AP通信
2007年11月20日
フェデラーはエキシビションでサンプラスを下す
文:John Duerden


ソウル、韓国( AP )――もしロジャー・フェデラーが、髪の薄くなった対戦相手に容易く勝てると予想していたのなら、彼はエキシビション・マッチの早い段階で、ピート・サンプラスには今でも強力なサーブがあると分かっただろう。

世界ナンバー1プレーヤーは立ち直り、彼が追いかけるグランドスラム史上最多記録を持つ男を倒した。火曜日、アジアで行われる3回のエキシビションの初戦で、フェデラーは6-4、6-3の勝利を収めた。過去と現在におけるテニスの偉人たちは、木曜日にクアラルンプールで、そして土曜日にマカオで再戦する。

「ピートは僕が少年だった頃のアイドルの1人だから、彼とプレーするのは素晴らしいよ」とフェデラーは語った。「僕にとっては簡単じゃなかった。引退して5年が経つから、彼にとっても簡単ではなかった。僕はナンバー1で、みんな僕が勝つと予想している」

36歳のサンプラスは、最初のサービスゲームで10歳年下の相手に対して2本のエースを放ち、ソウル・オリンピック・テニスアリーナの観客から喝采を浴びた。続いてフェデラーのサーブをブレークし、さらにドロップショットで4-2リードとした。

サンプラスのトレードマークであるサーブ&ボレーが披露されたが、コートでの動きが1990年代の全盛期より遅くなっているのは致し方なかった。サンプラスが犯した数々のアンフォースト・エラーもあり、フェデラーはカムバックして第1セットを勝ち取った。

第2セットの第2ゲームでフェデラーが3連続ロブを決めた他は、試合は楽しい雰囲気ながらも競い合ったものだった。

第2セットの序盤までには、フェデラーは本調子を取り戻していた。彼は大したトラブルもなく、ストレートセットの勝利を収めた。

「かなりいい気分だよ」とサンプラスは語った。「試合を競い合ったものにしたが、それが僕の目標だった。ロジャーは世界最高のプレーヤーで、僕は5年前に引退した。彼が僕を招いてくれて嬉しく思うよ」

フェデラーは数日前に4回目のマスターズカップを獲得しており、出来に満足していた。

サンプラスは2002年に引退した。ウインブルドンで2人がただ一度対戦した1年後だった。4回戦での対決で、フェデラーは5セットで勝利した。

サンプラスは記録である14回のグランドスラム優勝を成し遂げた。だがフェデラーは12のタイトルを持ち、2008年にはサンプラスの記録を破り得るだろう。

「引退から復帰する計画はない」とサンプラスは語った。「カムバックするには理由が必要だ。僕は自宅にいて、テレビでロジャーが勝つのを見るよ」


マクアリー・ナショナル・ニュース
2007年11月21日
フェデラーは元世界ナンバー1の挑戦を退ける


本日、2人が2度目の対戦を迎えるにあたり、長きにわたって世界ナンバー1だったピート・サンプラスは現在のチャンピオン、ロジャー・フェデラーには敵わないと予想された。

韓国の首都で開催されたエキシビション・マッチにおいて、フェデラーは61分でサンプラスを6-4、6-3で下した。

5-3リードで迎えたサービング・フォー・ザ・マッチ、フェデラーは40-30でひどいミスヒットを犯し、 デュースにもつれ込んだ。

しかし彼は続く2ポイントを取って勝利を収めた。

第1セット6-4で取った後、 第2セットでフェデラーは最初の5ゲームのうち4ゲームをものにした。サンプラスは第6ゲームで息を吹き返しかけ、強烈なサーブの助けを借りて簡単にそのゲームを取った。

しかし36歳のアメリカ人はもう1ゲームを取れただけで、26歳のスイス人は楽々とプレーした。

フェデラーは絶頂期にあり、日曜日には4つ目のマスターズカップ・タイトルを獲得していた。一方サンプラスは2002年にプロゲームから引退した。

しかしアメリカの伝説的偉人は、トレーニングに励んで体調を整え直し、ジム・クーリエが主催するアウトバック・チャンピオンズ・シニア・シリーズでは、出場した3大会で無敗である。ラケットを手放して以来、初めて臨む真剣なテニスだった。

「ちょっとトリッキーな状況だった。僕はいいプレーをしてきて、ピートは引退してから5年が経っている」とフェデラーは語った。

「僕は今夜、自分が勝つと予想していたよ」

「自分の出来にはとても満足している。だがピートは今でも非常に、非常にいいプレーをしていると思う」

速いペースのオープニング・セットでは、2人は2ゲームずつキープし合った後、サンプラスが第5ゲームでフェデラーのサーブをブレークした。

アメリカ人は次のゲームを持ち前のサーブ&ボレー攻撃で勝ち取り、リードを保った。しかしフェデラーは一連のショットで相手のサーブを2度ブレークし、続く4ゲームを取って第1セットを逆転勝ちした。

サンプラスは現役時代にパワフルなサーブで知られていたが、フェデラーの6本に対して10本のエースを放ち、良い戦いをした。

しかし充分ではなかった。

「ちょっとガッカリしているよ」とサンプラスは語った。「だが今夜、僕はロジャーに少しばかり汗をかかせたね」

「今でもいいサーブを打てるけれど、最も厳しいのは動きだ」

「ネットで少し不注意で、簡単なボールを幾つかミスした。でも次の試合では上手くプレーすると思うよ」

フェデラーは彼のヒーローの1人と向かい合い、「少し緊張した」と認めた。しかしひとたびリズムを掴むと、スイス人は調子を上げ続けた。

「僕が軌道に乗ると、ピートはミスが増えていった」とフェデラーは語った。

「僕が第1セットを取れたのは、恐らく運が良かったのだろう。それからは調子が上がり、リラックスし始めた。試合を大いに楽しんだよ」

2人がキャリアで対戦したのは2001年ウインブルドン4回戦の一度だけで、フェデラーが勝利した。

サンプラスとフェデラーのエキシビション・シリーズ第2戦は、木曜日にクアラルンプールで行われる。彼らのアジア最終戦は土曜日にマカオで開催される。


*この試合のハイライト等は、YouTubeサイトで見られます。
http://www.youtube.com/profile?user=petesampras2



<おまけの写真>