2007年７月16日
サンプラスはニュー・シティに姿を見せる
文：Harold Gutmann
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| 「名誉の殿堂」入りしたテニス界のスター、ピート・サンプラスが「ケネディ資金インビテイショナル」のエキシビションでジャスティン・ギメルストブにサーブを放つ。試合は雨により短縮された。 |
雨がデルウッド・カントリークラブのクレーコートに落ちてきた。しかし、サンプラスはジャスティン・ギメルストブとのエキシビションマッチを続けた。観客が屋根を求めてスタンドから逃げ出してさえ。
「殿堂入り選手が雨の中でプレーしてるんだよ！」とギメルストブが大声で言い、残っている観客は賛同の声を上げた。
やがて雨はどしゃ降りになり、ギメルストブが第１セットを６-１で取り、サンプラスが第２セットを４-１リードとしたところで、プレーは止められた。試合は短かった――その前にあった10分の雨中断を含めて45分間――ものの、10万ドル以上の寄付がチャリティに寄せられ、地元のテニスファンは伝説的偉人を見る機会を得た。
「引退して以来、彼がプレーするのを見られて嬉しかった」と、チケットを持つ980人の１人、スティーブ・カステンズは語った。「これ（クレー）が彼の好きなサーフェスではないと知っているよ。彼は第１セットではクモの巣を払わねばならなかったが、第２セットではボールを見事に打ち始めた」
サンプラスは「ケネディ資金インビテイショナル」テニス大会の一部として、 ロサンジェルスでのヒッティングパートナー、ギメルストブとエキシビションを行うため、ニュー・シティにやって来たのだ。
チケットは100ドルで売られ、収益はイングルウッド（ニュージャージ州）胸部ケアセンターと Nyack 病院に寄付される事になっていた。大会組織は最後まで資金集めの努力を続けた――選手がウォーミングアップをする間に、大会の共同監督ミッチ・クレインはサンプラスとの写真（2,600ドル)、ギメルストブのラケット（900ドル）からオークションを始めていた。
男女の大会の間に集められた寄付金と共に、50万ドル以上が２つの病院に贈られる。
「チャリティの一員として、手助けに加われて嬉しいよ」とサンプラスは語った。彼はレブロン/ UCLA 胸部センター委員会の評議員を務めており、２人の叔母を乳ガンで失っている。「乳ガンは僕の家族にとって、ある部分を占めていた。それは辛い病気だ。僕は少しばかり助けを果たし、そしてテニスをする事を嬉しく思っている」
彼の出場は、６人のトップ100選手による５日間の賞金25万ドル大会を締めくくるものだった。
「これは私の想像以上のものだった」と共同監督のジェームズ・ミラーは語った。「チャリティ寄付金から、テニス大会、すべてが。驚いたのは、何が足りないかと皆が声をかけ続けてくれた事だ。ずっとそうだった。私は今、圧倒されているよ」
昨日の午前、ロードアイランド州ニューポートの「名誉の殿堂」エキシビションでトッド・マーチンと１セットマッチをした後、サンプラスはウェストチェスター・カウンティ空港へと飛び、ギメルストブが彼を拾い、デルウッドまで車で連れてきた。彼は試合前にロッカールームで、クレーでプレーするのだと初めて知った。
「彼はあらゆるサーフェスで僕を打ち負かしたんだ。クレーでもそうなる筈だよね」とギメルストブは言った。彼はツアーでも最も話し上手として知られ、試合の最中も期待に違わず頻繁に喋った。
１日に２つのサーフェスでプレーしたのは初めてだとサンプラスは語り、最後まで居心地が良くなさそうだった。第２セットの第１ゲームでは、２つのダブルフォールトから始まり、それから２本のエースを放った。そしてまたしてもダブルフォールトを犯したが、最終的にエースでゲームをキープした。
サンプラスはワールド・チームテニスやジム・クーリエのシニアツアーでプレーしてきたが、11月には香港でロジャー・フェデラーとエキシビションを行う。そして、カムバックするのではないかという憶測も出ている。
「引退を決意した時には、感傷的になったよ。続けようという気になるものが何も残っていなかった」
彼は引退後、３年間プレーをしなかった。「気楽に過ごしてきた後、少しばかりテニスが恋しくなった。ゴルフをして、家庭にいるだけでは、少し落ち着かなくなっていたように思う。それで行動を開始して、もっとエキシビションでプレーする事に決めたんだ。それが求めているものだ――ストレスが掛からないもの。自分でスケジュールを管理できるしね。以前はテニスが僕の生活を管理していた。エキシビションは良い場だ」
そして初めて、その場所がロックランド郡になった。
「私は常に夢を抱いてきたが、まさに夢が叶った気分だ」とミラーは語った。「今日の出来事は、私がこの５年間夢見てきた事だ」