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AP通信 2007年5月4日 サンプラスはテニスに戻り、大勝する 文:Elise Amendola |
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ボストン――木曜日に行われたチャンピオンズカップ初戦で、サンプラスはペトル・コルダに6-1、6-2で圧勝した。14回のメジャー優勝者がほぼ5年ぶりに出場する初の大会である。 第1試合では、ジョン・マッケンローがティム・メイヨットを6-1、7-5で下した。だがその夜の主役はサンプラスだった。彼は2002年USオープン決勝でアンドレ・アガシを破って以降、競技試合ではプレーしていなかった。 「楽しかった――観客の前でプレーするのは心地よかったよ」とサンプラスは語った。「大喝采を浴びてコートに歩み出るのはワクワクした。これが、僕がプレーすると決めた理由だ」 |
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35歳のサンプラスは、7月には「国際テニスの殿堂」に叙せられるが、体調を取り戻すため昨年の夏にテニスを再び始めるまで、ほぼ3年間ラケットに触れなかった。 彼はまずエキシビションとワールドチームテニスで数回プレーした。そして4度のグランドスラム・チャンピオンで、シニアツアーを主催するジム・クーリエとのエキシビションを経て、トレーニングを再開する事に決めた。 サンプラスは語った。「かつての素晴らしい選手たちと対戦するのは、活力を漲らせてくれる。それでジムのイベントへの参加を考慮(決定)したんだ。かつての偉人たちと対戦して勝敗を少しばかり意識すると、燃え立つだろう」 |
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最後にセンターコート――USオープンで――に立った時よりも、少し年を取ってはいたが、シニアツアーにデビューした彼は、以前のサンプラスそのものだった。最速サーブは時速130マイルを超え、フォアハンドはピタリと決まった。そして彼はこれまでと変わらず攻撃的だった。 「ここに来る前、僕はいいプレーをしていた」とコルダは言った。「だが、これは僕の手に余ったよ。彼が激しく攻めてくる事は分かっていた。こんな風に強烈なショットを打ってくるなら、彼は前に詰めようとしているんだ」 全盛期よりも大きいラケットを使い、サンプラスは初めからコルダを圧倒した。第1セットで1ゲームだけ落とした後、第2セットでは最後の6ゲームのうち5ゲームを取った。 |
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彼はエースで試合を締めくくり、コルダは触れる事もできなかった。 サンプラスは言った。「1年前にラケットを握った時も、サーブはごく自然に打てるショットだった。それは今でも健在だったよ」 クーリエ、マッケンロー、メイヨット、コルダ等によれば、サンプラスはサーブ以外の武器も健在で、今年のウインブルドンで活躍する事も可能だという。 「あの男は芝生のマスターだ」とマッケンローは言った。「ロジャー(フェデラー)は、彼とやれると言うだろうが、不安も抱くだろう」 それでも、サンプラスはウインブルドン――彼が7回優勝した大会で、もう一度優勝を狙う事はあり得ないと語った。 「ただプレーするためにウインブルドンでプレーする気はない――僕は勝つためにプレーするんだ。カムバックには理由があるべきだが、僕が戻る理由はない」 |
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プロビデンス・ジャーナル 2007年5月4日 サンプラスはコートに戻り、今でも感嘆させる |
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ボストン――ピート・サンプラスが戻ってきた。そして昨夜のヒッティングぶりは、引退などしていなかったかのようだった。 エースを生み出す破壊的なサーブ、スライスのバックハンド・アプローチ、そしてキレのあるボレーウィナー、14回のグランドスラム・シングルスチャンピオンは、ほぼ5年ぶりに初の競技試合をした。そして見事だった。 殿堂入り選手クーリエが主催するアウトバック・チャンピオンズシリーズの第2戦、チャンピオンズカップ・ボストンの注目試合で、彼はペトル・コルダを6-1、6-2のスコアで制した。 |
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ジョン・マッケンロー――世界最高の48歳テニスプレーヤーと衆目が認める――は、アガニス・アリーナの第1試合で、地元の人気者ティム・メイヨットを6-1、7-5で破った。メイヨットはスプリングフィールドで育ち、1980年代の現役時にはボストンのプロ、ビル・ドレイクとトレーニングをした。そして現在、ニューヨークでテニスを指導している。彼は怪我をしたマッツ・ビランデルに代わり、大会間際に参加が決まったのだ。 サンプラスが最後に出場した大会は、2002年のUSオープンだった。決勝でアガシを下した感動的な勝利、そして観客席を登り妻を抱きしめたドラマチックな光景を、誰が忘れられるだろう? メイヨット、マッケンロー、コルダ等は、サンプラスはツアーに戻り、ウインブルドンの芝生で勝ち上がる事も可能だろうと考えている。 「彼はクイーンズで優勝する事もできるだろう」と、48歳のメイヨットは語った。「今日、私は彼と練習したが、20分かかって1ポイントの半分を得る有様だった。彼はもう一度ウインブルドンでプレーするだろうと私は考えていたが、今でもそう考えている。彼はトレーニングしなければならないだろう。トレーニング無しで、5セットマッチを7回勝つ事はないからね。彼がプレーすれば、テニスにとって素晴らしい事だと思うよ」 |
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マッケンローは、サンプラスは自分が知る最高の選手――特に芝生では――だと語った。しかし、サンプラスをもう一度ウインブルドンに戻らせる動機については疑問視している。 「あり得るとも思うが、何とも言えない。賭ける気はないね。あの男は7回も優勝したんだ。わざわざそんな事をする必要があるかい? 3セットマッチなら、勝つ事もできるだろう。5セットマッチとなると、分からない」 |
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そうは言っても、現在の ATP ツアーで、サンプラスを芝生で負かせる選手を5人挙げる事はできないとマッケンローは付け加えた。 「あの男は芝生のマスターだ。ロジャー(フェデラー)なら彼とやれると言うだろうが、不安も抱くだろう」 「現実は、身体がもたないという事だ。彼がどれくらいフィットしているかは知らない。彼が準々決勝に到達し、そして疲労するか、あるいはどこか痛めるかして負ける事も予想できる。出場して、最初の数ラウンドで負けたとしても、それは歴史における地位を割り引くものではない、と彼に話したよ」 |
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コルダはその意見に賛同した。 「もし彼が今夜のようなサーブを打てば、ツアーにも(リターンできる)男はそういないだろう。彼らはサーブ(リターン)でスイングする。ブロックしない。芝生でなら、彼はドローにいる多数の男を負かす事ができるだろう、手ひどくね」と、チェコ出身の男は言った。 だがコルダを素早く片付けた後、35歳のサンプラスはウインブルドンに関する憶測をすべて打ち消した。 |
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「再びウインブルドンでプレーする気はない。自分がどうプレーするか好奇心はそそられる。特に、皆がステイバックしているとね。僕はベースライン・プレーヤーを見ると、いつも舌なめずりしていたよ」 しかし戻るという事は、たとえ1大会のためとしても、ロサンジェルスで妻と2人の子供と一緒に楽しむようになったライフスタイルを変えるという意味である。 |
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「プレーには様々な事が関わるんだ。それは多くの努力だ。毎日の骨折りだ。僕はただプレーするためにウインブルドンでプレーはしない。僕がプレーするのは勝つためだ。カムバックには理由があるべきだが、僕には理由がない。1大会のためにカムバックするという考えは馬鹿げているよ」 昨年サンプラスは6つのエキシビションとワールドチームテニスでプレーした。しかしシニアツアーへの興味をひき起こしたのは、同世代のクーリエと対戦した試合だった。 |
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「それが僕のやる気を刺激したんだ。もう少し切迫感がある。今日は楽しかった……ワクワクしたよ」 サンプラスはマッケンローに、オープンで優勝した後、3年間ラケットを握らなかったと話した。 「昨年の夏に彼が初めて打ったボールは、とんでもないものだったよ。彼はミスをしていたが、今でも鋭いヒッティングをできると示したがっていた」とマックは言った。 サンプラスは語った。「1年前にラケットを握った時も、サーブは健在だった。今でもセンターへビッグサーブを打つ事ができる。なにがしかの事ができるよ」 ネットへ詰めてバックハンドのハーフボレーをし、そして大喝采を浴びる完璧なドロップショットのウィナーを決めるといったような。 今晩サンプラスはメイヨットと対戦し、土曜日の夜にはマッケンローと対戦する。 「彼に対する準備はできている。彼に分からせたいね。ジョン、僕はあなたを追っているよ、とね」と、彼は観客に冗談を言った。 マッケンローは応えた。「恐れはしない。調子が良ければ、私は誰とでも戦えるさ」 |
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Yahoo!テニス 2007年5月5日 サンプラス、マッケンローがチャンピオンズカップで勝利する |
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ボストン――ピート・サンプラスは競技テニスへの復帰を順調に続け、アガニス・アリーナで開催されているチャンピオンズカップ・ボストンの第2夜、ティム・メイヨットを6-2、6-1で下した。 彼は土曜日にジョン・マッケンローと対戦する。大会で最も期待される試合の1つである。マッケンローは6-7(7-5)、7-5、10-2でペトル・コルダを下した。 |
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「面白い試合になるだろうね。ネットへ詰めるのが得意で、優れたショットメーカー2人の試合だ」とサンプラスは言った。「ジョンは48歳だが、今でも非常に競争心が強い。今でも素晴らしい手腕の持ち主で、ボールを早く捕らえる。僕はいつもジョンに対して、かなり上手くやってきた。共に全盛期の時でもね。僕たちはいいプレーをして、素敵なショーを見せたいと望んでいるよ」 サンプラスとメイヨットの試合も、テニスと娯楽両面があった。2人の競技者は観客に愛想を振りまき、互いに、そして線審と談笑した。2人は試合中、ボールボーイとボールガールに、1ポイントをプレーしてもらったりもした。 「コートでティムとプレーしたが、彼は何年も競技テニスをしていなかった。いいプレーをしたいが、楽しいショーを見せたいとも思うよ。みんな今でも、僕が時速130マイルのサーブを打ち、僕にできる事を見たいと望んでくれる」 「週末に向けて、100パーセントのプレーをしていくつもりだ。観客はつまるところ、良いテニスを見たいと望んでいるのだからね。彼らは楽しいショーも好きだが、入場料を払ったのは質の高いテニスを見るためだ」 サンプラスは強力なサーブで、マサチューセッツ出身の男を圧倒した。14回のメジャー優勝者は、ファースト・セカンド両サーブとも殆どポイントを失わないかのようで、1回もサービスゲームを落とさなかった。 「かなり良い感じだった」とサンプラスは言った。「腕はかなり良い調子で、身体もしっかりしていたようだ。この2カ月間、週に2〜3日ヒッティングをして馴染んできた。今日はかなり調子が上がったようだ」 サンプラスは第3ゲームでメイヨットをブレークし、そのまま勢いを持続して第1セットを6-2で比較的簡単に取った。メイヨットは大会直前にマッツ・ビランデルの代理で出場する事が決まったが、 サービスに苦しみ、4-2でダブルフォールトを犯してサンプラスに再びブレークを許した。 第2セットも同様だった。第3ゲームで再びメイヨットがダブルフォールトを犯し、サンプラスがブレークした。そこから波に乗り、5回目のブレークで試合に勝利した。 この勝利でサンプラスは2勝0敗、メイヨットは0勝2敗となった。 マッケンローはコルダに対し、第1セットのタイブレークで4-2のリードをふいにした後、第2セットでは5-2リードとしてお返しをした。コルダは盛り返したが、マッケンローは再びコルダのサーブをブレークして第2セットを取った。最後のタイブレークは10-2で勝利を収めた。 この勝利でマッケンローは2勝0敗、コルダは0勝2敗となった。 先に行われた試合では、トッド・マーチンが6-3、6-2のストレートでウェイン・フェレイラを破った。マーチンは2勝0敗、フェレイラは0勝2敗である。続いてジム・クーリエがパット・キャッシュに7-6(7-3)、6-3で勝利し、2勝0敗とした。キャッシュは0勝2敗となった。 |
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AP通信 2007年5月6日 サンプラスがチャンピオンズカップ決勝へ進出 |
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チャンピオンズカップの土曜日夜、ピート・サンプラスはジョン・マッケンローを6-3、6-4で下し、ほぼ5年ぶりとなる競技的な大会で決勝戦に進出した。 「僕は大きいラケットを使って、今日は全盛期の頃よりもいいボールを打った」とサンプラスは語った。「今でもかなり高いレベルでプレーできると思う。1試合、2セットだったら、恐らく世界の誰とでも戦えそうだ」 |
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オープニングゲームでダブルフォールトを犯した後、サンプラスは立ち直り、第1セットの最初の3ゲームを続けて取った。第2セットではブレークして2-1リードとした後、先行される事はなかった。35歳のサンプラスは6本のエースを放ち、プレースメントの利いたベースライン・ショットでマッケンローの不意を突き続けた。 「あの男はラインの外側を20回も捉えた。信じられないよ」とマッケンローは言った。「彼があれほどラインに打つとは、信じがたい。途方もない――あんな事を確実に続けられる男とは、対戦した事がないよ」 サンプラスは前回優勝者のトッド・マーチンと対戦する。彼は3-6、6-3、10-8(タイブレーク)でジム・クーリエに勝利して決勝に進んだ。 サンプラスは1994年オーストラリアン・オープン決勝での勝利を含め、マーチンとの対戦記録は18勝4敗である。2002年以降、彼らは対戦していない。 「今晩のようなプレーをすれば、僕にもチャンスがある」とマーティンは語った。「チャンス以上のものがあるといいね。そのためには、試合の最中に自分のサーブで気を抜く事は許されない」 サンプラスは7月に「国際テニス名誉の殿堂」に叙せられるが、昨年夏にテニスへと戻る前には、ほぼ3年間ラケットに触れなかった。 |
スケジュールと結果 |
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ラウンドロビン・グループ グループ A ピート・サンプラス 4勝0敗 ジョン・マッケンロー 3勝1敗 ティム・メイヨット 0勝3敗 ペトル・コルダ 1勝2敗 グループB ジム・クーリエ 2勝2敗 トッド・マーチン 3勝1敗 パット・キャッシュ 0勝3敗 ウェイン・フェレイラ 1勝2敗 |
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1日目 2007年5月2日(水曜) |
*TB=タイブレーク | |
7:00 PM |
マーチン def. キャッシュ |
6-1、7-5 |
クーリエ def. フェレイラ |
6-3、2-6、10-6(TB) |
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2日目 2007年5月3日(木曜) |
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7:00 PM |
マッケンロー def. メイヨット |
6-1、7-5 |
サンプラス def. コルダ |
6-1、6-2 |
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3日目 2007年5月4日(金曜) |
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2:30 PM |
マーチン def. フェレイラ |
6-3、6-2 |
クーリエ def. キャッシュ |
7-6(3)、6-3 |
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7:30 PM |
サンプラス def. メイヨット |
6-2、6-1 |
マッケンロー def. コルダ |
6-7、7-5、10-2(TB) |
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4日目 2007年5月5日(土曜) |
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2:30 PM |
コルダ def. メイヨット |
6-3、6-2 |
マーチン def. クーリエ |
6-3、3-6、10-8(TB) |
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7:30 PM |
フェレイラ def. キャッシュ |
6-3、7-6(0) |
サンプラス def. マッケンロー |
6-3、6-4 |
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5日目 2007年5月6日(日曜) |
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2:30 PM |
マッケンロー def. クーリエ |
6-2、6-3 |
サンプラス def. マーチン |
6-3、5-7、11-9(TB) |