ポスト&クーリエ
2007年9月23日
ピート・サンプラスとの一問一答


現在あなたはチャンピオンズカップとレジェンド・オブ・テニスのイベントでプレーしています。これまでに試合で負けた事は?

「僕はまだ負けていない。ボストンで、トッド・マーチンはあと1ポイントで僕を負かすところだったけどね。アテネでも、トッドとは素晴らしいタイブレークを戦ったよ。(チャンピオンズカップ・ツアー)はとても競争が激しい。僕たちはみんな真剣に臨んでいるよ。良いプレーをしたいと望んでいる。10年前(ATP ツアーで)ほど死にもの狂いって訳じゃないけど、本当に競い合っている。現役のツアーは、さらに激しい競争の世界だ」

クーリエとの対戦は、あなたにとって良い試練ですか?

「ジムは今でもとても上手くボールを打つ。ファーストサーブは強烈だし、フォアハンドを激しく叩く。彼は僕よりもプレーしてきたしね。僕たちは共に新しいテクノロジーの恩恵を受けている。彼はかなり速いペースでボールを打つ。僕たち双方に向いたサーフェスの筈だ。僕はネットに出て、自分にできる事を試してみるよ」

最も思い出に残る試合は?

「最後のUSオープン(2002年)だね。僕は2年の間、大会で優勝する自信を見いだそうとしてきた。最後のオープンで優勝し、そしてアンドレ(アガシ)に勝った事……あの最後の試合は素晴らしかった」

ロジャー・フェデラーに記録を破られるかも知れない事については、どんな気分ですか?

「失望というよりも敬意を表するよ。記録は破られるためにあるんだ。ロジャーが迫ってくるだろうと承知していたし、現在はその最中だ。彼は偉大な選手であるだけでなく、スポーツの素晴らしい大使だ。僕は失望よりも敬意を感じるし、彼を尊敬しているよ。僕は14という自分の記録(グランドスラム・タイトル)に満足している。彼には脱帽だよ」

あなたが記録を狙っていった頃のプレッシャーと比べて、フェデラーの場合はどうでしょうか?

「僕が記録を狙っていた頃、僕はもっと年上だった。彼はもっと若くて、先も長い。僕は現在のロジャーほど支配的ではなかったしね。ロジャーは26歳で、彼を止めるものは何もない。……彼はオーストラリアンで優勝するだろう」

フェデラーがあなたの時代の、例えばパトリック・ラフターのように完全なサーブ&ボレーヤーと対戦したら、どうでしょう?

「今はどんな選手も似たようなプレーをする。サーブ&ボレーヤーはいない。彼はゲームのその局面(ベースライン・ラリー)がより優れている。ラフターは彼を苦しめただろうと思うよ。バックハンドへの、ラフターの高く跳ねるサーブが。ロジャーの方が優れたプレーヤーだと思うが、我々が今日見ているのとは異なったものが見られただろう。ラフターは違った方法でロジャーに挑戦したと思うが、ロジャーはその答えを見つけ出すだろう」

フェデラーは、他に偉大なプレーヤーがいない時期に出てきたのでしょうか?

「他の選手たちはギャップを縮め、ロジャーに近づいてきているようだ。それでも彼には特別のギアがあり、誰よりも優れていると思うよ。だが(ノバ ク)ジョコビッチと(ラファエル)ナダルはさらに良くなる筈だし、今後2年くらいで彼を脅かす事もできるだろう。彼(フェデラー)は多くのメジャー・チャンピオンが引退していた時期に出てきた。だが彼はさらに卓越していき、他の男たちをより良くなるよう駆り立てたんだ。アンディ(ロディック)は、最高の試合をしても彼を倒す事ができない。アンディには受け入れがたい事だ。彼(フェデラー)はいい時期に伸びてきた。だが今はもう少し競争が激化しているように見える」

あなたは幾つかのエキシビションでフェデラーと対戦する事になっていますね。彼に対してどのようにプレーしますか?

「ネットへ詰めるようにして……彼のタイミングを崩そうとするつもりだ。僕は引退して何年も経っているし、ロジャーは全盛期にいる。自分のサーブをキープして、競い合えるようでなければね。彼は後ろ(ベースライン上)にいるのを快適に感じるだろう。ウインブルドンで対戦した時(唯一の対戦で、フェデラーが勝利した2001年の4回戦)には、彼はサーブ&ボレーをしたが、それほど快適だったとは思わない」

フェデラーは健康で怪我もありませんが、記録を追求する助けとなりましたか?

「彼はフィットしているが、タフな5セットの試合だと疲れ果てているように見える。彼は楽に試合で勝ち、身体を酷使しなくて済むから、長くキャリアを続けられる。彼は(他の選手よりも)簡単に勝っている。もし彼が長い試合をしなければならなかったら、大会後半でそのツケがくるだろう。ナダルは何回も身体的に激しく戦う事ができる。だが彼の肉体は参ってくると思う。彼(ナダル)は相手を打ちひしぐタイプで、それは彼の肉体にもハードだ。彼は力強いが、自分自身も消耗させている」

ラケット・テクノロジーはどのようにゲームを変えてきましたか?

「ラケット・テクノロジーは信じがたいほどだよ。50位台の男ならボールを上手く打てる。ストリングスはコート内にボールを収めてくれるし、ラケットはプレーヤーが激しくヒットする事を可能にしている。ベースライン後方から速いウィナーを打てる。僕の現役時にはなかったものだ」