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2007年9月25日
サンプラスはシャーロット大会で、彼を悩ませたサーフェスに戻る
文:Mike Cranston


ノースカロライナ州シャーロット:5年前にピート・サンプラスが引退した時、彼は再びテニスをするかどうか確かではなかった。言うまでもなく、クレーコートに足を踏み入れるなど、考えてもみなかっただろう。

今週、サンプラスは新しいシニア・ツアーで今年3大会目のプレーをする――そしてそのサーフェスは、記録破りのキャリアを通して彼を悩ませてきたものだ。

「自分が再びクレーでプレーするとは思わなかったよ」とサンプラスは言った。「だが僕はここにいる」

パリセーズで開催される大会初日の水曜日に、サンプラスはミカエル・ペルンフォースと対戦する。創設2年目を迎えるアウトバック・チャンピオンズシリーズで、サンプラスにとっては今年3回目、そして最後のイベントである。

サーフェスはグリーン・クレー――フレンチ・オープンで常にサンプラスを阻んだレッド・クレーよりは少し速い――だが、それは記録的な14のグランドスラム・タイトルを含む素晴らしいキャリアに欠けている1つのものを思い出させる。

「僕にとっては常に難しいサーフェスだった。そして確かに、僕のサーブ&ボレーゲームから効力を減じた」と、サンプラスは今週の電話インタビューで語った。「前へ詰めるのが難しいサーフェスだったね。特にネットで。いつもほどネットを上手くカバーできなかった。辛抱強くならければならない。ストロークを多くして、時間をかけなければらない」

36歳のサンプラスは、テニスへの復帰を明らかに楽しんでいる。2002USオープン優勝後に彼は引退した。そして3年間はほとんどラケットを握らず、激しい競争心を2人の子供の父親という役割に交換した。

しかしサンプラスは徐々にプレーを再開し、今年は元ライバルのジム・クーリエが創設したサーキットに、限定的なペースで戻る事を決めた。サンプラスはボストン、アテネ、シャーロットに出場を約束し、充分に楽しんだ。また、世界ナンバー1のロジャー・フェデラーと11月に対戦するマレーシアの試合を含めて、幾つかのエキシビションへも参加してきた。

「11月にはフェデラーとの対戦があるので、今までより少し長くジムで過ごし、体調を整えようとしてきた」とサンプラスは語った。「僕はかなり上手くボールを打っているよ」

サンプラスとフェデラーは、恐らく永遠に結びつけられるだろう。フェデラーは今月始めにUSオープンで優勝し、サンプラスのグランドスラム・タイトル記録にあと2つと迫っている。そしてサンプラス同様、フェデラーはクレーのフレンチ・オープンでは未だ優勝を果たせていない。

サンプラスはフェデラーが自分の記録を抜くだろうと認めている。さらに、26歳のフェデラーはやがてローラン・ギャロスで優勝すると信じている。

「ロジャーは優勝できると思っている」とサンプラスは語った。「物事があるべき所に収まる必要があるだろう。彼がフレンチで優勝するには、次の2〜3年が鍵となる。彼が29、30歳に達すると、より若い選手たちは全盛期にいるだろう。だが僕は、彼はフレンチで優勝できると思っている。彼はクレーでプレーして成長してきた。彼が優勝しても、僕は驚かないね」

一方サンプラスは、限定的な復帰――そしてプレッシャーのない事を楽しんでいる。月曜日、彼はシャーロットに到着後、ゴルフをした。現役の間には決してしなかった事だ。

同様に、サンプラスはこれまで出場した2つのシニア大会の決勝戦でトッド・マーチンを下したが、以前のライバル達との友情を楽しんでいる。

現在サンプラスは現役時よりも大きいラケットを使い、ラウンドロビンで金曜日にウェイン・フェレイラと、土曜日にはアンダース・ヤリードと対戦する。クーリエあるいはマーチンとの対決は、日曜日の決勝戦であるかも知れない。

「僕は6〜7大会に出場したいとは思わない。1年に2大会で充分だ」とサンプラスは語った。「楽しかったし、かなり良いテニスをした。キレを保つ事ができる。かつてほど熾烈ではないが、我々はみんな良いプレーをしようという矜持を持っているよ」