。

Q. アンドレに関して、もう1つ付け加えてもいいですか。あなたはきっと、「いつ」と言うべき時について考える情況に共感できるでしょう。

ピート・サンプラス:
うん。

Q. それについて少しばかり語ってもらえますか。また、彼の現状について、話したり電子メールをやり取りしたりしてきましたか?

ピート・サンプラス:
彼とは話をしていない。我々の道は少しばかり違う。つまり、彼はとても深刻な怪我を経験しているが、僕は基本的に2年ほど苦しんできて、何をすべきかについて、あれこれ考えていたんだ。

オープンで優勝した後、僕は6カ月ほどかけて全てを整理しようとしていた。ブレット・ファーブ(全米プロ・フットボールの選手)がしているような事を、少しばかりしていたんだ。本当に終わったのかを確かめたいと望むものだ。それが僕のしたかった事だ。アンドレはプレーしようと、自分をもうひと押ししようとしているんだと思う。もしひと押しが充分ではなくて、つまずきがあるなら、そしてもし上手く行かないなら、彼は恐らくキャリアを終えるだろうと思う。

受け入れるのは厳しい事だ。それをコントロールできない時、肉体的にできない時には、殊にね。

だが彼に話をしたり、電子メールを送ったりはしていない。彼には他の事が色々とあるだろう。

クリス WIDMAIER :オーケー、皆さん。電話会見に参加してくださり、感謝します。ありがとう、ジェフ、ありがとう、ヴァン、そしてもちろん、ありがとう、ピート、時間を割いてくれて。

繰り返しになりますが、ピート・サンプラスは4月6日木曜日、ヒューストンでロビー・ジネプリと対戦します。スタジアムにいない場合、試合を見られる唯一の場所は USTA.com です。サイトに入って試合を見るのは無料です。とても簡単です。クリックすれば、ライブのインターネット放送に繋がります。

メディアの皆さん、新聞発表が間もなくあります。この電話会見のスクリプトもです。再度メディアの皆さんに感謝します。そして、ありがとうピート、ヴァン、ジェフ、電話会見に参加してくれて。

さようなら、皆さん。



<おまけ>
ロビー・ジネプリとの試合後の映像から、samprasfanzのJoyが読み込んでくれた写真です。