「名誉の殿堂」レポート
2007年7月
Samprasfanz メンバー


こんにちは、 Fanz

あなた方のどれほど多くが、ピートのプレーをライブで見る、あるいは彼のサインを手に入れるチャンスを望んでいるか、恵まれた私たちは殆ど知りません。私たちのグループが先週末ニューポートでどれほど幸運であった事か! 私たちはそれを、さらにそれ以上を経験したのですから!

ピートがスピーチで何を話したか、そして彼がどれほど感情的になったかについては、メディアが伝えてきました。けれども彼が両親、兄弟、コーチへ、キャリアを通しての助力に感謝を述べた時に、私たちは彼らの反応を目にする事ができました。彼のスピーチは、自分自身についてではなく、主に彼らについてだったのです。

涙をこらえるためにスピーチをしばしば中断しなければならなかったこの男性は、卑しい心根を持つ多くの人々が、感情を見せない「退屈なロボット」と非難した男性と同じ人でした!

ブリジットは涙を流し、私たち Fanz の多くも涙ぐんでいました。ピートが自分の紹介を頼んだポール・アナコーンも、時に胸を打たれているように見えました。クリスチャンとライアンは、長い式典を通じてとてもお行儀良くしていました。ライアンは母親の膝に座っていましたが、そのうち2人の少年は少しばかり走り回ったりしました。けれども式典を邪魔するような事はありませんでした。

ピートが言葉を詰まらせ、気を取り直して再び話し始めるのを観客が慎んで待つ間は、ピンの落ちる音も聞き取れた筈です。しかし何度も口ごもった後に、彼は自分を歯がゆく思ったようでした。私は思わず口に出していました。「時間をかけて、ピート――私たちはあなたのためにここにいるのよ」

私たちのグループだけでなく、スタジアムじゅうから多くの声が掛かりました。「ピート、愛してるよ」と。彼を抱きしめてあげられたらいいのに、とどれほど思った事か! そして彼の愛する妻は、どれほどそうしたいと望んだ事でしょう。彼女は家族席に座り、共にくぐり抜けてきた辛い時を思い出していたのです。

そのスピーチはピートにとって、まさに「5セットマッチ」と感じられたに違いありません。しかしやがて、彼はいつもの気品と威厳をもって、成功裏にそれを終えました。彼は殿堂入りした全ての人物に与えられるスマートな濃紺のジャケットを羽織り、額装された証明書を受け取りました。そして共に殿堂入りしたアランチャ・サンチェス - ビカリオとコートの周りを巡り、観客から拍手喝采を受けました。どのセクションからの喝采が最も大きかったかは、分かりますよね!

けれども最良の出来事はこの先でした! 私たちのグループがピートと私的な会合を持つという恩恵に浴した経緯については、ジョイが説明してくれるでしょう。私たちはその幸運を信じられないほどでした。そしてとても興奮しながら彼を待ちました。

上の部屋で待っていると、彼とブリジット、息子たちが人々に囲まれながら歩いてきて、ピートが紹介されたり写真に撮られているのが見えました。ある時には彼はライアンを腕に抱き上げて、愛しそうに息子の髪をかき回し、クリスチャンは父親の隣に立っていました。まるで美しい絵画のような情景でした。彼とブリジットも。彼女はいつも通り美しく、あっさりした白のズボンにハイヒール、多色使いのトップ、そして赤いネックレスという装いでした。

それから突然、彼がそこにいたのです! 長い年月、私たちにとって非常に多くを意味してきた男性は、階段を上がってきて、私たちへ輝くような笑みを向けてくれました。彼のハンサムな顔全体を明るくするような。感情と緊張に囚われたスピーチの後で、彼はとてもリラックスしていました。彼が私たちとの会合を喜んでいる事は明らかでした。何年もの間、勝利だけでなく失意の時も彼についてきた第1位のファングループと会う事を。

彼がこれを礼儀で行った「義務的な」煩わしい仕事と感じているのではなく、私たちと過ごす事を楽しんでいると、彼の話した事、した事すべてが示していました。ジョイは彼との素晴らしい写真を撮り、彼はとても多くのプログラムや記念品にサインをしました。ブリジットは子供の世話で忙しいのだろうかと心配しましたが、彼女もやって来て、微笑んだり冗談を言ったり、写真のためにポーズを取ってくれました。ピートと同様に、明らかに彼女もそこにいる事を望んでいて、私たちと談笑を楽しみました。ジョイと私たちは、彼らが私たちと会う時間を取ってくれた事に感謝を伝えました。けれども彼らは、長年にわたる私たちのサポートに対して、感謝してくれたのでした!

ポール・アナコーンが会合に加わってくれたのも、素晴らしい事でした。ピートがいかに初めは芝生でのプレーを嫌っていたかについて、彼は冗談を言いました。嬉しい事に、彼の業績は男子テニスにおける競争の層が非常に厚い時代に成し遂げられた、と彼に言うチャンスを得ました。彼は常に謙虚ではありますが、私の意見を否定しませんでした。彼は何も言いませんでしたが、力強く頷いていました!

ブリジットは会話に熱中していたので、退出する必要性を思い出させるために、ピートは2度も彼女に呼びかけなければなりませんでした。彼女が初めは呼びかけを聞いてさえいなかったのを、彼はとても面白がっているようでした! そして彼は去り、会合が現実であった事を証明する写真とサインが手元にある以外は、私たちはまるで夢を見ていたような気分でした。ピートがこんなにもリラックスし、勿体ぶらず、そして心から幸せな様子で、私たちのためにこれほどの時間をさいてくれるとは、私たちの誰も願った事さえありませんでした。

彼は私たち Fanz に、これ以上はないほど報いてくれました! ピートは「心を開かない」と言ったのは誰だったのでしょう? まあ、全てではないとしても、ピートは土曜日に、それを大衆とメディアに――そして私たち幸運な、幸運な Samprasfanz にも開いてくれました。

シンシア



私はついにスピーチを聞く事ができました。アンナ(サンプラス・マム)と私が座っていたセクションからは、式典の間じゅう騒音と反響音以外は何も聞こえなかったのです……。それで私は、彼らのパパが涙をこらえてスピーチを終えようと努力していた間じゅう、ライアンとクリスチャンが遊んだり、ママが彼らを追いかけるのを見ていただけでした。

他の受賞者や彼らのゲストが芝生に出ていく間、ピートは緊張していたように見えました。誰も人前で泣くのは好みません。どうやってやり通すか、恐らく彼は困っていたでしょう。けれどもほら、観客の大半は私たちのような彼の熱心なファンでした。私たちは皆、彼はコート上では虎のようでも、心は本当に優しいと理解していましたから。

ガス・サンプラスは私たちのそばを通った時に、アンナが自分の名前を大声で話すのを聞き、何かを思い出そうとするように彼女を見ました。式典のすぐ後に、ピートのアシスタントが近づいてきて、アンナに彼女が(もちろん違いますが)ジョイかどうか、そして私たちが Samprasfanz のメンバーかを尋ねました。私たちはそうだと答え、グループの残りがいる場所を指さしました。

彼は、席を立たずに待っているように、ピートとの会合に私たちのグループを案内すると告げました。それが本当になろうとしているのだと、私が信じ始めた時でした……。式典が終わったら帰る、なんて事は忘れなさい。こんなにも長い間崇拝してきた男性に会う生涯一度のチャンスをフイにするなんて、あり得ません……。

まるで夢のようでした。部屋で起きた全てを覚えてはいません。ピートは本当に私たちと話をしたの? シャツの背中にサインしてくれるよう、ピートに頼んだ事は覚えています。彼は長い間そこに留まり、手渡された全てのものにサインをし、誰とでも一緒に写真に収まってくれました。彼はずっとニコニコしていました。たいそうハンサムでした。髪が薄くなっているかって? 最近の写真はイエスと言っているようですが、私は気付きませんでした。

私が畏敬の念に打たれていたのだとしたら、アンナもそうでした。ピートが彼女の肩に腕を回したのを、彼女は覚えていません。夢に違いありません。でもシャツを見ると、そこにあるのです――ピートのサインが。

部屋にいる誰かが彼に言うのを聞きました。「ピート、ありがとう……。あなたがあなたでいてくれて!」それ以上の言葉はありません。

ピートがもたらしてくれた思い出は、生涯忘れ得ぬものです。彼がテニス界に名誉を与えられた日に、彼とその時を共有した栄誉は、お金では買えない貴重なものです。もう一度 Samprasfanz に感謝します。夢を実現させる道を整えてくださって……。

オフェリア



ピートが「名誉の殿堂」の控え室に私たちを訪ねてくれた時に、テニスが彼の人生……彼の本質そのものであると、いつ知ったのかを尋ねました。自分が7歳の時にラケットを拾い上げた事は、よく覚えていなかったが、8歳になるまでには(彼がレッスンを受けていた時)、テニスは自分の人生になるだろうと実際に分かっていたと彼は語りました。

私は彼に、いつ非凡な才能が顔を覗かせたのだろうかと思っていたと伝えました。彼は他の人たちと会うために歩いていきながら、私に微笑みかけ、腕を上げて空を指さし、そして「彼がそう言う時」と言いました。

私はピートと信仰を結びつけた事がありませんでした……彼が自分の信仰、あるいは宗教もしくは霊的なものについて語るのを聞いた事もありませんでした。……けれども、それはあったのです。

グロリア