アトランタ・ジャーナル機構
2006年12月9日
ウインブルドンは今でもサンプラスを惹き付ける
文:Steve Hummer


2002年、テニス界の最も偉大なチャンピオンの1人であるピート・サンプラスは引退した。彼と妻の女優ブリジット・ウィルソン - サンプラスは、カリフォルニアで名声の眩い光を浴びることなく、2人の息子を育てることに全力を注いできた。

今、彼は35歳で、パートタイムでコートに戻っている。世界チームテニスの短いシーズンを1つ終え、一連のエキシビションに乗り出したところだ。

引退中に増えた体重を5キロ落とし、サーブは時速210キロあたりを保っているとサンプラスは言う。

彼の持つ記録――14のグランドスラム・タイトル、7回のウインブルドン優勝、6年連続世界1位――には、ロジャー・フェデラーが迫りつつある。この週末、サンプラスは彼の生活と偉勲について語ってくれた。

31歳で引退し、最も良い事、そして最も良くない事は何ですか?

ピート:
人生を通して、いつも頭の中には仕事とスポーツがあった。外出してちょっとビールを飲んだり、あるいはおいしい夕食に出掛ける時、それが自分のテニスにどう影響するだろうかという気持ちが常にあった。「引退」の後、いろいろ楽しんだし、僕を1位の座から引きずり下ろそうとする人の事を心配しないでいられたよ。

仕事や規律だった事、集中が懐かしい。ウインブルドンや他のメジャー大会でプレーする高揚感が懐かしい。ウインブルドンのセンターコートに立つ快感が懐かしいね。

再びテニスボールを打ち始めた今、どれくらい積極的にやるつもりですか?

ピート:
再び忙しくしたいと思っている。生活にもう少し規律だった事と集中を取り入れたいと思っているよ。子供と一緒にいるのは好きだが、人は仕事に出なくっちゃね。僕は今、少しばかりプレーしているが、かつてのようではない。週に3〜4回ボールを打っている。ジムにはほぼ毎日行っている。それが来年どんな風になるか見て、そこからだ。

本格的なカムバックを考えたりしますか?

ピート:
それを実際に考える唯一の時は――あり得ないけどね――ウインブルドンの時期だ。特に、皆が芝生の上でステイバックしているのを見る時だね。かつて、それを見るのが好きだったよ。

ジミー・コナーズのような人がアンディ・ロディックのコーチとして成功しているのを見ると、コーチ業に興味を感じますか?

ピート:
心を過ぎった事はあるし、皆が僕に尋ねるよ。コーチである事には旅行がつきものだ。自分がその部分を気に入るかどうか分からない。現実的には、僕がコーチになるって事はないだろう。でも、もし誰かが僕に頼むなら……分からない。コーチが何をすべきかは知っている。

あなた自身の事よりも、ロジャー・フェデラーについてよく質問されますか?

ピート:
そうだね。彼をどう思うか、彼はどれくらい優れているかってね。今後何年か比較されるだろう。ロジャーは快進撃を続けて、僕の記録の大半を破るだろうと思っているよ。それはオーケイだ。彼に連絡をとって祝福を送ったよ。彼がしてきた事を称賛し、尊敬していると伝えたんだ。

あなた方両者が全盛期に対戦するとしたら、どんな風だろうかと想像する事はありますか?

ピート:
興味深い組み合わせだろうね。ロジャーはむしろベースライン・プレーヤーで、あまりネットに出たがらない。僕はペースが全てだ。僕たちは互いに勝ったり負けたりして、どちらか一方が支配するという事はないだろう。

アメリカン・テニスの現状について、どう思いますか?

ピート:
いいと思うよ。かつては僕、アンドレ(アガシ)、ジム(クーリエ)、マイケル(チャン)などがいて、かなり支配的だった。僕たちの世代とアンディ(ロディック)、ジェームズ(ブレイク)、ロビー(ジネプリ)らを比べるのは不当だよ。

アンディはコナーズがコーチとなり、進歩してきている。ジェームズは好調な1年を過ごしてきた。ただフェデラーと(ラファエル)ナダルは、他より一枚うわ手なんだ。

あなたはテニスをよく見ますか?

ピート:
それほどでもない。メジャー大会だけだ。何かテレビでやっていたら、時々見るかも知れない。試合を見るとなると、3時間くらい座っていなければならなくて、それは長いよね。