2007年10月17日
サンプラス、フェデラーがバトル・ロイヤルに備える
この20年で最高の選手２人による「時代の激突」――マレーシア50周年記念祝賀行事の一環――は、どちらがより優れた選手かという論争に、何らかの決着をもたらすだろう。
この激突は、スポーツ史上最高の戦いになると予想される――かのモハメド・アリとジョー・ フレイザーによるジャングルの対決、1970年フットボール・ワールドカップにおける、ボビー・ムーア率いるイングランドとペレ率いるブラジルの一戦、あるいは1980年冬季オリンピックにおける、合衆国とソ連による氷上の奇跡（アイスホッケー）にも匹敵する。
「刺激的なものになるだろう」とサンプラスは語った。彼は両者による唯一の対戦、2001年ウインブルドン４回戦では７-６（７)、５-７、６-４、６-７（２)、７-５でフェデラーに敗れた。
「ロジャーと僕がプレーするのは、テニスにとっても素晴らしい事だ。多くの関心を集めるだろう。歴史的なものが絡むから、僕はきっと少し神経質になるだろうね」
2002年、アンドレ・アガシを破って記録である14回目のグランドスラム・タイトルを獲得した後に、サンプラスは引退した。フェデラーは2003年に初のスラム優勝を遂げ、アメリカ人の記録にあと２つまで迫っている。
「僕はグランドスラム・タイトルの史上最多記録を保有しているが、ロジャーがその記録を破ると確信しているよ。僕がまだ競い合えるだけ若いうちに、お互いがプレーするのは格別な事だ。これをマレーシアで行うのは、アジアのテニス界にとって注目に値する」とサンプラスは付け加えた。
26歳のフェデラーにとって、彼が2001年にテニスシーンへと躍り出て以来、見事にその座を引き継いできた男との対戦は「夢の実現」である。
「唯一ピートと対戦したのは、僕が初めてウインブルドンのセンターコートに登場した時で、僕が第５セット７-５で勝ったあの有名な試合だ。僕はまだとても若かったし、当時ピートは君臨していた」とフェデラーは語った。
「ピートとプレーする事にワクワクしているよ。間違いなく、僕たちは素晴らしいテニスをするだろうね」
最高の選手たちをも急行列車のように「轢きつぶす」手腕で知られるフェデラー超特急は、早ければ来年のウインブルドンかUSオープンで、グランドスラム・タイトル記録を破るであろう。
２人の伝説的偉人は、ベスト・オブ・３セットの試合を行う。36歳のサンプラスは年齢に追いつかれつつも、健康で、対決に向けて真剣に準備してきた。
「３月にロジャーと練習をしたが、僕は自分のサーブを上手くキープできた。この事は自信を与えてくれたよ。今でもとても良いサーブを打てる。ロジャーと競うのは格別だろう。似たような気質を持つ２人のプレーヤーが、歴史をかけて素晴らしいテニスをする。両者ともラケットに物を言わせるのが好きなんだ」とサンプラスは語った。
フェデラーは前任者が提示する脅威を用心している。己の名望をかけて、全力を尽くすと約束する。
「一緒に練習して、ピートが今でもどれほど上手くプレーできるかを知り、我々のテニス品質をファンと共有すべきだと感じたんだ」とフェデラーは語った。彼は最長連続の世界ナンバー１在位記録を有している。
「今年の早い時期に、ピートと僕はロサンジェルスにある彼の自宅で練習したが、見事なテニスだったよ。練習のタイブレークとセットでどちらが勝ったかは内緒だけど、非常に質の高いテニスだったと言おう」
「テニスのために、我々は観客の前でプレーすべきだと共に感じたんだ。そして今、僕たちはこの事を練習の念頭に置いている。ピートとの対戦にワクワクしている。彼は長年テニス界を支配してきたんだからね。だがさらに重要なのは、彼はおよそ10年にわたってプレーし、試合に、大会に、グランドスラムに勝つ中で、最高のスポーツマンシップを披露してきたという事だ」と、５回のウインブルドン・チャンピオンは付け加えた。
史上最高の偉人たちによる対決のチケットは、ベストシートが週末だけで完売し、12,000席もほとんど完売という活況である。試合は100カ国以上でテレビ放映され、テニス史でも最大のテレビ視聴者を引き付ける試合の１つになると予想される。
「時代の激突」は、マレーシア独立テニス・フェスティバルとして行われる３イベントの１つである。11月20日、次世代のチャレンジ・マッチには、世界ナンバー２で３度のフレンチ・オープン・チャンピンであるラファエル・ナダル、フランスのトップ選手でウインブルドン準決勝進出者リシャール・ガスケが登場する。
クアラルンプールの国立テニスセンターにおける豪華テニスショーの３つ目のイベントは、世界で最もリッチな ATP チャレンジ・シリーズで、11月17〜25日に開催される。