シカゴ・トリビューン
2007年12月2日
サンプラスは今でも楽しみを提供する
緩慢なスタートの後にマーチンを片付ける
文:Melissa Isaacson


トッド・マーチンは、とりたてて「エキシビション」の部分を気に懸けはしなかった。土曜日の夜、「フェデックス・シュートアウト・シカゴ」のため UIC 競技場に集まった4,000人以上の観客を前にして、ピート・サンプラスと対戦するには全力を尽くす事だと、ノースウェスタン大学の元スターは承知していた。

36歳のサンプラスは、エキシビション・シリーズ第3戦の中国でロジャー・フェデラーに7-6、7-6で勝利した記憶も新しく、シカゴに到着した。その勝利は世界ナンバー1選手に、もしサンプラスが今でもプレーしていたら、トップ5に入るだろうと言わしめた。

荒れ模様の天候の中、土曜日に飛行機でシカゴへとやって来たサンプラスは、始めのうち冴えなかった。しかしやがてフォームを取り戻し、マーチンを2-6、6-2、10-2と第3セットのタイブレークで下した。

「コートはとても速かった」とサンプラスは頭を振って言った。「(慣れるのに)少し時間がかかったよ」

フェデラーに対する勝利については控えめに語ったが、サンプラスは最新のラケット技術のおかげで今までより上手くボールを打っていると認めた。家にいる方がふさわしいような夜だったが、熱狂的なテニスファンのグループは勇敢にも天候に立ち向かい、元プロで現在はそれぞれ二児の父親を見にやって来た。

ジュニアと車椅子プレーヤーのエキシビション、イリノイ大学出身プロの Amer Delic とケビン・アンダーソンによる6ゲームのセットの後に、サンプラスとマーチンがコートに登場した。

「ちょっと不安定な試合だったね」と、マーチンは観客に感謝を述べてから語った。

始まりはマーチンが目立って溌剌としており、第1、第3ゲームでサンプラスのサーブをブレークした。サンプラスがグラウンドストロークを繰り返しオーバーさせる中、彼は5-1リードとし、そして6-2で第1セットを取った。

「始め彼が苦しんでいたのには驚いたよ」とマーチン微笑んで語った。そして「彼は先週3試合をこなし、ここでの準備になっただろうと思っていたからね」と付け加えた。

いつものようにマーチンはサンプラスのサーブに対して慎重だった。それはフェデラー戦では時速130マイルを計測し、今でもテニス界のベストに入るだろうとマーチンが語ったサーブであった。スロースタートの後、恐らく能力の最高までではなかったろうが、サンプラスは勢いを取り戻して第2セットは3-0リードとした。

3-1、40-0となった場面では、マーチンは皮肉げに肩をすくめ、サンプラスのサーブに手を振った。そしてサンプラスは第2セットを6-2で取った。

マーチンはサービスの速さも認めたが、このように付け加えた。「優れたプレーヤーとだと、彼らが好調になるにつれて、テニスの質も向上していく。ピートはすべてのポイントで主導権を握り、僕は守るのを好む。そして面白い試合になっていくんだ。何年も前には、僕はもう少し攻撃的でいられた」

第2セットにおけるサンプラスのサーブは、彼が「トップ5」と描写したものだったとマーチンは語った。

「確実に。だが相手を圧するのは正確さだ」

サンプラスはこの夏に「国際テニス名誉の殿堂」入りを果たしたが、2002年の終わりに引退した。キャリアを通じて、7つのウインブルドンを含む記録的な14のグランドスラム・タイトルと、64のシングルス・タイトルを獲得している。

両プレーヤーはアウトバック・チャンピオンズシリーズで活躍した。元同僚のジム・クーリエがプロモートする、トップレベルの30歳以上のサーキットである。フェデラーに対するサンプラスの勝利について語る中で、選手はエキシビションでは全力を尽くさないという考えをマーチンは否定した。

「楽しみは確かにある」とマーチンは語った。「トーナメントとは違うものだ。だが同時に、特にテレビで放送される時には、見ている誰もに、自分はより優れていると分からせたいものだよ」


*このイベントについて、次のブログでも触れています。12月20日の記事です。
http://blog.so-net.ne.jp/marubozu0222/archive/c15378906